人の悪口を書いてはいけない“裏”の理由
「そういう意味で言ったんじゃないのに!」
人のことを悪く書いてしまいますと、だいたい失敗します。思うような反応は得られません。
「あの発言にはこういう意図があって、いや、本当はあの人がうらやましくて」なんて言い訳してもすでに遅し。
私も20代のころ、やっちゃっています。書く師匠にあたる人をね、痛烈に批判したことがあったんです。「人の話ばかりで自分のエピソードを書いていない」「キレイゴトしか言っていない」「ベタ」などなど。わー、こわいね。今思うと、ただのやっかみです。
本人の耳にも届きましたが、そこはそれほど問題ではありませんでした。子猫がライオンにからみにいくのと同じですから。
発信力も知名度も文章のおもしろさも敵いませんでしたから。ギャーギャー私がほえているだけです。批判でしか噛みつけない悲しさ。文章で勝負すればいいのにさ。
で。問題は、うちの師匠のファンです。
もうね、きれいに私は干されました。自業自得です。ファンからすれば自分が信じる人を否定されたら、そりゃブチ切れますわ。
でも当時はわからなかったんですよね。悪口や批判をしたらブーメランでもどってくる。斬られる覚悟のある奴だけ刀は抜け、です。
悪口芸は昔からあるんです。
ビートたけし、立川談志、爆笑問題太田光、有吉弘行、マツコ・デラックス、ウェストランドは毒舌です。物書きならナンシー関だね。他にも辛口コラムニストやエッセイストはいるかな。
悪口がなぜダメかというと、そりゃ悪口はダメだろ、不快だろってのもあるし、悪口をおもしろく書けるのって、めちゃくちゃ文章力が必要なんですよ。いばらの道なのよ。
ふつうに書いちゃうと攻撃にしかならないんだから。それを「ほぉ~」と思わせたり「あー、なんかわかるな」「おもしろいこと言うね」と思わせたりするのは一流の芸です。
私たちが共感ねらいでやっちゃうと、「え?」「はぁ?」ってなるから。言いたい放題になるだけ。
悪口・批判のうまい人は悪口芸を観客にみせている。本当に悪くは思っていない。芸には愛が必要だし、芸は一朝一夕では身につきません。
《まとめの結び》
悪口芸は上級テクニックである。
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