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めぐる命の物語~君に贈るキヅタ

筆者はテレビを一切見ない(持ってない)代わりにSNSを利用しています。
時々表示される広告を見て、ピンときた電子書籍を購入したりしますが、最近読んだ漫画で興味深い視点を持ったものがありました。その作品を読んで感じたことが犬と人との関係にどう投影されるか、少しまとめてみたいと思います。特に「虹の橋に愛犬を送った経験のある方」に、この記事が届くといいなと思います。
※一部ネタバレを含む部分がありますので、これから読むかたはその旨ご了承ください。


物語のテーマは「恩返し」

あまり詳しく書くとネタバレになってしまうので避けますが、「君に贈るキヅタ」という物語はざっくり言うと「かつて人に助けてもらった植物たちが、恩返しをするために人間の肉体を持って何度も生まれ変わっていく話」です。(主人公のキヅタは、木蔦の生まれ変わりです)
輪廻転生を扱い、主要な登場人物が植物の名前となると、昔ヒットした「ぼくの地球を守って」という漫画が頭をよぎります(^^)「キヅタ」の作中で扱われる生まれ変わりの概念は「ぼく地球」とはまったく違いますが、まあ、淡いオマージュなのかもと思います。

「キヅタ」では更に「時間」をテーマとした別の要素も加わるので、単なる輪廻転生の話だけではなくなるのですが(この要素があるために、お話のややこしさも増すのですが^^;)時間の概念を織り込むことで、肉体の死がすべての終わりではないことも描かれています。とても難しいテーマに挑んだ意欲作です。読み手が抽象度を上げて物語全体を俯瞰していくと、「言語化できないけれど、言いたいことは感覚としてわかる」ようになると思います。

わかりにくさについては「植物と、前世でその植物を助けた人間の関係」を「自分と愛犬の関係」に置き換えてみると、一気に解像度が上がります。特に「亡くなった愛犬の生まれ変わりを探したい、もう一度逢いたい」と願いながらも「魂の旅路がわからないので不安」「本当にまた巡り合えるか自信がない」と感じる人には読んでいただきたい作品です。筆者は2024年に「虹の橋のひみつ」と題したオンラインセミナーを開催しましたが、その中で解説した「生まれ変わりの構造」や「長いスパンで時間を捉える感覚」が、「キヅタ」では見事に描かれています。

大いなる利他性ー対象が何であってもー

恩返しをするために、植物が人間の肉体を得て生まれ変わるというのはとても面白い発想です。そして、そのきっかけを作る人間の精神性にも着目したいところです。

植物を助ける、あるいは生かす。ガーデニングが趣味の人なら日常的になさっていることですが、「キヅタ」ではもっとささやかな行動が植物を助け、次へと繋がっています。
ある登場人物が植物を助けた行動は、本人からすればむなしい行為であり、あるいはただの自己満足と思ったかもしれません。でもその瞬間に抱いていた思いは「みんなが幸せでいてほしい。相手が人でなくてもいい。なんだっていいから、とにかく幸せでいてほしい」でした。

利他の心については、筆者もコーチングセッションでよく取り上げるものです。利他性はゴール設定の際に絶対欠かせないものなのですが、ピンとこない人が多いのも事実です。(他者の幸せを願えないという意味ではなく、日本では他者の幸せと自分の幸せが並立せず、他者の幸せ=自己犠牲の人がとても多いのです)
「キヅタ」では利他性という言葉は使わず、主に「恩返し」として表現していますが、人間が植物を救済する場面で描かれる高い利他性は「一切の生きとし生けるもの、幸せであれ」という釈尊の言葉に通じていきます。命あるすべての存在の幸福や安寧を願う心は、すべての愛犬家が自分の犬に対して抱くものと同じです。

「成し遂げる」ことで完結する輪廻

「キヅタ」での植物たちの恩返しは、かつて助けてくれた人(の生まれ変わり)を幸せにすることで終わりを迎えます。作中では「成し遂げる」という表現ですが、これをもって植物たちは記憶を維持した輪廻転生を終えます。次以降の転生では記憶を持たない普通の人間として生まれ、多くの魂の輪廻の輪の中に入っていきます。

恩返しが終わると、それまで備わっていた「対象となる人を見つけられる特殊な能力」も失われていくのですが、何度も生まれ変わりながら出逢い続けるほど深い縁(えにし)のある魂同士が互いに与えた学びや恩恵は、最初の小さなサポート以上に魂を成長させたことでしょう。
作品中では植物と人間の出逢いというスタートですが、それが「ただ出逢うだけ」ではないことをあなたはもうご存知でしょう。もちろん、あなたに出逢って深い縁を結んでくれたのは植物ではなく、あなたのそばにいる唯一無二の愛犬です。彼らはその優れた嗅覚で、たった一人の出逢うべきあなたを見つけたのです。

魂はほろびない~みんな時の旅人

毎回の転生で必ず出会えるという保証もないまま、魂たちは何度も生まれ変わり、必然の出会いを果たしていきます。
人間側は記憶を持たずに次の人生へと転生しますが、植物たちは何度生まれ変わってもそこに至るまでの記憶を維持しています。
何度も繰り返す命の時間、その間に不安や焦りは達観へと変わり、長い時を渡っていく魂としての在り方を身に着けていきます。やがて恩返しを成し遂げた時の喜びや安堵は、長い長い時の旅を終えた魂たちへのご褒美ともいえるでしょう。

現実世界の私たちは、このようなファンタジーと無縁だと思っています。
しかし、愛犬と出逢うという一種の奇跡的体験をしている以上、ファンタジーが実在しないと断言していいのでしょうか?魂の輪廻転生は作り話でもなんでもなく「ある」ものですから、私たちも愛犬もまた、ファンタジックな体験をしながら長い時を生きていく「時の旅人」なのではないでしょうか。

そしてそのように考えた時、役割を終えた肉体を離れる愛犬への思いも変わっていきます。「おいていかないでほしい」から「また逢う日まで」と思えるだけでも、ペットロスの質は劇的に変化するのです。

「キヅタ」の世界では、植物の生まれ変わりたちはある程度外見を維持して生まれ変わります。これは、犬たちが「次に出会う時にも、僕(私)を見つけてね」と、前回と似た容姿を選ぶことがあるのと似ています。
でももし容姿がまったく違っても、心配することはありません。生まれ変わりに出逢う時、目を見れば必ずわかるようになっているからです。

生まれ変わった愛犬に出逢える自信がないという方は、まず「キヅタ」を読んでみてください。それでも難しかったら、当アカデミーの「愛犬お悩み即解決セッション」をお勧めします。あなたの愛犬が今現在肉体を持っていてもいなくても、あなたに「私の愛犬」と呼ぶべき存在がいるのなら、利用していただける資格があります。お気軽にお問合せください。


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