5G/6G関連銘柄22選|NTT・KDDI・ソフトバンク・村田・アンリツから1Y+574%の太陽誘電・+500%古河電工まで完全ガイド
こんにちは、ウマキです。
「5Gはもう投資テーマとして終わったのではないか」と思っている方が、2024〜2025年の株価チャートを見たら本当にびっくりすると思います。なぜなら、5G/6G関連の電子部品・光ファイバー・通信機器銘柄が、ここ1年で2倍、3倍、4倍、5倍と凄まじい上昇を見せているからです。
たとえば古河電気工業(5801)は1年で+500%超、太陽誘電(6976)は+574%、村田製作所(6981)は+314%、フジクラ(5803)は+272%、住友電気工業(5802)は+251%、アンリツ(6754)は+126%といった具合に、銘柄選びを間違えなければシンプルに資産が数倍になっているテーマなのです。
これは決して「もう一段の5G普及待ち」という生ぬるい話ではありません。
背景にあるのは、AI半導体ブームと結びついた光電融合・データセンター内ネットワーク需要の急増、5Gスタンドアローン化(SA化)の進行、ローカル5Gの企業導入加速、そして2030年商用化を視野に入れた6G標準化作業の本格スタートです。「5G」というキーワードがメディアでバズらなくなった裏側で、関連企業の業績と株価は静かに、しかし強烈に、新しいステージに突入しています。
この記事では、5G/6Gの本命と呼べる22銘柄を6カテゴリに分けて、株価・時価総額・PER・PBR・配当利回り・1年変動率の指標とチャート付きで、なるべく丁寧にお話ししていきます。「上位の通信キャリアだけ知っている」という方でも、この記事を1本読み終える頃には「中堅以下の通信建設・電子部品にも本当の本命がいる」とわかってもらえる構成にしました。1.5万字オーバーの長文ですので、ブックマークして何度か読み返してもらえると嬉しいです。
それでははじめましょう。
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以下、目次となります。
5G/6Gテーマがなぜ今、再評価されているのか
まず最初に、なぜ「もう古い」と思われがちな5G/6Gテーマが2024〜2026年にかけて株価で炸裂しているのか、その背景を5つの視点で整理しておきます。
① 5Gスタンドアローン(SA)化の本格スタート
日本の5Gは2020年に商用サービスがはじまりましたが、当初の数年間は4Gコアネットワークの上に5G無線だけ載せた「ノンスタンドアローン(NSA)」が主流でした。これは通信速度こそ速くなったものの、低遅延・ネットワークスライシングといった5G本来の機能はほとんど使えていませんでした。
ところが2024〜2025年にかけて、国内大手キャリアが本格的にSA化への移行を進めはじめており、5Gコアネットワーク用の基地局・サーバー・電子部品の入れ替え需要が顕在化しています。これはNEC・富士通・アンリツ・古野電気といった通信機器メーカーや、村田製作所・太陽誘電などの電子部品メーカーに直接効いてくる構造変化です。
② 6G標準化スタートと2030年商用化への動き
5Gの次は当然6Gです。世界の通信規格を決める3GPPでは2025年から6G仕様の議論が本格化しており、2028年に最初の標準仕様(Release 21)、2030年頃の商用化が想定されています。「まだ先の話」と思いがちですが、株式市場では2030年商用化の場合、設備投資の本格化が2027〜2028年に始まるため、2026年は仕込みの時期として絶妙というロジックで先回り買いが入っています。
特に、6G時代の中核技術と目されているのが、NTTが提唱する「IOWN(アイオン)」構想です。光電融合・全光ネットワーク・APN(オールフォトニクス・ネットワーク)といったキーワードで、信号処理から伝送までを電気から光に置き換えていく技術体系で、NTT・富士通・NEC・古河電工・住友電工・フジクラなどが中核プレーヤーになっています。
③ AI需要が引き起こした電子部品・光ファイバー特需
おそらく2024〜2026年の電子部品・光ファイバー銘柄の急騰を支えた最大要因は、AIデータセンター需要の爆発的拡大です。生成AIの学習・推論を担うGPUクラスタには、大量のMLCC(積層セラミックコンデンサ)、インダクタ、コネクタ、そしてサーバー間を結ぶ光トランシーバ・光ファイバーケーブルが必要になります。
村田製作所のMLCC、太陽誘電のMLCC・コンデンサ、TDKの磁性部品、京セラのコネクタ、フジクラ・古河電工・住友電工の光ファイバーは、いずれもAIサーバーの中で大量に使われるため、AIブームの恩恵を5G/6Gテーマ以上に強烈に受けています。これは「5G関連株として買われていた銘柄が、いつのまにかAIインフラ銘柄として爆騰した」という見方もできて、テーマがリレーするように上昇エネルギーが供給されています。
④ 海底ケーブル・光ファイバーの構造的需要拡大
5G/6Gのモバイル通信はあくまで「端末から基地局」までの無線区間の話で、基地局から基地局へ、基地局からデータセンターへ、そしてデータセンター間を結ぶバックホール網は、光ファイバーケーブルで構築されています。これに加えて、大陸間データ通信を担う海底ケーブルでも、Google・Meta・Microsoftといった米国ハイパースケーラーが日本企業の光ファイバーを大量に発注しています。
フジクラ・古河電工・住友電工の光ファイバー御三家は、この海底ケーブル特需と国内5Gバックホール拡張のダブルで売上が伸びており、株価も1年で2.5倍〜5倍という驚異的なリターンを記録しています。
⑤ ローカル5G・産業用5Gの広がり
通信キャリアが提供するパブリック5Gとは別に、工場・物流倉庫・スタジアム・病院などが自前で構築する「ローカル5G」の市場が立ち上がりはじめています。ファナックは自社のFA(ファクトリーオートメーション)製品とローカル5Gを組み合わせた次世代スマートファクトリーソリューションを提供しており、キヤノンもキヤノンITSを通じてローカル5Gの設計・構築・運用サービスを展開しています。
ローカル5G市場は2030年までに国内だけで年率30〜40%成長すると予測されており、産業DXと結びつく形で長期的な成長ストーリーを描けるテーマになっています。
ここから、22銘柄をひとつずつ見ていきます。
通信キャリア(4銘柄)
まずは5G/6Gテーマで最も基本となる、モバイル通信キャリア4社からです。配当利回り3〜4%台の高配当銘柄が多く、ディフェンシブ性と6G時代の主役プレーヤーという2つの顔を持っています。
① NTT(9432)

