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【岐阜】『リング』貞子のモデル? 念写実験の父・福来博士とオカルトの歴史 | 福来博士記念館 | 岐阜県高山市 | 移転済み | 2005年アーカイブ


「リング」のモデルとなった人たち

ご存知「リング」シリーズで伊熊助教授のモデルとなった心霊研究者、福来友吉(1869-1952)について展示している資料館。
館内では「リング」そのものには触れられておらず、福来博士の生涯や念写についての紹介が中心となっている。
ただその展示スペースは小さく、内容もパネル展示が主なので、オカルトチックなものを期待していくと肩くわしを食らうかもしれない。

開館は昭和31年と古く、「リング」がブームになった頃にはすでに存在していた。これが観光資源の少ない町であれば、「貞子の里」などと名付けて饅頭でも売り出すところだろうが、幸か不幸か、そこは観光都市・高山、中途半端なブームに便乗することはなかった。ブームが過ぎた今となっては、結果的にそれが高山のイメージを守る、よい判断だったと思う。

最後にリングについて、念写を世に知らしめたものとしてその功績を評価しているのか、それとも誤解や混乱を広めた迷惑な存在とみているのか、主催者側にその考えを聞いてみたかったが、館内は無人で聞くことはできなかった。
まあ、いても絶対聞けないけど。


高山城城山公園内に存在する。
城山公園は高山市街を見下ろす景勝地。


しっかり場所を確認していかないと通り過ぎてしまいそうな記念館。
それほど期待はしていなかったが、期待を下まわる一軒家レベルの大きさ。


展示はこの部屋だけで、福来博士の胸像と説明板、著書が置かれているのみ。


福来博士胸像。
台の下にはお賽銭入れがある。お賽銭大好き日本人、期待にそぐわずたくさんのお賽銭が置かれていた。


福来博士の経歴。
高山市出身で東大卒業後、同大の助教授となったが、のちに免職され、高野山大学の教授、その後日本心霊研究所長となる。

リング」で伊熊助教授は主に戦後に活動していたが、福来博士は明治〜昭和初期にかけて活動。
亡くなる直前、「福来友吉第二世生まれる」と三回叫んだらしい。自分は昭和46年生まれなので、多分福来友吉第二世ではない。


「御船千鶴子」…貞子の母親のモデル

「リング」の主人公、貞子の母「山村志津子」のモデルとなった御船千鶴子についての説明板。
千里眼(透視)能力があったとされ、一時は新聞でかなり騒がれたが、明治43年の公開実験のゴタゴタからイカサマ扱いされ、同44年1月に服毒自殺。享年24。

サザエさん同様、24歳にはみえない

千里眼千鶴子にはない、念写能力を持っていたとされる長尾郁子
明治43年、世界で初めての念写を成功させた…らしい。
同44年1月、物理学者グループの実証検分によりイカサマと断定される。同年3月、インフルエンザにて死去。享年40。


長尾郁子が明治43年12月に世界で初めて成功させたとされる念写。「」という文字を念写する予定だったが、このような意味不明なものとなった。
長尾郁子、その死まで四ヶ月。


「念写関係者の受難」ということで、福来博士御船千鶴子長尾郁子らが「偏狭な物理学者」やマスコミからインチキ扱いされ、社会的に抹殺されようとしたことが記載されている。
このあたりものすごくローカル宗教チックな香りがする。


「高橋貞子」…貞子のモデル

大正2年、高橋貞子による念写。
この高橋貞子とは、もちろん山村貞子のモデル。またそのフォントは映画やドラマにでてきたものと同タイプ。

このフォントだけで「リング」って分かる

大正6年、透視&念写能力を持つ三田光一による透視念写実験結果。
神戸にいる三田に対し、手の加えられない感光板を渡し、浅草観音堂に掲げられている山岡鉄舟の書いた額面の文字を念写させるというもの。「南無観世音」と書かれているらしい。

カキクケコ」かと思った

恐怖でしかない、念写メドレー

同じく三田による念写メドレー。
1段目「山口不二子」、「松尾多勢子」
2段目「山口不二子の歌」×2、「婦人と歌」
3段目「婦人」、「仏心」、「梵字」
4段目「歌と大本願」、「賀正と大本願」、「賀正」

そこらへんの心霊写真よりずっと怖い

月の裏側

昭和6年三田によって念写された月の裏側
昭和34年、ソ連が月の裏側の撮影に成功した際、念写の結果が正しいことを証明するため、当時のフルシチョフ書記長に念写写真を送付して、比較検討を依頼したが、なしのつぶてだったらしい。
その後、関係者が三角法解析でソ連の月ロケット写真と念写写真を比較して、ピタリとあてはまったとのこと。まぁ、かなり嘘くさい。


開館当時のパネルも残されている。
1928年(昭和3)ロンドンで「国際超心理学大会」というものが開催され、日本代表として福来博士が参加したとある。
この界隈では「超心理学」というフレーズはよく聞くが、あらためて考えると、何が「超心理学」なのか全然分からない。

日本の外交状況が難しくなりつつある中のこと

同じく開館当時のパネルで、福来少年について紹介。
よくある、ローカル教祖の少年時代紹介といった内容で、「努力家で賢く、節度がある」ということらしい。

囲碁も三度目の稽古で師匠がたじたじとなったとある

同じく開館当時のパネル。
「精神力の感光現象」発見ということで、
イギリスのチャールス・ラス氏が眼から一種のエネルギーが放射され…」と紹介されている。

自分が知っているのは少し違ってて、
イギリスのディオ・ブランドー氏が眼から一種のエネルギー(空裂眼刺驚(スペースリパー・スティンギーアイズ))が放射され…」といった内容だった。

野口英世の母親美談に似ている

壁にかけられていた「疾病の構成と理想的治療法」。
この理論が正しいとすると、Dr.コトーブラックジャックは理想的な治療を行っていないことになる。


高山市との静かな争い

高山市への、「福来友吉博士記念館設立嘆願書」。
色々難しいことが書いてあるが、紹介したいのは末尾部分。
城山公園内に福来博士記念館と碑を建設したいと思います。何卒、御力添え戴きたく伏して御願い申し上げます

これに対する高山市からの返答、
城山公園は公の風致地区でもあるので他の土地を選ぶように御願いします」…。

高山市のクールガイな返答も大したものだが、それをここで掲載してしまう記念館もすごい。
これも、市の冷たい対応に対してのせめてもの抵抗だろうか。しかしこの記念館が建てられているのは城山公園内、とりあえず市の回答を無視して建設したようだ。

「敗戦後、目的を失った青少年達に希望と奮起を促す助けになると私たちは確信し…」と訴えている。

<おわり>



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