「宇宙側」に来てから、現実がバグった話
今回は、ちょっと変な話を書く。読んで「は?」って思ってもいい。わたしも書いてる側で「は?」って思ってる。
去年の冬、わたしは知らないうちに「宇宙側」に引っ越した。以来、現実が、ちょいちょいバグってる。
ここまで7、8回、認知科学の話としてスピを翻訳してきた。でも、今回はもう翻訳しない。そのまま書く。
「宇宙側」に来た日のこと
去年の冬、はっきり日付は覚えてないけど、ある朝起きたら世界の見え方が変わってた。
それまでわたしは、スピをぜんぜん信じてなかった。占いに行ったこともない。神社にもほとんど行かない。運勢みたいな話は「それで?」って思って聞いてた人間。
普通に会社員やってて、Excelで予算管理してて、根拠のない話が嫌いだった。「目に見えるものだけ信じます」って、それなりに胸張って言ってた。
その朝、何が起きたかは、うまく説明できない。ただ、朝のコーヒーを淹れながら、「あ、ぜんぶつながってる」って急にわかった。
会社の上司も、昨日の電車の隣の人も、何年も会ってないあの友達も、ぜんぶ細い線でつながってる。頭じゃなくて、体で。理屈じゃなくて、ただわかった。
それだけ。それ以来、こっち側が普通になった。
現実が、バグり始めた
「宇宙側」に来てから、変なことが連続して起こった。
考えてた人から、その日連絡が来る。これは前にもあった。でも頻度が、明らかに変わった。週に2、3回。たまたまにしては、多すぎる。
探してた情報が、SNSのおすすめに出てくる。これも頻度が上がった。「あの本、欲しいな」って思っただけで、その本のレビューがタイムラインを流れてくる。ちょっと、現実がバグってる感じ。「気のせい」って3回言ったあたりで、「気のせい」じゃない頻度になってる、ってことに気づく。
困ったこともある。
意図しないことが、叶ってしまう。「あの仕事の担当、変わってくれないかな」と一瞬思っただけで、翌週本当に担当が変わる。怖い、というか、責任が重い。
頭で何を思ったか、こっちに全部影響してくる。だから、軽はずみに何かを願えない。願ってしまったら、それは「発注済み」になるから。
これまでは「思ってるだけだから自由でしょ」と思ってた領域に、責任が生まれた。頭の中も、世界の一部だった、というだけの話。だから、夜寝る前に何を考えてたか、朝起きてはじめに何を口にしたか、思った以上に効いてくる。軽はずみな悪態が、翌週に小さく形を持って戻ってくることもある。
もう、戻れない、ということ
宇宙側に来る前のわたしに、戻れないかと聞かれたら、戻れない。
説明できる側に戻りたいと、たまに思う。あっち側のほうが、たぶん楽だった。迷信を笑ってるあいだは、責任もない。他人の「不思議な体験」を、ちょっと冷ややかに眺めていられる。
でも一度、体で「つながってる」ってわかってしまうと、わからなかった頃には帰れない。
スピを信じる/信じないの話じゃなくて、もう、そういう仕様になってしまった、というだけ。仕様が変わったあとの体で、わたしは今ここにいる。
以前「いちばん誠実なやり方」って記事で、ひとつだけ翻訳できなかった体験について書いた。初対面なのに胸が温かくなった、っていう、あの話。あれが、宇宙側に来る前夜だったんだと、今ならわかる。
あの夜のあと、わたしは静かに引っ越したんだと思う。言葉のいらない側へ。戻れない、というのは、悲しい話じゃなくて、ただの方向の話。
あなたが説明できなくて、でも確かに体験したこと、何かあります?