株価 150.7円(1Y -3.6%) / 時価総額 13兆6,459億円 / PER 11.95倍 / PBR 1.40倍 / 配当利回り 3.58%
日本電信電話(NTT)は、国内最大の通信キャリアであり、5G/6Gテーマでは間違いなく主役の1社です。子会社のNTTドコモが国内最大の5G契約者数を抱えるほか、NTTグループ全体で世界中の通信インフラ・データセンター事業を展開しています。2024年7月の株式分割(1株を25株に分割)以降は1株150円台で取引されており、新NISA勢の個人投資家からも安定して買われている人気銘柄です。
5G/6G視点でのNTT最大の注目点は、自社が提唱する「IOWN(アイオン)」構想です。光電融合・全光ネットワークを軸にした次世代通信インフラで、NTTが2024年から商用APNサービスを開始しており、2030年頃の6G時代の中核技術として国際標準化の中心に立つことを目指しています。世界中の170社以上の企業が参加するIOWNグローバルフォーラムを主導している点で、6G標準化の主導権争いで日本勢が一歩リードしている象徴的存在になっています。
株価は2024年の分割後、AI銘柄ブームから取り残された格好でレンジ推移しています。PER12倍前後・配当利回り3.58%という指標は、メガキャリアとして十分にディフェンシブで、IOWN収益化が市場に評価されはじめれば、長期目線で再評価が入る余地が残っています。
② KDDI(9433)

株価 2,757.5円(1Y +13.7%) / 時価総額 11兆505億円 / PER 15.01倍 / PBR 2.17倍 / 配当利回り 3.04%
KDDIは、auブランドのモバイル通信を主力にしながら、固定通信・法人ソリューション・金融(au PAY、auじぶん銀行)・エネルギー(auでんき)まで幅広い事業ポートフォリオを持つ総合通信会社です。NTTドコモに次ぐ国内2位のキャリアで、5G契約者数の伸びも順調に推移しています。
5G/6Gテーマでの注目点は、自社のローカル5Gソリューションと法人向けプライベートネットワーク事業の伸長です。製造業・物流業・自治体向けに5G基盤を提供しており、AIエッジコンピューティングと組み合わせた高付加価値サービスを展開しています。また、米国Open RANアライアンスにも参加しており、ノキア・エリクソン依存からの脱却を進めるサプライチェーン多様化の動きでも先頭を走っています。
株価は2024〜2025年に堅調に推移しており、1年で+13.7%と通信キャリアの中では最も安定しています。25年連続増配を継続している配当方針も魅力で、長期保有目的の中核銘柄として安心感があります。
③ ソフトバンク(9434)

株価 215.0円(1Y -2.0%) / 時価総額 10兆3,166億円 / PER 18.94倍 / PBR 3.48倍 / 配当利回り 4.09%
ソフトバンクは、ソフトバンクグループの傘下にある通信子会社で、上場している方の通信キャリアです。Y!モバイル・LINEMOブランドを含めて国内3位の契約者数を持ち、Yahoo! JAPAN・PayPay・LINE・ZOZOといった巨大インターネットサービスを束ねるZホールディングス(現LINEヤフー)との連携で、通信×ネットの一体型ビジネスを構築しています。
5G/6Gテーマでの強みは、配当利回り4%超という業界トップクラスの高水準と、AI領域への踏み込みです。親会社ソフトバンクグループのAI戦略と歩調を合わせ、自社のデータセンター・AI推論クラウド事業を本格展開しているほか、OpenAI・Anthropic等との戦略的連携によって、国内の生成AIサービス基盤の主要プレーヤーになっています。
株価は2024年に株式分割(1株→10株)が実施されており、現在は215円台での取引です。新NISA勢にとっては配当狙いの定番銘柄として安定した人気があります。1年リターンが-2.0%とほぼ横ばいのため、本格的な急騰の前段階という見方もできます。
④ 楽天グループ(4755)

株価 740.0円(1Y -11.0%) / 時価総額 1兆6,091億円 / PER ― / PBR 1.62倍 / 配当利回り ―
楽天グループは、ECモール「楽天市場」と金融(楽天証券・楽天銀行・楽天カード)を主軸にしながら、楽天モバイルで国内4番目のモバイルキャリア事業を運営しています。5Gテーマで楽天が特に注目されてきたのは、世界初の完全仮想化Open RAN方式の5Gネットワークを構築しているからで、楽天シンフォニーを通じて海外キャリアへもこの仕組みを輸出しています。
楽天モバイルは設備投資先行で赤字が続いていましたが、2024〜2025年にかけて契約者数が900万人を突破し、ARPU(1契約あたり月間収益)も上向き、ようやく単月黒字化の目処が立ち始めています。Open RAN方式は、特定の基地局メーカーに依存しない柔軟性とコスト効率の高さが評価されており、6G時代を見据えた通信インフラの設計思想として世界的に注目を集めています。
業績赤字が続いている関係でPERと配当利回りは取得できませんが、PBR1.62倍と既に株主資本の上で評価されており、楽天モバイル黒字化が見えてきた段階で再評価されやすい銘柄構造になっています。1年リターン-11.0%という株価の出遅れは、逆張り目線では仕込みやすい水準と言えるかもしれません。
基地局・通信機器メーカー(5銘柄)
次は、5G基地局や通信機器を製造・販売するメーカー5社です。Open RANの台頭と6G標準化のなかで、特に日本メーカーの存在感が増してきている領域です。
⑤ NEC(6701)

