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【考察】42歳ITコンサルが「うんこ味のカレー」から読み解く、ネットミームとアルゴリズムの残酷な時差

ネットミームや、ネット上の「面白コピペ」が好きだ。 しかし、お笑いや文章の文脈というものは、時代と共に残酷なまでに変遷していく。

分かりやすい例として、誰もが一度は通る究極の選択「うんこ味のカレー」という古典的なお笑いフレームワークを構造化してみよう。

【Ver 1.0】うんこ味のカレー
これはビジュアル(カレー)と味覚(うんこ)の強烈なギャップを利用した、抱腹絶倒の鉄板ネタだ。「味はそっちかーい!」というツッコミが存在して初めて完成する、非常に親切な設計である。

【Ver 2.0】カレー味のうんこ
時代が進むと、少し考えさせるマイナーチェンジが起きる。一瞬の思考の末に「いや、結局食うのは排泄物の方かよ」とクスッとさせる、一段階高度な笑いだ。

【Ver 3.0】うんこ味のうんこ
そのまんまである。しかしこれは、Ver 1.0と2.0という「前提知識(コンテキスト)」を共有している者同士の間でしか成立しない。高度なウィットに富んだメタ認知の笑いである。

【Ver 4.0】カレー味のカレー
当たり前である。これが現代の「シュールギャグ」だ。一周回って、もはや意味がわからないが故に面白い。

世の中には、この文脈をすっ飛ばして、いきなり「Ver 4.0(カレー味のカレー)」をぶっ込んでくる人たちがいる。タイミングと時代が合えば、それは爆発的なバズを生む。

かつて、昭和から平成初期の時代は幸せだった。 土曜の夜に『オレたちひょうきん族』を見れば、月曜の教室で「タケちゃんマン」のモノマネをするだけで全員が笑い転げた。なぜなら、テレビというマスメディアが「国民全員の共通認識(コンテキスト)」を作ってくれていたからだ。

しかし現代は違う。 情報の受発信がパーソナライズされ、人それぞれ見ている媒体も、認識している世界も完全に分断されている。 ネットの片隅で流行っている「電車の顔って何だっけ?」というコピペのパロディを急に始めても、あるいは真っ白な衣装を着て「エッホエッホ」と謎のダンスを踊っても、コンテキストを共有していない人間からすれば「ついに頭がおかしくなった中年」にしか見えない。

何より絶望的なのは、「アルゴリズムの時差」である。

我々40代のおじさんのYouTubeやSNSのおすすめ欄には、ゴルフのスイング解説や、投資信託の利回り、あるいはローカルAIの構築動画ばかりが並ぶ。 若者の間で爆発的に流行っているミームが、我々おじさんの観測範囲に到達するまでには、「約半年のタイムラグ」が存在するのだ。

私が必死に重い腰を上げ、「猫ミーム」の動画フォーマットを学習してしがみつこうとした頃には、世界はとっくに別のリズムで踊っていた。完全に手遅れだった。

聞くところによると、次の若者のトレンドは「シール帳」ブームらしい。 だが、私が愛猫の画像を切り抜き、せっせと手作りのレジンシールを固めている間に、きっとこのブームも終わっているのだろう。

アルゴリズムという宇宙の法則に抗いながら、私は今日も半年遅れのインターネットを彷徨っている。


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