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アニメ「ガンバレ!中村くん!!」第12話「君と!俺は"友達"だから!!」感想


第12話感想

チョコを貰えるか校内中が浮足立つバレンタインデイ。
男子たちは女子からのアプローチを気にする中、中村は広瀬に「“友”チョコ」を渡そうと、ひとりソワソワ。
授業間の移動中も後ろをつけて常にチャンスをうかがう中村は、ついに独りになった広瀬を見つける。

アニメ「ガンバレ!中村くん!!」公式サイト

とうとう来てしまった、広瀬に彼女ができた回。
このエピソードを最後に持ってきたんですね。
前半のバレンタインデーパートから一転、「好きな人の幸せを願っているはずなのに、なんでこんなに胸が痛いんだろう」と考えさせられるお話でした。
前半のバレンタインデーは、前日の夜に妹が学校に持っていく友チョコと本命チョコ(妹も学校に好きな人がいるんですね)を作っていたのをきっかけに、中村くんが「友チョコ」を広瀬に渡そうとチョコを購入するところから始まります。
クラスの皆も色々と浮き足立っている様子。
いつもの腐女子三人組は友チョコの渡し合いをしたり、武内が浜岡に薔薇を一輪渡してアピールするも撃沈したり、クラスの男子の会話では何個貰えるかという話題で賑わったりしています。
肝心の中村くんの広瀬への「友チョコ作戦」は、乙切先生に雑用を頼まれたり、放課後に昇降口の下駄箱で広瀬とばったり会って渡すチャンスはあったものの、その時の広瀬の様子がいつもと違っていたのもあってか、結局何も言い出せずチョコは渡せませんでした。
バレンタインデーの翌日、広瀬を一緒に帰ろうと誘った中村くん。
声をかけるのもやっとだった物語序盤から考えると、大きな進歩です。
「今日は先約の人がいるのでごめん」ということで、勇気を出したけれど今回は一緒に帰ることはできませんでした。
でも、広瀬から誘われるのを待つだけではなく、自分から声をかけられるようになったのだから、その分2人で一緒に帰るチャンスは増えたはず。
今後もぜひトライしてほしいところです。
放課後、昇降口の下駄箱で広瀬を見かけた中村くんは、彼が別のクラスの女の子と下校する姿を発見します。
そこに武内と向井が通りかかり、その女の子は「はなちゃん」という名で、つい数日前から広瀬と付き合い始めた「彼女」であることが判明。
翌日になっても「彼女」というワードが授業中すら頭から離れません。
そんな中、広瀬の彼女は「愛貴くん」と呼んでわざわざクラスまで迎えに来て、楽しそうに話しながら一緒に下校していきます。
1人帰宅する道中には、アニメならではの描写が大量に追加されていました。セクシャルマイノリティであることや、それに属していなくても、とにかく他者との接点が希薄な現代において、恋人や結婚相手に中々巡り会えない(本人の努力不足で片付けるマスコミも多いですが)人にとっては、「普通のカップル」「普通の結婚や夫婦と子供」の描写は結構キツイものがありますよね。
私も長らく1人なので、同性同士のカップルを見ても「パートナーがいて羨ましい」と思ってしまいます。
日本では同性婚が認められていないことで様々な議論がありますが、異性愛者でもぼっちはいるし、結婚もしていない(相手がいない)、何なら自分が他人を恋愛的な意味で好きになったことがあったりなかったりする私からすると、同性同士のカップルだって「一人じゃないんだな、いいな」って思います。
中村くんに関してはしっかりと自分を「ゲイ」だと自認しているので、「異性の恋人・夫婦・子供」という眩しい現実が、失恋も相まって自分をより一層孤独にさせている気がします。
そしてまた次の日の放課後、川村さんに広瀬との日常(BL)漫画の続きを描いてもらえないかと頼む中村くん。
後ろ姿からですが、明らかに泣き腫らしたであろうことがわかる目元の赤い部分が切ないです。川村さんはそっとノートを受け取ります。
川村さんは体育倉庫に閉じ込められた回で中村くんの広瀬への思いを知りながらも、中村くんのことが恋愛的な意味で好きな気持ちは変わっていないのが、今までの話の流れでわかります。
自分の好きな人が失恋して、そのノートに漫画の続きを描くのは……と考えると、誰かの恋愛が成就している裏で、報われない人達もいるんだと考えさせられました。
そしてその夜、一人声を上げて泣く中村くん。
『頭ではわかっていても、心が辛い』んですよね。ゴミ箱には、おそらく校外学習の時の写真と、チョコレートが捨てられていました。
夕食ができたので、母に言われて妹が兄を呼びに行くのですが、妹が「毎晩うるさい」と言っていたことから、広瀬に彼女ができてから毎夜声を上げて泣いているようです。
川村さんの描いてくれた漫画を読んで心を落ち着かせ、また泣いて……を繰り返しているみたいですね。
そして、家を飛び出し自転車に乗って夜景の見える場所へ。
恋人という関係を望んでいたわけではないし、彼女がいるからといって友達になれないわけではない(広瀬はもう中村くんを友達だと思っているので、正確には友達でいられないわけではない)。 
「俺にとってあいつの幸せが……」
その言葉の続きは来週に持ち越しなのか、そのままEDへ――。

​ED曲はなし

今回のEDはなんと曲がありませんでした。
アニメでは、普段のED曲が「中村くんが部屋で流しているラジカセから聞こえている」という設定だったらしいので、今回は主のいない部屋に、ただ環境音とテレビ番組の音声、そして母と妹の会話だけが響くという、非常にリアルで切ない演出になっていました。
母は家を飛び出した息子を心配して、「お父さんが帰ってきたら車で探しに行ってもらおうか?」と言っているのに対し、妹は「大丈夫だって、すっきりしたらすぐに帰ってくるでしょ」という正反対のスタンス。
こういった家族間での直感というか、親よりも兄弟(姉妹)の方が、本人のことをよく分かっていたりしますよね。
第1話のED曲は「初恋」でした。そこから始まって、今回は初めての「失恋」。
演出の対比が見事すぎて胸が苦しくなります。
原作を読んでいるのでこのエピソードの結末は知っていますが、原作は未完の作品です。アニメは次回がいよいよ最終回。
一体どのようなフィナーレを迎えるのか、今から気になるところです。






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