株価 4,000円(1Y +3.0%) / 時価総額 5兆4,570億円 / PER 19.70倍 / PBR 2.48倍 / 配当利回り 1.00%
日本電気(NEC)は、官公庁向けIT・通信インフラ・社会ソリューションを主力とする総合電機メーカーで、5G/6G関連では海外向けOpen RAN基地局の主要サプライヤーです。世界の通信機器市場ではノキア・エリクソン・サムスン・ファーウェイの4強体制が長らく続いていましたが、Open RAN方式の台頭でNECがVerizon(米国)・Deutsche Telekom(独)・楽天モバイルといった大手キャリアの5G基地局を受注し、市場シェアを着実に拡大しています。
5G/6Gテーマでの大きな注目点は、量子暗号通信です。NECは量子鍵配送装置の商用化で世界をリードしており、6G時代に必須となる超セキュアな通信基盤の中核を担うことが期待されています。さらに、AIインフラ事業でも生成AI「cotomi」を独自開発し、政府向け生成AI基盤の主要ベンダーに名乗りを上げています。
株価はAI銘柄ブームの追い風を受けながらも、1年リターン+3.0%と意外におとなしい動きにとどまっています。PER19.7倍は同業内では割高ではなく、Open RAN海外受注と量子暗号の事業化が業績に乗ってくれば、再度評価される余地があります。
⑥ 富士通(6702)

株価 3,367円(1Y -3.2%) / 時価総額 5兆8,578億円 / PER 13.21倍 / PBR 2.89倍 / 配当利回り 1.63%
富士通は、ITサービスを主力にしながら、5G/6G関連では基地局・光トランシーバー・スーパーコンピュータの分野で強みを持つ総合ITメーカーです。NTTグループとの連携でIOWN構想の中核技術である光電融合デバイスの開発を担っており、6G時代を見据えた長期成長ストーリーが描ける銘柄です。
5G/6Gテーマでの存在感を示しているのが、Open RAN基地局の海外展開と、AI半導体ベンダー向け光通信ソリューションです。米国Verizon・英国Vodafone・伊TIMといった海外キャリアでの5G基地局受注実績があり、AI基盤を担うハイパースケーラー向けの光トランシーバ供給でも一定のシェアを獲得しています。
加えて、富岳の後継機となる次世代スーパーコンピュータ「富岳NEXT」の開発を理化学研究所と共同で進めており、ここでも5G/6G用のシステム検証・AIモデル研究の中核基盤になることが期待されています。
株価はPER13.2倍と業界内で比較的割安水準にあり、1年リターン-3.2%と出遅れ感が出ています。Open RANの本格的な業績寄与が確認できれば、再評価の余地は大きいと思っています。
⑦ OKI(6703)

株価 2,928円(1Y +90.9%) / 時価総額 2,554億円 / PER 11.80倍 / PBR 1.41倍 / 配当利回り 2.21%
OKI(旧 沖電気工業)は、ATM・プリンタ・通信機器を主力としてきた老舗電機メーカーで、近年は防衛・社会インフラ・5G関連の通信機器事業へ事業構造を大きく転換しています。1881年創業の通信事業からのDNAを受け継ぎ、5G基地局・光通信機器・量子暗号通信の研究開発を継続しています。
5G/6Gテーマでの注目点は、ローカル5G基地局の国内シェアと、防衛通信機器の伸びです。製造業向けのスマートファクトリーソリューションで自前のローカル5G基地局を提供しており、トヨタグループ・ホンダグループ・自動車部品大手の工場で導入実績を積み重ねています。また、防衛・宇宙関連の通信インフラでも防衛省・宇宙航空研究開発機構(JAXA)との取引が安定して継続しています。
株価は2024年後半から防衛関連・5G関連の物色が重なって急騰しており、1年で+91%という強烈な上昇を記録しています。それでもPER11.8倍・PBR1.41倍と指標的にはまだ過熱感が控えめで、配当利回りも2.21%とインカム面の魅力も残されています。中型銘柄ですが、業績モメンタムが続けば再評価の余地があります。
⑧ アンリツ(6754)

株価 3,879円(1Y +126.8%) / 時価総額 5,270億円 / PER 42.53倍 / PBR 3.97倍 / 配当利回り 1.28%
アンリツは、5G/6G用の電子計測器で世界トップシェアを誇る、5G/6Gテーマでは本命中の本命と言える銘柄です。スマートフォン・基地局・半導体チップの開発段階で必要となる無線信号の計測器を製造販売しており、世界の通信機器メーカー・チップメーカーがアンリツの製品なしには製品開発・量産検査ができない構造になっています。
5G/6Gテーマでの強みは、世界中の通信機器メーカー・半導体メーカーが新製品を出す際に必ずアンリツの計測器を購入するため、5G/6Gの設備投資サイクルが回るたびに業績が伸びるビジネスモデルです。2024〜2025年にかけて世界的に5G SA化と6G早期試作機の開発が加速したため、計測器需要が爆発的に伸びました。
株価は1年で+127%という急騰を記録し、PER42.5倍と既に高水準に達していますが、6G本格期に入る2027〜2030年に向けて再度需要が立ち上がるサイクル銘柄として、長期目線では十分妙味があると考えています。インバウンド系・防衛系とは別の意味で「日本企業がグローバルでトップシェアを取っている分野」の代表選手で、応援したい銘柄でもあります。
⑨ 古野電気(6814)

