小説家が故郷を「自殺の名所」にプロデュース?!『ウェルテルタウンでやすらかに』紹介
こんにちはうみです🐬✨
漫画編集者を目指す大学生です。
今日は最近読んだ小説『ウェルテルタウンでやすらかに』を紹介したいと思います!
あらすじ
この作品は西尾維新氏によって書かれた小説で2023年に講談社から出版されました。自殺を題材とした小説をを多く書く小説家、言祝が自身の故郷「安楽市」を「自殺の名所」としてプロデュースすることを胡散臭さ満載なコンサルタントから提案される場面から始まります。
小説で自殺を描き続ける小説家、考えの全く読めないコンサルタント、死ぬことに抵抗のない歌姫など、登場するキャラクターは皆どこか危うい部分があっていつ誰が死んでしまってもおかしくないように感じてはらはらしながら読んでいました😆😆
最後まで言うのはネタバレになってしまうのであらすじはここまでにしておきたいと思います!
気になった方は是非手に取っていただけると嬉しいです☺️
こちらが書籍情報です!
外装がとても凝っていてイラストはもちろん、文字の部分がキラキラしているのも是非見ていただきたいポイントなので書籍を手に取ってみてほしいです😍😍
ネタバレあり感想
※ネタバレ注意⚠️!!!!
この作品の言祝(小説家)は中学生の時のトラブルから故郷から逃げるように引っ越しているため、故郷が好きではない部分があるのが特徴だと思っています。田舎の閉鎖的なコミュニティで自身が起こしたトラブルで周りに迷惑をかけておきながら今も生き続ける自分に嫌悪(サバイバルギルディー)を感じ、小説で自殺を仮想体験しているとあるように作中で言祝は何度も「死にたい」と繰り返しています。この繰り返しがすごく印象に残っていて、人間って実際そこまで深刻に思っていなくても口癖で繰り返していくうちにその気持ちになっていくんですよね。その希死感をうみも持っているからこそ言祝の気持ちがすごくよく分かりました。「死ぬ」ということに抵抗のない歌姫餓鬼童きせきは自分がプロデュースされてきた経験が長いことから「自分らしく」死ぬために安楽市での自殺者の1人目になろうとします。
どこまでが本当に自分が望んでいる「自殺」なのか、という難しくて重いテーマを扱いながら、「〇〇をしたいから生きる」ではなく「死ぬ理由がないから生きる」という生き方を肯定してくれる作品でした。
うみ個人としては「高瀬舟」といったような自殺とか安楽死とかの作品は人がばんばん死んでいって読んだ後に精神がすり減るイメージが強かったのですが、餓鬼童きせきの自殺を止めるために小説家の小説を読ませて、この作品は餓鬼童の本棚の1冊目になるという結末は誰も死なずに終わるのでとても斬新でした。
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