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「本」ハンチバック


ハンチバックは、身体に強い制約を抱える主人公の内面を通して、「生きること」や「欲望」の本質を鋭く描いた作品だった。社会の側が無意識に押しつける価値観と、個人の切実な願いとのズレが印象的で、読んでいて何度も立ち止まらされた。

とくに、きれいに整えられていない言葉の生々しさが心に残る。そこには同情や美化ではなく、ただ一人の人間としての強烈な存在感があった。読み終えたあと、自分がこれまで当然だと思っていた「普通」について、改めて問い直されるような感覚が残った。

 「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた。」
僕らにとっては本なんて無難に読める。
本を読むために命を擦り切る感覚。
この表現を理解できる人なんて人口の数パーセントしかいないだろう。
その人たちにとって行きやすい世の中になれば嬉しい。

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