見出し画像

【寄り道話】私の#10年本

私の携帯のおすすめフィードに出てきてくれたnoteの記事。

「あぁ、こうやってnoteって使えるんだ!素敵!」と思えるような記事でした。そこで私も棚の中に#10年本を探してみたのです。

「10年本」とは
・我が家の本棚で、良い位置にずっといて、
・10年以上、長年に渡って定期的に読み返しており、
・じぶんを形づくってくれている、
大好きな本を1冊以上、挙げてみてください

みずのけいすけさんのnoteより

『生きがいについて』神谷美恵子

私がまだ14歳のときに、家に来ていた整体師さんから薦められた本です。寡黙な整体師さんで、私が生まれる前から(そしてなんと今も!)来てくださっていますが、当時読んだときに目が見開かれたような、言葉にできない衝撃は今でも覚えています。
ハンセン病の方の療養所で筆者が見た、病と向き合う方々の中にある「生きがい」というものの正体とでもいうのでしょうか。「人が生きる」ってなんだろう…と、簡単に聞こえるけど、とても深い真理を突いたテーマだと思います。多感な時期の私が何を話した上でこれを薦められたかまでは、残念ながら覚えていないのですが、今でも手にして読みふけることがあります。

『倚りかからず』茨木のり子

中学3年生のときの国語の先生が、授業中に読んでくださった詩でした。その先生は常に凛としていらっしゃって、いわゆる不良学生にも真っ向勝負を挑むような素敵な女性の先生でした(後に校長先生になられたと)。
女から母になるという過程を通し、様々な経験をしました。「性差のない社会を」という風潮がありますが、それでも個々人では直面して改めて性差について考える場面って、あるんじゃないかな…と思ってしまいます。私は立ち止まって考えすぎて、動けなくなることがあります!そんなとき襟元を正して、「えいやっ!」と前を向いて動き出したいときに手に取ります。

『Hard-boiled Wonderland and the End of the World』村上春樹

村上春樹さんの名著です。英国に来る前に『ノルウェイの森』を読んで、「あんまりなぁ…」と思ってしまった私。それ以来読んでいなかったのですが、後に英国は村上春樹ブームが到来。日本の作家さんが読めることがうれしく、手にしたのが『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』でした。賛否両論あるようですが、私の中では英訳でも「すー」っと入ってくるような気がしています。
村上さんの話は、話が進むにつれて、何か深いところに降りていくような感覚がたまりません。深層心理とSF、超現実の絶妙な感覚とでもいうのでしょうか。私は心の中で、村上春樹さんが描く世界を読んで「世界ってこうだな」と妙に納得してしまうのです…。SF小説・映画が大好きなので、村上さんの作品はほぼ手に取っています。

『遠野物語』柳田國男

この本を読むと怪奇現象が起こると言う方もいるようですが、納得です。
語りというものの強さを感じられる筆致が大好きです。これを読むと、東北のどこかにいるような気になってきます。私が特に好きなのは、角川文庫の昭和60年6月30日改版29版の表紙もなっている「馬」のお話しです。69話の「オシラサマ」ですが、白い牡馬とある娘の恋(婚姻)の話です。生々しく感じるのは、言い伝えとしてではなく、あるものとして語られるからだと思います。
手塚治虫の『ブラック・ジャック』には雌馬と若い男の恋愛を描くエピソードがありますが、おそらくオシラサマからインスピレーションがあったのではと思います。ちなみにまだ手元にはありませんが、井上ひさしさんによる『新釈 遠野物語』も何度も読みたいくらい良かったです。

『ぐうたら生活入門』遠藤周作

狐狸庵先生です。なぜか巨匠のエッセイなどは、村上春樹さんのものもですが、爆笑ものが多いですね。最近は、いわゆる時世の変化で内容が時代錯誤にも受け取れてしまうような表現もありますが、その時代時代の移り変わりがやっぱり読んでいて楽しいのです。例えば『嫁いじめを復活させよ  心にもない仏づらは捨てよう』なんて始まるエッセイなんて、今は誰も書けないのでは?!

『Silence』遠藤周作

これは今まさに読み返しています。この中に出てくるキチジローというキリスト教徒がいるのですが、本当に読めば読むほど、キチジローに人が生きる本質を見るような気がしています。

『はてしない物語』ミヒャエル・エンデ

日本だと映画『ネバーエンディングストーリー』という名で知られているかもしれません。あまりこの映画は好きではなかったので、実際に手にとったのは20歳を過ぎてからだったと思います。読んでから原作がいかに素晴らしいことか!というのに驚きました。この物語以降、映画で原作のあるものは、本も読むようになったほどです。今読んでいる『沈黙』の次に、また戻って読みたいですね~。

余談:『光あるうち光の中を歩め』トルストイ

この本は、実は#10年本から(今は?)外れてしまった本です。
初めて読んだときに感動したのですが、つい最近読み返して「違うぞ…」となってしまいました。内容は敢えて書きませんが、年齢・その時の状況などで読み手としての意識が変わるため、本は面白いのですよね。

最後に…

#10年本を選んでみて本当に良かったです!
みずのさんがおっしゃっている通り、“( …)どうセレクトしても、その方のキャラクターが絶対に滲んでしまうと思うんですよね。”―まさに(泣笑)
裸にされるくらいの感じがあります。

実は取材・執筆業に携わってきたので、書くことも好きですし、読むことも大好きです。ただ読む作業はどうしても偏りが出てきてしまうので、こうやって他の方の10年本を見ることで、視野を広げることができるのがいいですね。(素晴らしい企画を思い付ける方がいるものです!)

そもそも「心の処方箋」と村上春樹さんの本が選んであった#10年本にあったことが、みずのさんの記事を読んだきっかけでもありますが、改めて「本」「書くこと」の素晴らしさを認識しました。英国トピックではないかもしれませんが、時々本の記事は書きたいなと思います^^

いいなと思ったら応援しよう!