英国人の政治的生真面目さとユーモアと
このあたりでは自由民主党(Liberal Democrats)が勝ってるらしいです。
ここ最近、ご近所の庭先にオレンジの看板をよく見ると思ったら、ロンドンの区議会議員選挙の四年に一度の投票日(5月7日)が迫っているんですね。
支持政党の看板を堂々と玄関先に掲げるのは日本ではなかなか見ませんが、英国人的には「あり」なようです。前提としては、エリアによって棲み分けがあるロンドンだからこそ近い価値観をもつ隣人との連帯感を醸成できるのと、自分達のコミュニティを良くするために意見をいうのは正義という感じがあるみたい。
英国の政党といえば、現首相のキア・スターマー(Sir Keir Starmer)が率いる労働党(Labour)と、その前のボリス・ジョンソン(Boris Johnson)やリシ・スナク(Rishi Sunak)の保守党(Conservative)、そしてなにかと極端な右派のリフォームUK(Reform UK)は認識していたのですが、そのどれでもない。
全32区のうちロンドン南西部のリッチモンド区 (Richmond upon Thames)・キングストン区 (Kingston upon Thames)・サットン区 (Sutton)の3区は、このLib Demsの牙城なのだそうです。
将来的な再加盟も視野に入れたEUとの関係改善を掲げ、個人の権利や多様性を重視し、社会の仕組みを新しく変えることに前向き。日本の『自民党』と名前は似ていますが、その性質は文字通りリベラルで、全くの別物です。
私なんか、よく知らないくせにセントラルからここに引っ越してきて圧倒的な住みやすさを感じていて、スーパーで会ったら立ち話で情報交換をしたり、何か困ったことがあったら相談できる関係のご近所さんもいるので、彼らのよく手入れされた綺麗な庭先にオレンジの看板が立っていたらこれはきっと良い政党なのだろうと思ってしまったりするわけ。まさにそのように、浮動票を動かす一助にもなっているのでしょう。

まあ、日本人はたとえ永住権を取っても、その先、英国籍に帰化しないかぎり参政権は得られないわけですが。
お恥ずかしながら政治に関心が薄かった私も、ロンドンに来てアウトサイダーとしてアンテナを張って生きているうちに、自分が生きる地域をより良くしていくことにコミットすることは大事だなと思うようになりました。参政権の尊さよ。
また、もう一つ、政治にまつわる表現でめちゃくちゃ英国っぽいわ〜と思うのは、Pet Hates Toysという犬用・猫用の噛ませおもちゃが堂々と売られているところです。
いろんな政治家の人形があるけど、売れ筋はお騒がせ系で、トランプとか、プーチンとか、ちょっと前ならボリスなんかいろんなところで見かけました。これらが、なかなか憎ったらしい良い顔をしています。
不謹慎ラインのむこうを踏みにいくのが英国的風刺だなあと思いますが、政治家など公人をネタにしたジョークは表現の自由として保障されているようです。
怒りと諦めは何も生まないので、ちょっとあんたうちの犬に噛まれてなさいよって、ユーモアでガス抜きするほうがまだましなのかもしれません。

