人工内耳と映画
※本記事の初出はアメブロの2025-2-8「人工内耳と映画」です。note転載にあたり一部加筆修正しました。
補聴器時代と人工内耳手術後の映画やテレビの話です。映画やテレビの好みはさまざまなので、個人的な経験として読んでもらえればと思います。
1.補聴器時代(1966年〜2015年9月)
小学生の頃は残存聴力がありましたので、補聴器でテレビを見ていました。「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」をリアルタイムで見ていた世代です。
この頃の聴力は、補聴器なしで低音40dbくらい高音70dbくらいで、補聴器ありで低音30dbくらい、高音60dbくらいだったと思います。(ストマイ難聴はまず高音が落ちるようです)
中高生の頃も残存聴力がありましたので、補聴器でテレビを見ていました。聞き取りが悪くなっていたのでドラマの聞き取りは完全にはできませんでしたが「時間ですよ」や「寺内貫太郎一家」をリアルタイムで見ていました。歌番組の全盛期だったので「レッツゴーヤング」「夜のヒットスタジオ」などを見ていました。スポーツは音声が聞き取りできなくても楽しめるので大相撲(先代貴ノ花時代)や巨人戦(第1次長嶋監督時代)を見ていました。
この頃の聴力は、補聴器なしで低音50dbくらい高音90dbくらいで、補聴器ありで低音40dbくらい、高音80dbくらいだったと思います。
大人になってからはテレビを見るのは、音声が聞き取りできなくても楽しめる巨人戦やサッカー日本代表戦くらいになりましたが、字幕放送が普及してからはドラマも見るようになりました。「渡る世間は鬼ばかり」は評判のドラマでしたがセリフが聞き取れなかったので、毎週見るようになったのは字幕がつくようになった第2部からです。「愛してくれと言ってくれ」はほとんど聞き取れませんでしたが、聴覚障害者が主役のドラマでしたので毎週見ていました。主役の豊川悦司がカッコよかったですね。相手役の常盤貴子もかわいかったですね。
字幕放送の黎明期は専用レコーダーが必要で、字幕放送の番組もあまりなかったので、ほとんどの番組に字幕がついている現在は聴覚障害者にはよい時代になったと思います。字幕放送の普及に尽力頂いた先達に感謝します。
映画は邦画はセリフが聞き取れないので、デートの際はもっぱら字幕付きの洋画でした。3Dの洋画は字幕付きで大迫力の映像が見られるので、補聴器でも楽しく鑑賞できました。「アバター(2009年)」は、異世界の幻想的な映像が幻想的で感動的でした。視力はなんともなかったのがありがたかったです。
補聴器は音量を上げるとピー音が出る(自分ではわからない)ので、1人で映画を観ているときは何度が肩をたたかれました。
アニメはまったく聞き取りができませんでした。字幕がついていてもセリフが聞きとれないので動きのある漫画を読んでるようでした。
40代の頃の聴力は、補聴器なしで低音70dbくらい高音100dbくらいで、補聴器ありで低音50dbくらい、高音90dbくらいだったと思います。
50代なってからの聴力は、補聴器なしで低音90dbくらい高音100+dbくらいで、補聴器ありで低音60dbくらい、高音100dbくらいだったと思います。感音性難聴にも人工内耳が有用であることを知らなかったので、これからどうなるのだろうと暗い気分になりました。
2.左耳人工内耳後(2015年10月〜2016年9月)
左耳人工手術後は聞き取りが不完全だったので、あまり映画は見ませんでしたが、聴覚障害者の家族を描いた「エール!(2015年)」は見ました。ロバート・デニーロ主演の「マイ・インターン(2015年)」も面白かったです。ドラマの聞き取りはほとんどできませんでした。
3.両耳人工内耳後(2016年10月〜)
両耳人工内耳になってからは、いろいろな映画を見ました。「ラ・ラ・ランド(2017年)」「アリースター誕生(2018年)」「ボヘミアン・ラプソディ(2018年)」などの音楽映画も楽しめるようになりました。
邦画は藤原竜也の「22年目の告白(2017年)」とリバイバル上映された「スローなブギにしてくれ(1981年)」を見ました。若い頃の浅野温子がかわいかったです。役者にもよりますが、セリフは半分ほど聞き取りできるようになりました。
