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身勝手なやつだ

序章

 唐突にこんな本も読み出したくなるのが内子さんだ。

 生保。そしてその闇。こういうのは大好物だ。以前農協の闇、JA解体のお話を読んでいた私なのでそれを踏まえると唐突感もないかもしれないが、ここ最近にしては唐突な気もする。いくら唐突か唐突でなかろうがこちらの本は以前から読もうと思っていた本だ。ちなみにこの本の初邂逅は農協の闇の参考文献だ。


本章

初発の感想

 結構内容濃いめの本でここ最近でも読み応えのある本だった。第一章から保険のしくみからの解説が入り、次いで外貨立て保険、銀行販売、代理店販売、節税保険の罠、そしてかんぽの闇と続いていくがこれだけしかもこれの全てにおいてブラックな面が存在するのでかなり保険業界に不信感を抱きそうになったが、半分側からケタケタ笑ってやった。
 まぁそれが闇本を読む醍醐味っちゃ醍醐味なんだがしかし保険業界自体何も知らない、保険自体のしくみについてもあまりわかっていなかった私としては少し理解には手こずった。この本はそういう内容理解の点でもう一度読みたい本でもある。そのくらいボリューミーだ。
 あと個人的には本書著者が「闇深き点が多数あるが保険について全く不必要だとは思っていない」という旨を序章あたりで語ってくれているのだが、勝手にその心が書かれてことを期待して後半読んでいたんだが回収されず勝手に落胆したのは内緒だ。

保険ビジネスのしくみ

 まずは保険ビジネスとはどういうしくみなのか。どう金儲けとして成立しているのかを解説してみたい。正直ここは最悪本記事的には飛ばしてもいい箇所だが私自身が把握しておきたいところなのでアウトプットの場として今回ここ場を借りさせていただく。
 保険とはおきいざという時にお金引き出せるように顧客からもらう予めお金を預けておく制度。その保険を用いてどのようにビジネスお金が生めるのだろうか?
 保険料、この保険料は保険会社的は“純保険料”と“付加保険料”の2種に分かれる。まず純保険料は顧客に払い戻すお金たち。この純保険料は予定死亡率、予定利率という基準で決まるのだが、予定死亡率は標準生命表というものを元に生保全契約者がどの年齢でどれだけ命絶えていくのかというの指標で決まるのだろう。対し予定利率はお金である以上ずっと貯めておくわけにはいかないので基本的には保険料は投資運用に回される。その運用の損益の率だ。保険商品が貯金の意味もあるみたいな話、ためとけば増えるみたいな話は多分ここからきているのだろう。
 ちなみにどうでもいいが、いざというときの金が投資に回されているというのは少しびっくりだった。運用に失敗したらどうするんだと思っていたがそれが一つ闇深き本書の内容につながってくる。ここでは一旦解説を控えておく。
 こうして決められた純保険料を運用し満期になったらお返し、いざという時にお金を下ろすのが保険の仕組みだ。では付加保険料の方も見ていこう。
 付加保険料は予定事業率によって決まるとされているが簡単に言えば経費だ。ビジネスである以上はこういうところも顧客から回収しなくてはならない。人件費、事業費、などはここから取られる。ちなみに勘違いしないでいたたきたいのは付加保険料は正当なお金の取り方だ。まぁ額が跳ね上がりすぎているとなれば別だがこれ自体に罪はない。保険会社の運用として必要だ。
 この純保険料と付加保険料を組み合わせ保険料を決め販売している。ちなみに上記の予定死亡率、予定利率、予定事業率は見込み数字らしくで売り上げとの差ーー利益、損益の部分をそれぞれ死差益、利差益、費差益と呼ぶらしい。これにとって基礎利益なるものが決まり、上官たちは売り上げで競い合う横並びゲームを続けているらしい。
 軽くまとめると、どれだけ人が死ぬか、どれだけ投資運用で利潤が出るか、保険事業にどれだけの経費が必要かで我々の支払う保険料の基本が決まるということだ。もちろんそこに細かい商品のアイデンティティなどで付加価値が加わってくるが基本はこれだと思っておいて欲しい。

かんぽ生命って奴は....

 何故闇は生まれるのか。何故真実はこんなに歪んだものになってしまうのか。もしかするとそう思われる方も相当数いらっしゃるのかもしれない。世の中にはいろんな闇が存在する。
 最近思い出したのだと一時の口臭ケアブームの時だ。汚れが見える系のマウスウォッシュが爆発的に流行り実は私も一度購入したことがあるが、実際は情弱ビジネスの側面もあった。あのマウスウォッシュだけでは口臭を完全に防ぐことは不可能でありかつ、汚れの可視化はそういうエンタメでしかないという話だ。やはりしっかりとした歯磨きとフロスを基本はやるしかないのだ。
 まぁそんなことは置いておいて、生保業界にも闇がある。生保の闇今回は特にかんぽを取り上げてみよう。
 かんぽ生命。非常に信頼できそうな印象はあるがあくまで印象。その実態は笑えない。信じ頼ることをやめたくなるだろう。端的に言えばどの生保よりも厄介なカモり方をしている。様々な顧客のカモり方があるがかんぽは劣悪だなぁと思わされる。
 というのも基本的には乗り換えの手法を使って顧客をカモることができる。既存の契約から何かしらの理由をつけて契約を解除させ新たな保険に再契約をさせる。その乗り換え手法は様々で、名義人を勝手に親戚の名前にしたり、契約内容変更は必要だが解約の必要はない場面でわざと解約させたり。そうすることで保険会社側のノルマが達成され営業マンや保険会社の社員は一時の幸を得られる。
 この時無知な顧客たちはカモられていることも知らずに再契約をする。そして後々親戚などに言われて気づく。カモられていた。保険会社に問い合わせてみても対応が無責任。再契約の行末は再契約前よりも金銭のリターンが少ない。
 大体引っ掛けられるのは高齢者だ。判断力が鈍い。古の価値観が染み付いている彼らはこう言う。
 「郵便局さんの言うことだったから信用してしまったよぉ」
 かんぽ生命を販売している代理店として郵便局の存在は大きい。そう。この如何にもこの日本擬似社会において公平な印象を受ける郵便局。この印象ーー信頼感を逆手にとって高齢者を主にカモっているのだ。中には10年間同じ顧客を担当者を変えてカモり続けいた例もあるらしい。執着も甚だしい。
 だがこれは大半の営業マン側がやりたくてこんなことをしているというのは実はお門違いだ。中にはこんなことはやりたくないというスタンスのものもいるし、全営業マン、郵便局員がカモっている訳でもない。ちなみに現場の選ばれし方々が上層部と話す会合ーーフロントラインセッションというものがあったらしいがそこで現場の方は上層部に散々に文句たらしめたらしい...笑 やはり上層部に振り回されているのが窺える。

