組織の危機は避けられる ~ハーシィの状況対応リーダーシップ®による革新的成長戦略~


レディネス重視の組織経営 ~状況対応リーダーシップ®で実現する持続可能な成長~
この解説は、書籍「行動科学入門」(2005年、生産性出版刊)第1章の内容に基づいて構成されています。
講座紹介
1.はじめに:状況対応リーダーシップ®とは
状況対応リーダーシップ®(Situational Leadership)は、ハーシィらによって開発されたリーダーシップ理論で、組織管理において革新的なアプローチを提供しています。この理論の核心は、「意思決定」軸と「人間への影響」軸を結び付けることにあり、組織全体のマネジメントに応用することで、効果的な組織成長を実現できるという考え方です。
従来のリーダーシップ理論が一律的なアプローチを提唱していたのに対し、状況対応リーダーシップは組織の状況や成熟度に応じてリーダーシップスタイルを変化させることを重視します。これは現代の複雑で変化の激しい組織運営において、極めて実用的で価値の高い理論として評価されています。
2.1 グレイナー理論の概要
グレイナーは組織の成長を5つの発展期に分けて説明しました(下図)。この理論の重要な特徴は、各発展期において支配的なマネジメント・スタイルが存在し、次の段階に移行するためには必ず危機が訪れるという点です。

発展期1:創造を通しての成長
創立者の創造性を中心とした成長段階
組織が小さく、創設者の個人的な能力に依存
成長に伴い経営管理の必要性が高まる
発展期2:指示を通しての成長
リーダーシップの危機を乗り越えて到達
経営管理者による一方的な指示が支配的
組織メンバーの裁量権はほとんど存在しない
発展期3:委任を通しての成長
自治の危機を解決するための権限委譲
組織メンバーの意欲向上を図る
しかし局地主義的態度の蔓延という新たな問題が発生
発展期4:協調を通しての成長
コントロール危機を解決するための協調システム構築
制度や手続きの確立と監視体制の整備
組織の一体感を重視した運営
発展期5:参画を通しての成長
硬直的システムの危機を解決
自分たちで問題解決やチームワーク形成を行う
心理的飽和状態という新たな課題の出現
下表は、これらの発展期ごとに生まれてきたマネジメント・システムを表にしたものです。

2.2 グレイナー理論の限界と課題
グレイナーの理論では、発展期5における心理的飽和状態の危機について、「情意的にも、肉体的にも疲れ切った従業員の心理的飽和状態」として言及されていますが、この危機を乗り越える具体的な変革については明示されていません。この限界がハーシィらによる新たなアプローチの必要性を示しています。
講座内容
1.グレイナーの組織成長段階説の基礎理解
2.ハーシィらの革新的提案:状況対応リーダーシップ®の活用
3.状況対応リーダーシップ®モデルの優位性
4.理論の実践的応用と今後の課題
5.内容を理解するためのテスト
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リーダーシップを難しく考えずに、いつもの行動がリーダーシップ、「だれもがリーダー」学習を提唱しています。わたしたちが長年かけて培ってきた知恵と知識を拡めたいと思っています。