株価 5,640円(1Y +85.8%) / 時価総額 1,799億円 / PER 10.65倍 / PBR 2.01倍 / 配当利回り 2.83%
古野電気は、舶用電子機器の世界トップメーカーで、レーダー・ソナー・GPS・衛星通信機器を主力としています。「魚群探知機」のイメージが強いかもしれませんが、商船・漁船向けの統合通信・航法システムで世界市場の40%以上のシェアを握っており、5G/6Gテーマでは衛星通信・海上ブロードバンド領域の中核プレーヤーです。
5G/6Gテーマでの注目点は、6G時代のキーワードである非地上系ネットワーク(NTN)との関連性です。6Gでは衛星・成層圏プラットフォーム(HAPS)・地上基地局を統合した3次元ネットワークが想定されており、ここで衛星通信のレシーバ・送信機・統合制御システムを古野電気が手掛ける可能性が高いと見られています。また、自動運転車両用GNSS(高精度衛星測位)の供給でも世界的なプレゼンスを持っています。
株価は1年で+86%と大幅に上昇していますが、PER10.65倍・PBR2.01倍・配当利回り2.83%と指標的にはまだ過熱感が控えめで、6G時代のNTN受容によって再評価される可能性を秘めています。時価総額1,799億円という中型サイズのため、上昇余地は大型銘柄より大きく取れる位置にあります。
電子部品メーカー(4銘柄)
ここからは、5G/6Gスマートフォン・基地局・AI向けデータセンターの「中の部品」を作っている電子部品メーカー4社です。1年で2倍〜6倍と凄まじいリターンを記録した銘柄が並びます。
⑩ 村田製作所(6981)

株価 8,967円(1Y +314.5%) / 時価総額 17兆6,022億円 / PER 70.24倍 / PBR 6.47倍 / 配当利回り 0.78%
村田製作所は、積層セラミックコンデンサ(MLCC)の世界トップシェアメーカーで、スマートフォン・基地局・自動車・AIサーバーといったあらゆる電子機器に必須の電子部品を供給しています。5G/6Gテーマでは「5Gスマホ1台に村田のMLCCが約1,000個搭載される」と言われており、5G普及拡大は同社業績の直接的な追い風になります。
ただ、ここ1〜2年で村田の株価を爆騰させた最大要因は、AIデータセンター向けMLCC需要の急増です。NVIDIAのGPUクラスタを搭載したAIサーバーは、従来の汎用サーバーの数倍のMLCCを必要とするため、AI設備投資ブームが直接、村田の売上高と利益率を押し上げました。世界中のハイパースケーラーが2025〜2026年にAI設備投資を倍々で増やしているため、その需要を一身に受けています。
株価は1年で+314%と劇的に上昇し、時価総額は17兆6,000億円と日本を代表する電子部品銘柄の地位を確立しました。PER70倍・PBR6.5倍と既に高水準ですが、6G時代に向けたMLCCの小型化・高性能化トレンドが続く限り、長期保有銘柄として握っておきたい1社です。
⑪ 太陽誘電(6976)

株価 16,630円(1Y +574.6%) / 時価総額 2兆1,655億円 / PER 140.34倍 / PBR 6.28倍 / 配当利回り 0.54%
太陽誘電は、村田製作所に次ぐMLCC世界2位の電子部品メーカーで、特に高容量・小型MLCCの分野で強みを持っています。AIデータセンター・5Gスマートフォン・電動車載向けの大電流対応MLCCに強く、5G/6G時代の「電源管理を担う心臓部」の供給を担っています。
5G/6G分野での太陽誘電の存在感は、AIデータセンター・先端パワー半導体向け用途で発揮されています。NVIDIAのBlackwellアーキテクチャ向け基盤や、TSMC・Samsung・Intel等の先端半導体パッケージング向けに高性能MLCCを供給しており、AI半導体の出荷量が増えるほど太陽誘電の業績も連動して伸びるビジネス構造になっています。
株価は1年で+575%という驚異的な上昇を記録し、PER140倍という極めて高い水準まで買い上がられています。これは「将来のEPS成長」を相当織り込んだ水準のため、短期的にはボラティリティが高いと覚悟しておく必要があります。ただ、6G本格期に向けた高周波MLCC・低損失コンデンサの構造的需要拡大を考えると、長期目線で握れる投資家にとっては引き続き魅力的な銘柄です。
⑫ 京セラ(6971)

株価 3,596円(1Y +109.3%) / 時価総額 5兆1,031億円 / PER 35.01倍 / PBR 1.52倍 / 配当利回り 1.55%
京セラは、セラミックスを中核技術にしながら、半導体パッケージ・コネクタ・水晶部品・有機基板・通信用フィルタといった電子部品を幅広く展開する総合電子部品メーカーです。5G/6Gテーマでは、スマートフォン向け高周波コネクタ・基地局向けセラミック共振器・AI半導体向けセラミックパッケージで競争力を持っています。
5G/6Gテーマでの注目点は、AI半導体パッケージング基板の供給拡大です。京セラはセラミック・有機基板の両方で世界トップクラスの技術を持っており、NVIDIA・AMD等のAI半導体ベンダーから先端パッケージング基板の受注を獲得しています。これに加えて、auブランドのスマートフォン「TORQUE」「DIGNO」シリーズや、京セラコミュニケーションシステムが手掛けるローカル5Gソリューションでも、5G普及の恩恵を直接享受しています。
株価は1年で+109%と倍以上の上昇を記録していますが、PER35倍・PBR1.52倍と村田・太陽誘電に比べれば相対的に控えめな水準で、配当利回り1.55%とインカム面の魅力も残されています。総合電子部品の安定感を求める投資家には心強い1社です。
⑬ TDK(6762)