似て非なる存在が一つ

 契約を乗り換えさせて顧客をカモるのには組織なりの理由は存在する。それはノルマを達成しなければならないからだ。ノルマを達成しないと上司に気に入られない。出世にかかる。そういうことだ。そして日々保険商品を売っている者はノルマとの戦いに勤しむ。そしてそのノルマは過大。意地でも達成するため同じ客を乗り換え手法でかもったり、説明に余計な引き算をして無理矢理商品を買わせるなんてことがある。特にかんぽは郵便局という信頼できそうな雰囲気でやってくるのでタチが悪い。
 ちなみに私はこの構図。どこかで聞いたことあるなぁ。そんなことを思った。そして私は流れるようにあの組織を思い浮かべる。JAだ。農協の闇。金融商品、農作物が売れない中でなんとか共済で売り上げを立てようと過大なノルマを課し、組合員をかもっていくあの感じ。具体的に違う点もあるが、売れれば結構な額が入る保険ないし共済に目をつけそれだけで賄おうとし現場が逼迫。JAの場合はノルマ達成のために親戚に買わせるまたは自分で商品を買うという始末にまでなっている。
 ちなみに生保の場合は世の金融情勢で保険商品が今までの保険商品が売れづらくなってたりするのが実情でやむおえずカモりに手を出してる場合もある。さらぬ生保は銀行などでも売ってるが融資の利率が低い今銀行も生保ノルマであら稼ぎしにいっているところもある。
 いずれにせよ思ったのは本質的には過ちの種類は同じだということ。だがよくよく考えれば本書は農協の本の参考文献より見つけた本。そりゃ似てるかという感じでもある

問題の本質は如何に...

 軽く闇の例にかんぽをあげてみたが、他の生保会社または銀行、乗り合い代理店に至るまでこの乗り換え手法を主にカモりをしていたのが実態だーー本書は2019年出版なので2026年現在はなんとも言えないーー。JAも含めて何故こういうことが起きてしまうのか?
 本書を読めば大体わかる。現場を一切考慮しない上層部のわがままによって起きる。例えば某生保会社だと、売上高No.1を目指すために多量のノルマを課し、現場はそのノルマをなんとかクリアするために不正販売をせざるを得ない構造になってしまっているという状況だ。上の横並び競争のために顧客への最適解が台無しになってしまう。そしてあわよくば損をさせ価値提供に歪みが生まれる。
 全てのカモりが上層部のわがままによって起こる訳ではない基本はこれだし、これでなかったとしてもとこかの立場のわがままが原因だ。ちなみに私は人間たるものわがままなことはしょうがないと思っている。そうじゃないとあんなつまらない揉め事、特に恋愛如きで軋轢など生まれるはずもない。わがままなのは別にいい。なんなら上層部の横並び競争もやりたきゃやりゃいいと思っている。
 では何が本質的にダメなのか。顧客に損をさせている点だ。別に顧客が損をしない、または現場が振り回されないのであれば横並び競争は勝手にやってればいいと個人的には思う。しかし多方面に害が及んでいる。顧客は損をさせられ現場は逼迫状態だ。
ここを考えずに上層部が身勝手やるのが良くないそういうお話だ。
 私の働いている組織も、正直上のノルマ的身勝手で逼迫状態であるのが正直なところだ。別にノルマ地獄などはないが、上がノルマに満足しているが故にこちらで起きている問題が無視されている。そういうお話だ。ちなみにそれに対して呆れの念を持っている。だがこの状況なんとか変えれないか私は何かを企んでいることは内緒だ。
 会社ではないが自分が主宰で運営している組織もある。上側がどうすべきかというのを改めて思わされた。部下、現場、はたまた契約者などの立場を考えてしっかり謙虚に対応する。改めてこれを肝に銘じたいと思った所存だ。ちなみに高校時代ではあるが過去にこういい過ちをなん度も犯しているのが私だ。贖罪の念は否めない。わがままと身勝手は個人的には違う。そう思っている。自分も相手もーー双方の立場を尊重し運営していくのが組織の基本だと思う。

終章

 己の立場以外で考え双方に良き条件をなるべく目指すことは大事だ。それは個人間だけでなく組織の団体としての立場にもある。それを改めて強く思い知らされた。
 ちなみに触れてないところも山々だ。節税保険、外貨立て保険、乗り合い代理店、銀行と生保の関係。Topicsは豊富だ。ぜひとも本書を読んで見てほしい。
 その中でも私は銀行に生保にまつわる点で気になるところがある。

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