愛のハイボール
親戚のおばちゃんは繁華街で一品料理屋を営んでいる。うちの祖母の兄の娘にあたる大おばだ。つまり母のいとこ。名前は愛という。
高級そうなお店だが、親戚ということで母に予約を取ってもらい訪問した。行ってみてびっくり。一等地に店を構えている。
「ヤスくん、大きくなったなー。今日はいっぱい食べて飲んでや~」
大きくなったねって言われるのは学生までじゃないのか。愛おばちゃんとはほとんど面識がなかった。私が小さいころに会っているらしい。それでも満面の笑顔で迎えてくれた。聞けばおばちゃんが小さいころに祖父母にかなり可愛がられたという。
「むかし、あんたのおばあちゃんには世話になったからな~。今日はおごるで~~」と次から次に料理をだしてくれる。繁華街の一等地な店だけあって、どれもうまい。なんでも落語家さんがつかう店のようで。
祖母系の親戚なので、おばちゃんの血は奄美大島だ。奄美といえばなにをすれば喜んでもらえるか私にはわかる。笑って踊るのだ。
お酒が入ってきていい感じになってくると愛おばちゃんも飲み始めた。仕事、ええんかい。
ピィーーーーーーー
と私が指笛を吹くと「うまいなぁ!」と喜んでくれて、手をヒラヒラさせて踊りだす。チャンカチャンカと踊りだす。
「はい、これ、愛のハイボール」
おばちゃんの名前とかけているのか、注文していないのに愛のハイボールなるものを出してくれた。
めっちゃ茶色い。ハイボールの色じゃねえ。
ウイスキーが半分くらい入ってるんじゃ?ハーフ&ハーフくらいの濃さじゃなかろうか。ウイスキーの量はシングルとかダブルで表すんだっけ。これトリプル?もっとだな。4ってなんて言うんだ。テトリス?
「またおいでや~」
と愛おばちゃんは言ってくれるも、このお店、いくらするんだろう。親戚のおっちゃんに同伴をお願いするか。流石に毎回おごってもらうのはいくら親戚でも気が引ける。
今日も読みにきてくれてありがとうございます。美味しい~と伝えたときのおばちゃんの笑顔がうれしかった。
[画像協力:さちわ]
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