株価 3,561円(1Y +125.2%) / 時価総額 6兆9,221億円 / PER 34.54倍 / PBR 3.16倍 / 配当利回り 1.12%
TDKは、磁性部品(フェライト・インダクタ)・受動部品(コンデンサ)・電池(リチウムイオン二次電池)を主力とする世界的な電子部品メーカーです。5G/6G分野では、スマートフォン用のリチウムイオン電池・5G高周波インダクタ・AIサーバー用磁性部品で世界トップクラスのシェアを持っています。
5G/6Gテーマでの注目点は、AIサーバー向け電源管理用途と、スマートフォン用小型リチウムイオン電池の需要拡大です。AI半導体は消費電力が大きく、それに対応する電源管理回路には大量のインダクタ・磁性部品が必要になります。TDKは旧TDKラムダ事業を通じて、AIサーバー向け電源モジュールの主要サプライヤーになっており、業績寄与が急拡大しています。
加えて、Apple iPhone向けリチウムイオン電池でも長年トップシェアサプライヤーの地位を維持しており、5G対応スマートフォンの普及がそのまま業績に効いてきます。株価は1年で+125%と倍以上の上昇を記録しており、PER34.5倍は同業内では妥当な水準で、長期保有のコア銘柄として安定感のある1社です。
光通信・光ファイバー(3銘柄)
ここからが今回の記事で特に強調したいセクターです。フジクラ・古河電工・住友電工の「光ファイバー御三家」が、5G/6Gテーマ+AIデータセンター需要のダブルで強烈に株価を伸ばしています。
⑭ フジクラ(5803)

株価 4,142円(1Y +272.0%) / 時価総額 7兆3,528億円 / PER 43.63倍 / PBR 13.12倍 / 配当利回り 0.91%
フジクラは、光ファイバーケーブル・電線・自動車用ワイヤーハーネスを主力とする総合電線・通信ケーブルメーカーで、ここ1年で日本株市場の主役級銘柄に躍り出ました。5G/6Gテーマでは、海底ケーブル・データセンター間光通信ケーブル・基地局バックホール用ケーブルといった、デジタルインフラの中核製品を供給しています。
5G/6G・AI時代におけるフジクラの強みは、AIデータセンター内の超大容量光通信ケーブルです。NVIDIA・Broadcom・Amazon・Google・Meta・Microsoftといったハイパースケーラーが、AIクラスタを構築する際に欠かせない高密度光ファイバーケーブルを大量に発注しており、フジクラはその主要サプライヤーの1社です。さらに、太平洋・大西洋を結ぶ海底ケーブルプロジェクトでも、Google・Meta主導の新世代ケーブル敷設で日本企業として重要な役割を果たしています。
株価は1年で+272%と劇的に上昇し、時価総額7.3兆円と東証プライム市場の上位ランカーに躍り出ました。PBR13倍は確かに高い水準ですが、AI設備投資の長期トレンドと6G時代の光通信需要拡大を考えると、長期目線で握っておきたい銘柄筆頭です。
⑮ 古河電気工業(5801)

株価 40,780円(1Y +500.3%) / 時価総額 2兆8,818億円 / PER 39.58倍 / PBR 6.90倍 / 配当利回り 0.53%
古河電気工業(古河電工)は、光ファイバー・通信ケーブル・電力ケーブル・自動車部品を手掛ける老舗の総合電線メーカーで、ここ1年で株価が6倍になった驚異の銘柄です。「電線株」のイメージが強かった同社が、AI×データセンター×5G/6Gテーマで完全に化けました。
5G/6Gテーマでの古河電工の中心商品は、データセンター内・データセンター間の高密度光ファイバーケーブルと、海底ケーブルです。フジクラと同様に、AIハイパースケーラー向けの大規模受注を獲得しており、加えて伝統的に強かった海底ケーブル分野でも、地政学リスクを背景に日本企業の存在感が高まっています。さらに、光ファイバー融着接続機(FITELブランド)の世界トップシェアという独自の強みも持っており、ケーブル単体だけでなく付帯機器でも長期的な需要を取り込めています。
株価は1年で+500%という凄まじいリターンを記録し、市場参加者の度肝を抜きました。PER39.6倍は急騰銘柄としては比較的妥当な水準で、業績がさらに伸びれば指標面の正当化が進む可能性があります。ボラティリティは大きいですが、長期テーマ株として握る価値のある1社です。
⑯ 住友電気工業(5802)

株価 10,250円(1Y +251.1%) / 時価総額 8兆1,379億円 / PER 21.63倍 / PBR 2.96倍 / 配当利回り 1.52%
住友電気工業(住友電工)は、光ファイバー・電力ケーブル・自動車用ワイヤーハーネス・特殊鋼を手掛ける総合電線メーカーで、フジクラ・古河電工と並ぶ「光ファイバー御三家」の1社です。世界の光ファイバー市場でトップ3に入る生産能力を持ち、AI時代のデータセンター・5G/6G時代の通信インフラ需要を一手に取り込んでいます。
5G/6Gテーマでの強みは、低損失・低分散型の最先端光ファイバーケーブル(マルチコアファイバー・空孔型ファイバー)の量産技術です。これらは6G時代の超高速・超低遅延通信を支える次世代光ファイバーで、住友電工は世界に先駆けて商用化を進めています。加えて、自動車用ワイヤーハーネスの世界トップシェア、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体の量産化など、複数の成長ドライバーを抱えており、5G/6G以外のテーマでも投資妙味のある総合企業です。
株価は1年で+251%と3.5倍の上昇を記録しました。PER21.6倍は古河電工・フジクラより指標面で割安に映り、配当利回り1.52%とインカム面でも見劣りしない構成です。光ファイバー御三家のなかでは指標バランスがもっとも整っており、初心者から長期投資家まで幅広く検討に値する1社と言えます。
通信建設・基地局工事(4銘柄)
5G/6Gの基地局を地上に「立てる」会社が、通信建設の4社です。配当利回り2.5%前後の安定配当と、5G/6G設備投資の波を直接享受できる地味だが強いポジションを持っています。
⑰ ミライト・ワン(1417)