聞こえないプロボクサーを岸井ゆきのが演じた「ケイコ目を澄ませて(2022年)」もよかったです。岸井ゆきのはセリフなしでしたが、共演者のセリフは半分は聞き取れました。BGMがなくエンディングロールも無音の映画だったのが印象的でした。
人工内耳にしてよかったことの1つは音量を上げても補聴器のようなピー音が出ないことです。映画館で肩をたたかれることもなくなりました。
ドラマでは、目黒蓮が中途失聴者になった「Silent(2022年)」はよかったですね。主役の目黒蓮(性格良さそう)と川口春奈(性格強そう)の組み合わせがうまくハマったからヒットしたのかなと思います。
アニメも集中して聞くと心なしかセリフが聞きとれるようになってきましたので、ジャズ漫画を映画化した「BLUE GIANT(2023年)」を見てみました。セリフは半分ほど聞き取りできたのでストーリーが追えました。サックスやピアノも聞こえたのでリハビリにはよかったと思います。
4.現在(2025年)
左耳人工内耳の手術から9年、右耳人工内耳の手術から8年経過し、両耳での聞き取りが安定してきたので映画もテレビも楽しめるようになっています。ドラマはもっぱら字幕付きですが聞くセリフと字幕の表示が一致していますので、補聴器よりも格段に楽しめるようになっています。
去年は「帰ってきたあぶない刑事」を見ました。セリフは6,7割方聞きとりできたので楽しめました。舘ひろしと柴田恭兵は年取ってもかっこいいですね。私も70歳過ぎたらこんなじいさんでいたいと思いました。⇦スタイルはムリですが。。
今年見た映画では「トワイライト・ウォリアーズ」が出色でした。大ヒットしたインド映画の「RRR」の香港版みたいな大作で面白かったです。
冬ドラマではバカリズム脚本の「HOT SPOT」が出色でした。雪がなくなったらロケ地までドライブしたいものです。
退職後、自室用のテレビを買ってからはNHK_BSで黒澤明監督作品や原節子主演作品を見ています。私のイメージの三船敏郎は「男は黙ってサッポロビール」のおじさんです。「七人の侍」のポスターでは三船敏郎はセンターなのでかっこいい主役かと思っていたところ、おっちょこちょいの三枚目役でした。「七人の侍」の主役は志村喬ですね。映画の旧作はNHK_BSで同じ映画が繰り返し放送されていますが、約20年前の放送はスクリーンのノイズがひどく字幕もなかったので楽しませんでしたが、現在はきれいな画面で字幕付きで見られるようになったのがありがたいです。
サッカー中継では審判のホイッスルが聞こえるようになったのでヌカ喜びがなくなりました。
昨年末に退職してから、時間ができましたのでYoutubeのギター解説動画も見ています。ガロの「暗い部屋」や「散歩」をギターの解説動画でみると、レコードではばく然と聞こえていたギターの音色が(和音別には聞き取れないものの)はっきりとわかるのがうれしいです。聞き取りだけでなく音楽にも効果があると言われているバイオニクスにしてよかったと思います。
人工内耳を両耳装用した後の聴力は左右とも30dbフラットで安定しています。プロセッサをはずすと両耳ともスケールアウトとなります。家族が隣室でテレビをつけていても無音状態で眠れるのがメリットですが、1人で寝る時は消防サイレンや災害アラートが聞こえないのがこわいところです。それでも人工内耳で聞こえることのありがたみの方がはるかに大きいです。
5.映画の障害者割引
映画は一般スクリーンであれば障害者割引の1000円で見られるのがありがたいです。物価上昇の昨今ですが値上げはしないでほしいものです。
109シネマズは、入会金1000円を払って会員になるとエグゼクティブシートが障害者割引と同額の1000円で購入できる(介護者も1000円)ので、ちょっとぜいたくな気分で鑑賞できます。⇦上映する映画や上映館により扱いが異なると思いますのでご確認ください。
障害者割引は入場時に障害者手帳を提示する必要がありましたが、障害者手帳アプリ(ミライロ)でもよくなったので今はスマホを提示してます。
<障害者手帳アプリ(ミライロ)>
<聴覚障害をテーマにした映画>
・エール!
・コーダ あいのうた
・ケイコ目を澄ませて
<使用プロセッサ・使用プログラム>
私が使用している人工内耳のプロセッサは、バイオニクスのナイーダCIです。
映画を見る時は音楽の広がりが感じられる「Fidelity-P」、ドラマを見る時は聞き取りがしやすい「Fidelity-S」を使用しています。
