僕の本棚 番外編|現役俳優が繰り返し読む必読書4冊|ワークショップでは教えてくれない、手放せなかった本の話
俳優をやっていると、 「どんな本を読んでいますか?」とよく聞かれます。
今日は、僕が何度も読み返している「俳優本」を正直にご紹介します。
「演技の勉強をしたい」 「俳優を目指している」
そういう方はもちろん、 人前で話すのが苦手な方、コミュニケーションに悩む方にも読んでほしい本が含まれているので目を通して見てください!
それでは、いきましょう👇
(この記事は、Amazonアフィリエイトを使用しています)
📚1冊目|平田オリザ『演技と演出』
これが一番最初に読んでほしい本です。
俳優志望の方はもちろん、 「人前で話すのが苦手」 「口下手で悩んでいる」 「人前になると頭が真っ白になる」
そういう方全員に読んでほしい。
平田オリザさんは、演劇界でとてもユニークな演出をされる方です。
俳優に「感情を込めて演じて」とは言わない。 セリフをただ平坦に、淡々と読ませる。
それだけで、作品が完成してしまう。
海外からの友人と一緒に平田さんの舞台を観たことがあるんですが、 その友人が観た後の感想として、こう言いました。
「まるで絵画を眺めているようだった」
俳優が力強く何かを訴えるのでもなく、 そのシチュエーション、時代性、家族の関係性から「うっすらと浮かび上がってくるメッセージ」を読み取るような貴重な体験でした。
平田さんが本の中で言うトレーニングがこれです。
「セリフを読む前に、新聞紙に書いてある文字を できるだけ無感情に、平坦に、だらだらと話し続けてください」
これ、めちゃくちゃ効きます。
演技を始めたばかりの頃、 「このセリフにはこういう感情が必要だ」と思えば思うほど、 セリフが強くなっていく。
強いセリフほど相手の心を動かすと思っている。
でも、それは勘違いなんです。
さらっと言うことで、相手に伝わることがある。弱く、自然に話すことで、届くことがある。
演技を始めたばかりの方、 人前で話すことへの不安がある方、 最初の一冊はこれをおすすめします。
📚2冊目|ステラ・アドラー『魂の演技レッスン22』
何度も繰り返し読んでいる本です。
著者のステラ・アドラーさんは、 本の表紙からも伝わってくるくらい、 情熱的で、人間味に溢れた方です。
この本はメソッド演技についての本で、 舞台での演技を主軸にしていますが、 映像の演技にも十分に応用できると信じています。
構成はこんな感じです。
「俳優とは何か」という心得から始まり、 舞台と演劇の世界の広大さを教えてくれる。 見ることから演技が始まるという感覚。 イマジネーションを高めるエクササイズ。 体と声のコントロール。 アクション(演技)に入るまでの過程とトレーニング。
この本で特に僕が大切にしている考え方が、
「演技とはアクションである」
ということ。
アクションに入るまでの準備、 アクションへの紐付け、 そこから複雑化していく方法。
俳優という職業の大きさと、 やることの複雑さを1つずつ解説してくれる。
舞台に立つ前は必ず読み返します。
モチベ系として、強くオススメします。
「俳優という仕事の偉大さ」を教わった、大切な本です。
📚3冊目|ジュレス・ウェストン『演技のインタ-レッスン: 映像ディレクタ-の俳優指導術』
映像、CMやドラマ・映画、Netfilx等の配信系、と僕と同じように活躍したい方に特にオススメです。
新装版はこちら👇
上京した頃に初めて買った本で、 今も付箋だらけです。
ステラ・アドラーの本が舞台寄りとすれば、 この本は映像演技に特化した一冊です。
ここで僕が一番学んだことは、
「カメラの前では、正直にいること。正直に、アクションすること。」
作ったものは、すぐに見破られます。
みなさんの実生活でも同じじゃないでしょうか。
話していて「この人、嘘をついているな」と気づくことがある。 言葉の端々、声の抑揚、瞬きの回数、目線の動かし方。 そんな微妙なところから、人は嘘を見破る。
カメラはそれを、さらに正確に拾います。
余計なことをしない。正直にいるだけで、カメラが拾ってくれる。そのイマジネーションを広げてくれるのが、映像演技の世界。
350ページ超えの分厚い本ですが、 これから映像・ドラマ・映画の演技をしたい方に強くおすすめします。
ディレクター目線、俳優目線から『映像での演技』を学べます。
本書では、演出に向いている動詞を『アクション動詞』と呼んでいる。
『<感情>、<態度>、<決めつけ>、<節回しをつける>のかわりに動詞を使う』
書いてあることは簡単なようで難しい。
本書の最後に載っているアクション動詞のリストを上手く活用できるようなりたいと思う。
監督向けの本であるが、俳優向けの項目には本書には『ACTOR』という印がついている。
正直なところ、数年前に購入した際は『ACTOR』という項目を中心にしか読まなかった。
改めて『DIRECTOR』項目も含めて読み直してみようと思う。
📚番外編|シナリオ、読んでいますか?
