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マルティネッリやめて〜

 日本対ブラジル。日本のW杯が終わった。有給を使って、深夜2時に起きて観た。情報遮断して、起きてから観ようと思っていたけど、どうにもソワソワしていたのか、風邪気味で寝てる時に咳が止まらず、起きてしまっただけなのか。わからないけど、目が覚めた1時42分。目が覚めたらしょうがない、とTVを付けるとWOWOWのなんだかわからない洋画が流れていた。 

 起きてTVつけたら、サッカーの情報が入ってこないようにWOWOWにチャンネルを合わせて眠っていたのだった。

 眠る直前に、伊東美咲主演の不倫ものらしき映画を流しっぱなしでオフタイマーにして寝ていた、そういえば。

 不倫相手の仲村トオルが伊東美咲を夫から逃がそうとして、夫の佐藤浩市が包丁を持ち出して追いかけてきたところ、伊東美咲が「もうやめて」と棒読みでなんとも緊張感のない声を張り上げていた。

 私は、こんな棒読みでよく監督のオッケーが出たもんだ、とぼんやり思いつつまどろんでいた。

 佐藤浩市と仲村トオルの迫真の演技。その空気を一声で壊してしまう破壊力のある棒読みの演技力についつい噴き出してしまった。
 気になってそれまでつむっていた目を開き、画面に目をやると、寝ぼけ眼に、土砂降りの中、伊東美咲が崖から飛び降りた。なんじゃこの映画。

 一度眠ったものの、咳が出て止まらなくなり、目が覚めてしまった。もう日本対ブラジル戦を観ちゃえと、換気扇のところまで夢遊病さながらタバコを吸いに行った。TVのリモコンを片手に煙草に火をつけて、NHKのBSにチャンネルを合わせると解説の本田さんが画面に映っていた。

 「この後、選手入場」の字幕スーパーがあり、タバコの火を水道水で消すと、奥様が起きてきた。一人で勝手に観ようとしていた私への文句をひとしきりぶつけた後、奥様も観るとの事だった。選手入場が始まり、コイントスがあり、キックオフと試合が始まり、観ながら珈琲を淹れた。

 前半日本はハイプレスで佐野海舟のゴールが決まり、勝てるかも、と希望を持てた。
後半はもうげんなり。面白い試合だったけども。ブラジルのFWマルティネッリに残り1分で逆転ゴール。くぅ〜

 しかしながら、ブラジルも本気だったし、日本を警戒していたし、日本人、や、世界中で「日本はこのまま行けば勝てるかもしれない」と思えるようになった事が、なんだか成長を感じて、ここまで悔しいと思うのも強くなったからだろうな。ってそれなりに感慨深い。

 「それにしても、悔しいねぇ」と奥様。「怪我人さえいなきゃねぇ」と私も知った風な事を言う。

 私が「遠藤の代わりに大谷、入れればよかったね」と言うと「それふざけてんのか?」と奥さんに窘められた。

 終わってみればチュニジア戦だけ勝利。でも、確実に世界の評価が変わったんだな、日本のサッカー。

 もう一寝入りしようと、サッカーの真裏でやっていた伊集院さんの「深夜の馬鹿力」をタイムフリーで聴きながら眠る。W杯の日本戦の時のラジオはおもしろい。4年前のマヂラブのオールナイトニッポンも「日本対スペイン」戦の時間が被っていて、おもしろかった記憶。

 「マルティネッリやめて」と棒読みで伊東美咲が言い、田中碧が泣いて、長友が「マンマミーヤ」と包丁をマリオカートにぶつけている所で夢から覚めた。

 外は明るく、つけっぱなしのTVはもう『ノンストップ』の時間だった。日本のW杯の夢も覚めた。寂しいですね。W杯はまだ観ますとも。


おしまい

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