株価 3,818円(1Y +54.6%) / 時価総額 3,487億円 / PER 14.58倍 / PBR 1.24倍 / 配当利回り 2.48%
ミライト・ワンは、NTT東日本・NTT西日本・NTTドコモを主要顧客とする通信建設会社で、基地局の建設・撤去・移設、光ファイバー網の敷設、データセンターの建設などを手掛けています。2022年にミライト・ホールディングス、ミライト、TTKの3社が経営統合して発足した新生グループで、国内通信建設業界でNo.1の規模を誇ります。
5G/6Gテーマでの注目点は、NTT/ドコモのSA化に伴う基地局更新需要と、IOWN対応の光ファイバー網拡張案件です。NTTグループが2030年に向けたIOWN本格展開を進めるなかで、現場での光ケーブル敷設・接続工事を担う立場として安定した受注が見込まれています。さらに、防災・国土強靱化関連の通信インフラ整備や、データセンター建設工事でも受注を伸ばしています。
株価は1年で+55%と堅調な上昇を記録しています。PER14.6倍・PBR1.24倍・配当利回り2.48%と指標バランスが非常に良く、ディフェンシブ性と成長性を両立できる中型銘柄として、新NISA勢にも人気が高まっています。
⑱ コムシスホールディングス(1721)

株価 5,359円(1Y +62.2%) / 時価総額 6,324億円 / PER 17.19倍 / PBR 1.58倍 / 配当利回り 2.51%
コムシスホールディングスは、ミライト・ワンと並ぶ国内大手の通信建設会社で、NTTグループの工事受注で長年トップシェアを保ってきた老舗です。光ファイバー敷設・基地局建設・無線アンテナ工事・データセンター電源工事・サーバルーム空調工事といった、デジタルインフラの「現場」を一手に担う総合インフラ企業です。
5G/6Gテーマでの注目点は、ミライト・ワン同様にNTTのSA化・IOWN展開に伴う設備投資の波を受けられる立場にあります。さらに、近年は再生可能エネルギー関連の電気工事や、都市インフラ更新工事への業域拡大も進めており、収益源の多様化が進んでいます。
株価は1年で+62%と堅調な上昇を見せています。PER17.2倍・PBR1.58倍・配当利回り2.51%と指標は健全で、25期連続増配を継続している配当方針も投資家から評価されています。通信建設セクターの中で「安定とディフェンシブ性を重視するならコムシス」と言える1社です。
⑲ エクシオグループ(1951)

株価 2,738円(1Y +49.7%) / 時価総額 5,630億円 / PER 18.11倍 / PBR 1.64倍 / 配当利回り 2.92%
エクシオグループ(旧 協和エクシオ)は、NTTグループ・KDDIグループ・ソフトバンクグループの三大キャリアの工事を幅広く受注している総合通信建設会社です。2021年の社名変更を機にM&Aを活発化させ、ICT関連事業・都市インフラ事業の比率を高めることでビジネスポートフォリオを多角化しています。
5G/6Gテーマでの注目点は、複数キャリア横断の受注体制と、データセンター建設・電力インフラ工事の伸びです。1社のキャリアに依存しない受注構造のため、業界全体の設備投資が伸びれば均等に売上が拡大できるディフェンシブ性があります。また、再生可能エネルギー関連の送配電工事や、自治体向けのスマートシティ構築事業など、5G/6Gの周辺領域でも収益機会を取り込めるポジションを築いています。
株価は1年で+50%と堅調な上昇を見せ、配当利回り2.92%という業界トップクラスの水準と、PER18倍・PBR1.64倍という妥当な指標を維持しています。安定配当とテーマ性の両立を目指すなら、検討に値する1社です。
⑳ クラフティア(1959・旧九電工)

株価 8,659円(1Y +58.0%) / 時価総額 6,136億円 / PER 15.29倍 / PBR 1.76倍 / 配当利回り 2.54%
クラフティア(KRAFTIA)は、九州電力グループの電気工事会社「九電工」が2025年10月に商号変更して誕生した、九州地盤の総合インフラ建設会社です。社名は「九州(Kyushu)」と「クラフトマンシップ(Craftsmanship)」を組み合わせた造語で、伝統的な電気工事の枠を超えて、通信・データセンター・再生可能エネルギーまで領域を広げていく姿勢を示しています。
5G/6Gテーマでの注目点は、九州地域のデータセンター需要急増と、TSMC熊本工場関連のインフラ整備です。九州はSoftBank・KDDI・楽天・GMOといった大手企業が新規データセンターを建設中で、その電源工事・通信ケーブル工事・サーバルーム整備をクラフティアが受注する構造にあります。加えて、TSMC熊本第2工場の建設に伴う電力・通信インフラ整備でも有力候補に名前が挙がっています。
株価は1年で+58%と堅調に上昇しており、PER15.3倍・PBR1.76倍・配当利回り2.54%と指標バランスも良好です。通信建設という伝統的なディフェンシブ性に、九州データセンター・TSMC熊本というグロース要素が加わった、なかなか面白いポジショニングの銘柄に仕上がっています。
ローカル5G・産業用5G(2銘柄)
最後に、企業や工場が自前で5G通信網を構築する「ローカル5G」分野の主要プレーヤー2社です。長期テーマ性が高く、AI×ロボット×5Gが結びついた次世代スマートファクトリーの中核を担います。
㉑ ファナック(6954)