少し話が変わりますが、大事なことなので書かせてください。
シナリオ、読んでいますか?
舞台・映像・ショートフィルム・ドラマ。 今は出演する媒体が多い分、 毎日シナリオに追われてセリフを覚えるだけで 演技の準備をこなしている方も多いと思います。
正直に言います。
いいシナリオというのは、なかなか存在しません。
そして20代の俳優の方と話して一番驚いたのが、 過去の映画のシナリオが月刊・年刊で出版されていることを 知らない方が多かったこと。
『別冊シナリオ』や『月刊シナリオ』では、 その月に公開された映画や放送されたドラマのシナリオが読めます。
シナリオが映画のほとんどを決めていると言っても過言ではありません。是非たくさん読んでほしい!
また、神保町などの古本屋さんでバックナンバーを掘り起こして、過去の映画のシナリオを発掘できたりもします。宝探しのようで非常に楽しいですよ。
今はAmazonでもある程度探すことが出来ます👇
「年鑑」もあるぞ。👇
昔、図書館でバックナンバー漁ると、めちゃくちゃ名作映画出てくるので「このシナリオ読めるの!?」と興奮してました。
自分が大好きな映画のシナリオがどう描かれていて、その構造はどうなっているのか。
映像演技・映画の勉強をしたいなら、 優れたシナリオとは何かを自分で学ぶために、 たくさんのシナリオを読んでほしいと思います。
シナリオに書いていないことについて、役作りの想像力も培えますし、「不完全だな」と思うシナリオでも、自身が俳優として「どう映画に肉付けするか」を提案できる力が身につきます。是非、勉強の材料にシナリオをたくさん読んで欲しいと思います。
おまけ:伊丹十三さんの映画『お葬式』のシナリオと制作日記が一冊になったこれを発見した時は飛び跳ねて喜びました👇 宝物です。
今でも、いい映画を見ると、それが今のものでも昔のものでも「シナリオ読みたいな」と思って探してしまいます。
次回予告|僕の本棚 番外編2
次回はこんな本を紹介する予定です。
山崎努さんの『俳優のノート』
橋本忍さんの『複眼の映像 私と黒澤明』
浜口竜介監督の「カメラの前で演じるということ」(※平田オリザさんに繋がる面白い視点)
坂本裕二さんの世界観
伊丹十三さんの葬式日記+シナリオ制作過程の記録
お楽しみに。
最後に
AIの時代だからこそ、 あなた自身の経験と個性が大切です。
これは俳優に限ったものではないと思っています。
誰かと比べて不安になったりする必要はない。 SNSを見て「あの人より自分は遅れている」という感情は、一旦なしにしましょう。
あなたが経験してきたこと、すべてが財産になる。
俳優として生きていても、 別の仕事をしていても、 今日をどう生きるかで、積み上がるものは変わってきます。
この本棚シリーズが、あなたの「何か」のきっかけになれたら嬉しいです。
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