高齢者が貧血になりやすい本当の理由と、今日から作れる薬膳スープ
はじめに
TikTokライブでこんな質問がありました。
「高齢者は貧血になりやすいと聞きました。栄養の吸収が悪いからですか?」
たしかに、高齢になると健康診断で貧血を指摘されることが増えます。でも、その原因を「栄養不足」だけで片づけていいのでしょうか。中医学の視点から見ると、貧血の原因はもう少し深いところにあります。
結論
高齢者の貧血には、主に2つの原因が考えられます。
①体が赤血球をそれほど必要としていないため、作る量を減らしている
②薬の影響で臓器に負荷がかかり、赤血球を作れなくなっている
「栄養が足りないから」ではなく、「体がそもそも作っていない」あるいは「作れない状態になっている」という視点が大切です。
理由
①体が赤血球を必要としていない
赤血球を作るには、たくさんのエネルギーが必要です。
成長期の子どもや思春期の若者は、体をどんどん大きくするために大量の赤血球が必要です。ところが高齢になると、体はもう成長しません。必要な量が減れば、体はエネルギーを節約するために赤血球を作る量を自然と減らします。
これは体の異常ではなく、ある意味では体が賢く判断している結果とも言えます。
症状がなければ、数値が少し低いだけで慌てる必要はありません。
②薬の影響で臓器に負荷がかかっている
中医学では、赤血球は1カ所で作られるものではなく、肝臓・心臓・脾臓・肺・腎臓のそれぞれが部品を担当し、協力して作り上げると考えます。
パソコンに例えると分かりやすいです。パソコンの部品はアジア各国で作られ、最終的に組み立てられて完成品になります。どこか1カ所の工場が止まれば、パソコンは完成しません。赤血球も同じで、どこかの臓器が弱っていると、材料が揃っていても作れなくなります。
西洋医学では貧血に対して鉄剤が処方されることがあります。これは「材料の補充」です。材料不足が原因なら効果はあります。しかし臓器の働きが落ちていて組み立てができない状態では、材料を足しても解決しません。
高齢者は複数の薬を飲んでいることが多く、その薬の代謝・排泄の負担が臓器にかかり続けることで、赤血球を作る力が落ちていくことがあります。
薬膳レシピ
5月の薬膳スープ:かぶと豚肉ともち米のスープ
5月は晴れても雨が降ると肌寒い日があります。体の中からじんわり温まるスープです。
材料(2人分)
かぶ 2個(葉もあれば使う)
豚肉(薄切りまたは細切れ) 100g
にんじん 1/2本
もち米 大さじ2
乾燥生姜(干姜) 小さじ1/2
大葉 3〜4枚
水 600ml
塩・醤油 少々
作り方
かぶは皮をむいてひと口大に切る。葉は小口切りにしておく。にんじんは薄い半月切りにする。
鍋に水と乾燥生姜、もち米を入れて中火にかける。
沸いたら豚肉、にんじん、かぶを加えて弱火で15〜20分煮る。
塩・醤油で味を整え、仕上げにかぶの葉を加えてひと煮立ちさせる。
器に盛り、刻んだ大葉をトッピングする。
薬膳ポイント
かぶ:消化を助け、胃腸を温める食材。脾臓の働きをサポートします。
もち米:胃腸を補い、気を補う力があります。消化の弱い方にも向いています。
乾燥生姜(干姜):体の芯から温める力が生の生姜より強く、冷えた胃腸に直接働きかけます。
大葉:気の巡りを整え、食欲を引き出します。
まとめ
高齢者の貧血は「栄養不足」だけが原因ではない。体が必要としていないか、臓器の働きが落ちている可能性がある
鉄剤は材料の補充。臓器の働きが落ちていれば、材料を足しても赤血球は作れない
症状がなければ数値に振り回されず、食事・運動・睡眠・入浴を整えることが先決
病気が怖いのではなく、知識がないことが怖い。正しい知識をつけることで、自分の体のサインを正しく読めるようになります。
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