株価 6,778円(1Y +76.8%) / 時価総額 6兆6,578億円 / PER 37.97倍 / PBR 3.57倍 / 配当利回り ―
ファナックは、CNC(数値制御装置)・産業用ロボット・工作機械の世界トップメーカーで、5G/6Gテーマではローカル5Gと産業用IoTの中核プレーヤーです。同社は自社の生産設備をすべてローカル5Gで結ぶ「FANUC SMART FACTORY」構想を推進しており、生産ライン全体をAI・5G・ロボットで統合制御する次世代スマートファクトリーモデルを世界に提示しています。
5G/6Gテーマでの強みは、独自のローカル5G実装力と、産業用ロボット世界トップシェアという既存事業の組み合わせです。製造業のDX化が進む中で、工場の生産設備を5G無線で結ぶことで配線コストを削減し、AI画像認識やリアルタイム品質検査と組み合わせて生産性を抜本的に向上させる動きが世界中で広がっています。ファナックはこの分野で先頭を走っており、トヨタ・ホンダ・テスラ・BYD・フォルクスワーゲンといった世界の自動車メーカーへ大規模に納入しています。
株価は1年で+77%と堅調な上昇を見せ、AI×ロボット×5Gのテーマで多面的に物色されています。PER38倍と高めの水準ですが、産業DXの長期トレンドを考えると保有妙味があると考えています。
㉒ キヤノン(7751)

