【ショートショート】合格奇岩
「だから興味ないってば」
「そんなこと言って、100年前は出てただろ?」
「あれは、若気の至りと言うかさ……」
今年も奇岩コンテストが開催される。奇抜な姿をした岩に与えられる最高の栄誉である。
「やっぱり見た目じゃないよ。岩は中身で勝負だろ?」
「中身ねえ。おれらなんてそんなに硬くもないし、中に珍しい鉱石が入ってるわけでもないぞ?」
「そうだけどさ……じゃあ生き様だ。どう生きるか、どう生きてきたか。それが大事だろ?」
「生き様って……もうずっとここに座っているだけだが」
「ううむ……あ、くそ。また来たのか。触るなって。削れちゃうだろ」
人間はここを訪れる度に体を執拗に撫でていく。有名な武将の放った矢の跡があるとか、全く身に覚えのない逸話が書かれた立て札が隣に立っていた。
「チャームポイントのえくぼがどんどん大きくなって……これじゃおヘソみたいだよ」
「ははっ、そのうち穴が空くかもな」
「勘弁してくれよ……」
数百年後、見事に穴の空いた岩は、奇岩コンテストに合格した。
終
ちなみに世界三大奇岩は、オーストラリアのウルル(エアーズロック)、トルコのカッパドキア、アイルランドのジャイアンツ・コーズウエーだそうです。行ってみたい。



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