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「自分には何もない」と思っていたけれど——資源という考え方が、見え方を変えた|セルフ・リーダーシップを効果的に進めるポイント

困っているときは自分アジェンダ®を実践<パワハラ編>講座(全8回)第4回:「資源を選ぶ」
 
「自分には、何もない」
 
そう感じたことがある人は、少なくないと思います。役職があるわけでもなく、すごい実績があるわけでもなく、コネがあるわけでもない。だから、自分は職場で「何かを変える力」を持っていない——そう思い込んでいる人が、意外に多い。
 
でも、本当にそうでしょうか。
 

「資源」という言葉に出会ったとき

行動科学では、他者が自分に協力してくれるとき、そこには必ず何か「相手が得るもの」があると考えます。それを「資源(パワー)」と呼びます。
 
この言葉を初めて聞いたとき、少し違和感を感じる人もいるかもしれません。「パワーなんて、上に立つ人が持つものでしょ?」と。
 
でも、この「資源」という考え方が面白いのは、役職や権限だけを指していないところです。
 
笑顔で「お願いしてもいいですか」と声をかけたとき、相手が「喜んで」と動いてくれたとしたら——その「笑顔」も資源です。誰かに役立つ情報を知っていること、ある仕事では誰よりも詳しいこと、「あの人と話すとなんか安心する」と思われていること。これらもすべて、資源になりえます。
 
資源は、目に見えるものや、物理的に持てるものだけではないのです。
 

「何もない」のではなく、気づいていないだけかもしれない

企業家の研究に、こんな視点があります。事業も実績もネットワークも持たない起業家であっても、「この人なら大丈夫だ」と感じさせる何か——そのクレディビリティ(信頼感・信憑性)があれば、投資家は動く、というのです。

何も資源を持たない企業家であっても、クレディビリティがあれば、大きな投資価値を生み出すことができます。

——「企業家とクレディビリティ」(山本あづさ, 慶應経営論集, 2001年)

「この人は誠実だ」「あの人に頼むとちゃんとやってくれる」「なぜか安心できる」——そういった、数字にも肩書きにも見えない「信頼」が、実は強力な資源になる。
 
これは、企業家だけの話ではありません。職場で、チームで、日常の人間関係のなかで、まったく同じことが起きています。
 

資源は人によって、違うかたちをしている

もう一つ、この考え方が教えてくれることがあります。
 
資源の種類や量は、人によってまったく違います。保育園の先生が持つ資源と、おかあさんが持つ資源と、親戚のおじさんが持つ資源は、それぞれかたちが違います。でも、だからといって誰かの資源が「劣っている」わけではない。
 
自分にはどんな資源があるか。相手は自分のどんなところに価値を感じているか。それを知ることが、「自分には何もない」という思い込みを外す最初の一歩になります。
 
そしてもう一つ。資源は、使い続けることで育ちます。反対に、使わないでいると、少しずつ薄れていくこともあります。誠実に関わり続けること、相手の役に立つことを重ねること——そういった地道な行動が、資源を育てていきます。
 

「自分には何もない」の先にあるもの

職場で何かを変えたい、状況を少しでもよくしたい、そう思いながらも「でも自分には力がない」と諦めかけている人がいたとしたら、この「資源」という考え方を、一度試してみてほしいと思います。
 
自分には何があるか。誰かに何を提供できるか。相手は何を嬉しいと感じているか。
 
その問いを持つだけで、見え方はずいぶん変わるはずです。 

自分や相手が気づいていない資源もある。
相手に資源に気づいてもらうためには、行動が必要。
資源は、何度も行動することで育っていく。

——困っているときは自分アジェンダ®を実践<パワハラ編>講座 第4回より

困っているときは自分アジェンダ®を実践<パワハラ編>
現状の延長線ではない未来の自分、自分アジェンダ®の具体的な活用方法を学習(全8回)
本記事は、リーダーシップ研究アカデミーの講座(全8回)の第4回をもとにしています。
「自分アジェンダ®」の4つのステップのうち「3.資源を選ぶ」がテーマ。「資源という考え方」が、日常の人間関係や職場の困った状況をどう変えるか——を探る回です。
▶ 詳細・お申し込み:https://x.gd/ZVdgx
 

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