#242 子どもの本の紹介㊹『おやすみ、悩み糸』
小学校の学校司書です。
学校図書館で購入する本の選書もかねて、2025年に出た児童書を図書館で借りてせっせと読んでいます。
その中から高学年向きの物語をご紹介します。
『言葉屋』シリーズの著者の新刊です。
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『おやすみ、悩み糸』
(久米絵美里 作、久米火詩 絵、アリス館、2025年12月)
立石紗良沙(たていし さらさ)。小学6年生。
ある朝、自分の枕の下に、「ぐちゃぐちゃにからまったまっくろな糸」を発見する。
6年生になってから、緊張の連続。
「生活のまんなかにはずっと、ストレスの川がながれて」いる。
そんな状態だったから、
はじめは「抜け毛」かと思った。
でもよく見たら、それは・・・刺繍糸?
黒い糸は、その後、毎朝、枕の下に現れ続ける。
この糸の正体を教えてくれたのは、
クラスメイトの織屋寧人(おりや ねいと)だった。
頭の中のぐちゃぐちゃが、寝てる間に糸になっもの。
それが「悩み糸」。
「いろんな悩みがたくさんからまって、頭から出てくるんだ。ぽんって」
寧人自身は、小さいころ一度出たきりらしい。
からまった「悩み糸」をほどくのが得意だという寧人の姉に、糸をほどいてもらった紗良沙。
ちょっと、すっきりして。
そして、次の朝には・・・糸はなかった。
でもしばらくして、また現れるのですよ。糸。
紗良沙の「悩み」。
誰かがこまったり、嫌な気持になったりしていると、紗良沙の心はどうしてもざわざわしてしまう。気にしなければいいと言われても、どうしても気になってしまう。なにもできなくて、ごめん。わたしがなにも持っていないあまりに、そんな気持ちのままにさせてごめん。と、そう思ってしまう。
自意識過剰なのは、紗良沙自身わかっている。
でも、ダメなのだ。
人の失敗の責任まで感じてしまう紗良沙。
その奥には、
「誰にも嫌われたくない」という気持ちがある。
手芸が得意な寧人は、
紗良沙の悩み糸で、美しい刺繍作品を創りだす。
「クロスステッチって、いいよね。ひとつだけだと見た目はバツなんだけど、でも、たくさん集まると、いろんなものがつくれる。それって、悩み糸にすごくぴったりだと思うし、ものづくりにも通ずるところがあると思うし、なにより・・・・・・」
「人生にぴったり、って感じがしない?」
寧人の言葉と作品は、ぎゅっと縮こまっていた紗良沙の心をやさしくほどいていく。
第2章は、理想的な「よい子」の澤井花乃の悩み糸の話。花乃の悩み糸は、カラフルな太い毛糸!
そして、第3章では、寧人に悩み糸が出る。
寧人と母の間にある「悩み糸」にまつわる苦い記憶が語られる。
いろいろな経験をして、たくさんのことを考え、
少しだけ強くなった紗良沙は、こう思う。
なにせ悩み糸は、自分が悩んでいるということを教えてくれる。
その悩みを、ほどく時間をくれる。
気持ちを言葉にして、悩みを整理すること。
子どもには難しい。
だから、突然「悩み糸」が出現してびっくりする。
でも、大人も同じなのかも。
大人は、「悩み糸」がもし出てきても、
「あら、ゴミが・・・」と捨ててしまって、
ないことにしているのかもしれません。
悩みを「ないこと」にしてしまう。
そうして無理を重ねていく。
「まだ、大丈夫」「これくらい平気」と。
ついがんばってしまう。
たちどまって、糸をほどく時間が、
自分を今より自由にしてくれるかもしれないのに。
心配性だった私の話
幼いころから心配性だった私に、
父はよく、こう言っていました。
「よしこ、案ずるより産むが易しだよ。」
いつも何かしら心配で、不安だった。
教室でのほうきの使い方がわからないと泣き
(入学したてのころ)、
給食当番のおかず係が苦手だと泣き
(平等につぎわけるの難易度高い!)、
バレーのサーブが入らないとふさぎこみ
(中学の時です・・・)
そんな私に、
母は団地の駐車場を教室に見立てて、ほうきの使い方を手を取って教えてくれ、父はバレーボールを買ってきてサーブの仕方を教えてくれました。
私の不安がなくなるまで、私が笑顔になるまで、
根気強く、教えてくれました。
私の悩み糸は、両親の助けによって、
隠す間もなく、ほどけていました。
できないことはできないと言って、学校で教わればよいのですが。子どものころの私には、それが難しかった。
そんな私の性格を、両親はよくわかっていたのでしょう。
その後も、この心配性はたびたび発動されました。
でも、「悩み糸」は、見ないフリをするより、
目の前にもってきてほどいたほうがよい。
そのことを経験として教えてもらった私は、
「案ずるより産むが易し」と唱えながら、
高校時代も、大学時代も、大人になってからも、
心配事には、がんばって向き合うよう努めてきました。
両親以外の人の助けを借りることも、
少しずつですが、できるようになりました。
向き合ったあげく、
うまくいかないことも、もちろんありました。
結果、悩みの原因から離れるしかないと、
すたこら逃げ出したこともあります。
逃げることも選択肢の一つ。
逃げた後に残った糸(もやもや)には、
そのうち、やっぱり向き合う必要が出てくるのだけど。
それはまた、その時、向き合えばいい。
「悩み糸」は、とりあえず、ほどいてみよう。
うまくほどけなくて、「いーっっ!」てなったら、
ちょっと休んでから、再チャレンジしてみよう。
だれかの助けを借りてみるのもあり!
そうすると、意外とすんなり、ほどけたりもします。
一冊の児童書から、なんだか抽象的な
私の悩み事対処法の話になってしまいました。
ところで、後生大事に抱えていた「心配性」な性格。
自分の根っこに常にあった不安な感じ。
実は、今はもうありません。
もう20年近く前、「アバター®」という自分の意識を管理するツールに出会ってから、気づけば「心配性の私」は消えていました。
悩み事がゼロになったわけではないです。でも、
昔みたいにむやみに心配事を創り出すことは、
ほぼ無くなりました。
「アバター®」については、次回、あらためて。
意識の領域のことは、書きたい気持ちはあれど、いざ書こうとするとなんだか難しくて。
これまでなかなか書けずにいたのですが。
私の経験をそのまま書いてみようと思っています。
また、読んでいただけたら、うれしいです。
*アバターⓇは、スターズエッジ社の登録商標です。全ての権利は同社が保有しています。
今日も読んでくださって、ありがとうございまいした。
*Amazonアソシエイトとして、うだよしこは適格販売により収入を得ています。
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