ぼくは、ちゅるちゅるめんめんしか食べたくない
「ちゅるちゅるめんめん」は完璧だ。
手軽で、おいしくて、心が満たされる。
ツルツルの食感、スープの沁み具合、喉ごしの快感。
こんなに美味しいものがあるなら、なぜ他を食べる必要がある?
――よろしい、ではこちらから論理を進めよう。
賢者A・リチャード・ファインマン(物理学者)
「君の食事はエントロピーを増大させているだけだ」
ちゅるちゅるめんめんは炭水化物。火を通せば通すほど、栄養は壊れ、身体は「今」のためだけに消費される。
だが野菜は違う。
「光合成のエネルギーを、君の細胞が“再配線”する鍵だ」
――つまり、野菜は食べる未来設計図。君の身体はちゅるちゅるめんめんで動くが、野菜で造られる。
賢者B・クララ・シューマン(音楽家)
「情緒とは、栄養である」
セロトニン、ドーパミン。神経伝達物質の素材――それはちゅるちゅるめんめんにはない。
「心がささくれる時、君の感情のピアノが音痴になるのは、野菜が抜けているから」
――ちゅるちゅるめんめんは快楽だ。だが、心を奏でるのは野菜。
賢者C・チャールズ・ダーウィン(進化生物学者)
「ちゅるちゅるめんめんは文化の発明、野菜は自然の奇跡」
君が今こうして成長し、呼吸し、思考していられるのは、君のDNAが野菜と共に進化してきたからだ。
「野菜とは、生命が手渡してきた“利用許可証”なのだ」
――つまり、野菜は君の共犯者。無視しては、もったいない。
味覚は習慣。
「君が“ちゅるちゅるめんめんが一番”と信じてるのは、単にその快感ルートが舗装されすぎただけだ」
3週間あれば、味覚は再教育できる。
つまり、君の“うまさ”は固定観念。
・香り → パクチー、ネギ
・甘味 → キャベツ、玉ねぎ
・苦味 → 春菊、ルッコラ
・色彩 → トマト、紫キャベツ
「君の“最高の一杯”は、野菜がそっと添えた瞬間に完成する」
ちゅるちゅるめんめんは、たしかにうまい。
でも、君の身体はそれだけでできていない。
でもどうだろう?
まず初めは――野菜ジュースからでもいいんじゃないか?
だからぼくは、ちゅるちゅるめんめんと野菜ジュースを交互にすすった。
口の中が、少しだけ世界っぽくなった。
野菜ジュースを、ストローじゃなくて哲学するように飲んでみよう。なにかが変わるかもしれない。
ちゅるちゅるに思索を。ジュースに冒険を。
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