株価 4,275円(1Y -1.8%) / 時価総額 5兆7,018億円 / PER 11.63倍 / PBR 1.63倍 / 配当利回り 3.74%
キヤノンは、カメラ・プリンタ・医療機器・半導体露光装置・産業機器を主力とする大手電機メーカーで、5G/6G関連ではキヤノンITソリューションズを通じたローカル5Gの設計・構築・運用サービスを展開しています。また、半導体露光装置事業のサブシディアリーであるキヤノンナノテクは、5G/6G用の先端半導体パッケージング技術の開発でも存在感を持っています。
5G/6Gテーマでの注目点は、医療向けローカル5Gと、半導体パッケージング装置の伸びです。キヤノンメディカルシステムズが手掛ける病院向け医療画像通信網は、ローカル5Gの代表的なエンドユースケースで、画像診断装置・電子カルテ・遠隔診療を5G網で統合運用する設計を進めています。さらに、ナノインプリント露光装置「FPA-1200NZ2C」は次世代半導体製造の有望候補で、5G/6G用先端チップの製造装置として将来性が期待されています。
株価は1年で-1.8%とほぼ横ばいですが、PER11.6倍・PBR1.63倍・配当利回り3.74%と指標バランスは非常に良好です。配当を取りながら、ローカル5Gと先端半導体製造装置のオプションを長期で握れる、ディフェンシブ性とテーマ性の両立に優れた1社と言えます。
パフォーマンス比較
22銘柄全体を1年リターン順で整理すると、以下のようになります。
🚀 +200%超のスーパーパフォーマー(5銘柄)
太陽誘電 +574% / 古河電工 +500% / 村田製作所 +314% / フジクラ +272% / 住友電気工業 +251%
📈 +100%超のオーバーパフォーマー(4銘柄)
アンリツ +126% / TDK +125% / 京セラ +109% / OKI +91% / 古野電気 +86%
🌱 安定成長系(+50〜100%、6銘柄)
ファナック +77% / コムシスHD +62% / 九電工/クラフティア +58% / ミライト・ワン +55% / エクシオG +50%
🏛️ 横ばい〜ディフェンシブ(7銘柄)
KDDI +14% / NEC +3% / ソフトバンク -2% / キヤノン -2% / 富士通 -3% / NTT -4% / 楽天 -11%
ここから読み取れるのは、「電子部品・光ファイバーの中堅〜大型銘柄が爆騰し、メガキャリアは横ばい」というはっきりした傾向です。5G/6Gの設備投資波の恩恵は、キャリアではなく「キャリアにモノを売る側」に大きく流れている構図と言えます。
5G/6Gテーマで意識したい投資視点5つ
ここまでで22銘柄の個別解説を終えました。最後に、5G/6Gテーマで銘柄を選ぶ際に意識しておきたい5つの視点を整理しておきます。
1️⃣ 「キャリアより、キャリアに売る側」の方が儲かる
過去1年のリターンを見ると一目瞭然ですが、ドコモ・KDDI・ソフトバンクといったメガキャリアの株価はほぼ横ばいか若干のプラスにとどまっています。一方で、彼らに基地局・通信機器・電子部品・光ファイバー・建設工事を売る側の企業は、軒並み2倍〜6倍と凄まじいリターンを記録しました。「設備投資の本命は、投資する側より投資される側を作る側」というセオリーが、5G/6Gテーマでも見事に当てはまっています。
2️⃣ AIデータセンター需要とのリンクを見る
5G/6G関連と電子部品・光ファイバー銘柄が爆騰した最大の原因は、実は5GではなくAIデータセンター需要です。村田・太陽誘電・京セラ・TDK・フジクラ・古河電工・住友電工は、5G関連株として買われているように見えて、本当の業績ドライバーはAIサーバー向けの大量受注です。今後の銘柄選びでも、5G/6Gテーマだけでなく「AIインフラに対する売上比率」を意識すると、本物の本命を見極めやすくなります。
3️⃣ 6G本格期2027〜2030を見据えた長期目線
5Gの設備投資ピークは2022〜2024年と既に過ぎつつあり、現在は5Gの高度化と6G準備期間に入っています。本格的な6G設備投資は2027〜2028年から立ち上がり、2030年に商用化されることで一気に加速する見通しです。短期トレード目線では物色一巡の警戒感が出やすい一方、長期目線では2027年の本格立ち上がりに向けて先回り買いが入りやすい時期です。
4️⃣ 配当利回りと指標バランスを見る
急騰銘柄が多いだけに、PERが30〜70倍と高水準まで買われている銘柄も増えています。長期保有を前提とするなら、PER15〜20倍前後・配当利回り2〜4%台の指標バランスがとれた銘柄(NTT・KDDI・ソフトバンク・キヤノン・ミライト・ワン・コムシスHD・エクシオG・クラフティア)を一定割合組み入れて、ボラティリティを抑える設計が有効です。
5️⃣ 分散と段階エントリーが鉄則
5G/6G関連銘柄は半導体・AI・データセンターと相関が極めて高いため、一斉に大きく上下する性質があります。1銘柄に集中投資せず、キャリア・基地局メーカー・電子部品・光ファイバー・通信建設の5カテゴリーから2〜3銘柄ずつ選んで分散する構成が、長期的に最もリターンと安全性のバランスが取れます。エントリーも一括投資より、3〜6ヶ月かけて段階的に積み上げる方が、ボラティリティに対する耐性が上がります。
5G/6Gテーマで意識したいリスク6つ
逆に、これだけ大きく上昇している5G/6Gテーマだからこそ、認識しておくべきリスクも明確にしておきます。
⚠️ AI設備投資ペースの減速リスク:村田・太陽誘電・フジクラ・古河電工・住友電工の急騰は、AIデータセンター需要に大きく依存しています。NVIDIA等のAI半導体出荷ペースが減速すれば、関連電子部品・光ファイバー需要も冷え込むため、AI関連株のセンチメントを常にウォッチする必要があります。
⚠️ 金利上昇による高PER銘柄調整リスク:村田PER70倍、太陽誘電PER140倍といった高指標銘柄は、金利上昇局面で大きく調整する可能性があります。米国・日本の金利動向は5G/6G銘柄ポートフォリオに直接影響します。
⚠️ 6G標準化の遅延リスク:6G商用化は2030年が目標ですが、過去の3G→4G→5Gのいずれも当初予定より1〜2年遅れたケースが多々ありました。標準化作業の長期化は、設備投資先送りに直結します。
⚠️ 中国メーカーとの価格競争激化:5G基地局・光ファイバーケーブル分野では、中国のファーウェイ・ZTE・YOFCといった企業が世界トップクラスのシェアを持っています。米中対立で中国製品が排除される動きはプラス要因ですが、それ以外の地域では激しい価格競争が続いています。
⚠️ 地政学リスクと海底ケーブル損傷:フジクラ・古河電工・住友電工の業績ドライバーである海底ケーブル事業は、台湾海峡・紅海・北極海といった地政学リスクの高い海域で工事が行われています。海底ケーブルの損傷事故や政治的対立がプロジェクトを遅らせるリスクは恒常的に存在します。
⚠️ 通信キャリアの設備投資抑制リスク:NTT・KDDI・ソフトバンクの5G設備投資はピークアウトの兆しがあります。キャリア側が設備投資を抑制すれば、通信機器メーカー・通信建設会社の受注も鈍化するため、キャリアの設備投資計画を常にウォッチする必要があります。
まとめ
5G/6Gテーマは「2020年に流行ったテーマ」と思っていた方には、本当に申し訳ないのですが、2024〜2026年の真の主役テーマとして復活しました。電子部品・光ファイバー・通信機器の中堅〜大型銘柄が、AIインフラ需要との相乗効果でこれまでにない強烈なリターンを叩き出しています。
今回紹介した22銘柄は、通信キャリア4・基地局メーカー5・電子部品4・光ファイバー3・通信建設4・ローカル5G 2のバランスで、5G/6Gテーマを多角的にカバーできる構成にしました。ご自身の投資目的(成長性重視 / 配当インカム重視 / 分散安定型)に合わせて、6カテゴリーから組み合わせて選んでいただければと思います。
長期目線では、2027〜2030年の6G本格商用化に向けた設備投資波が、第二波として静かに準備されはじめています。今は仕込みの時期と考えて、急騰銘柄に飛びつくのではなく、指標バランスのとれた銘柄を段階的に積み上げていく投資スタンスが、最終的に最も大きなリターンに繋がると確信しています。
おすすめ書籍
最後に、5G/6Gテーマと通信インフラの理解を深めるための書籍を2冊紹介します。
1冊目:『60分でわかる! 5Gビジネス 最前線』(佐野正弘 / 技術評論社)
タイトル通り60分で一気に5Gの全体像が掴める入門書で、5Gが社会・ビジネス・通信業界にもたらすインパクトをコンパクトに解説しています。5G関連銘柄を本気で深掘りしたい方が最初に手に取るべき1冊で、本記事で紹介した銘柄を頭の中で位置づけ直すのにとても役立ちます。
2冊目:『IOWNの正体 NTT 限界打破のイノベーション』(島田明・川添雄彦 / 日経BP / 2024年11月)
NTTの現職代表取締役社長と副社長が、自社が提唱する次世代通信インフラ「IOWN」について書き下ろした、2024年11月発売の本格的な技術解説書です。
6G時代の中核となる光電融合・全光ネットワークがなぜ革命的なのか、NTTがなぜそれをやらなければならないのか、技術と経営の両面から踏み込んで書かれています。NTT・富士通・古河電工・住友電工・フジクラといったIOWN関連銘柄を保有する方なら、絶対に読んでおきたい1冊です。
以上、ご活用いただけますと幸いです。
【免責事項】 本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

