#18 無敵タイム
早めに夕飯を済ませた私は、
ソファでのんびりタイムを満喫していた。
すると、どこからともなく
いつもの白黒が現れた。
(ほんと、気づいたらいるんだよな)
そんなことを思いつつも、
深くは考えないことにする。
「かうぽん、一緒に食べようと思ってアイス買っといたよ。
冷凍庫から持って来てくれる?」
「ふむ」
かうぽんは嬉しそうにキッチンへ向かった。
しかし、
待てど暮らせど戻ってこない。
仕方なく、
のんびりタイムを切り上げてキッチンへ向かう。
「かうぽん、アイスは~~?」
声をかけても返事がない。
(?)
かうぽんはキッチンの入り口で固まっていた。
視線の先に目を向ける。
そこには、
なんともおぞましい黒い物体がいた。
「ヒェッ!」
思わず声が出る。
そのとき、
かうぽんがズボンのすそをぎゅっと握ってきた。

(震えてる……?)
どうやら、
かうぽんもGが苦手らしい。
そう思ったら、
なんだか少しだけ冷静になれた。
「心配しないで」
かうぽんに小声で伝える。
深呼吸をひとつ。
殺虫剤を握る。
(いくぞ!)
気が付けば、
ヤツは動かなくなっていた。
あとは勢いのまま片付けて、
除菌スプレーを吹きかける。
「かうぽん、もう大丈夫だよ」
振り返ると、
ガチガチに固まっていたかうぽんが、
へなへなと床に座り込んだ。
「プぅ~」

文字通り、
気が抜けたようだ。
「換気しよっか(笑)」
***
部屋の窓を全開にして、
ベランダでアイスを食べることにした。
一仕事終えた後のアイスは格別である。
「…かっこよかった」
かうぽんがボソッと言った。
「へ?褒めてくれるの??ありがとう(笑)」
なんだかちょっとくすぐったい。
(もしかして、私って無敵なんじゃ…?)
そう思ったのもつかの間、
急に足がガクガク震えだした。
遅れてやってきた恐怖に、
思わずその場にしゃがみ込む。
どうやら私の無敵タイムは、
とっくに終了していたらしい。
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