審査員が求めているのはお笑いでいうところの、家族団らん中にテレビが爆発するくらいの危険なボケ
コピーライターの神様みたいな人、糸井重里さんと谷山雅計さんが、新人賞の作品を見て、言った話。
これ、もうコピーライティング界の都市伝説みたいなもんですよ。ある日、ほぼ日の企画で新人賞のコピーについて聞かれた糸井さんが、こうバッサリ斬ったらしいんです。
「今年の新人賞のコピーの中で、糸井さんの好きなコピーがあれば教えてください」
↓
「なかった」
「なかった」って、すごい破壊力ですよね?あの糸井さんが、「好き」の"ス"の字も出なかったって。
その理由がまたエグい。「みんな調整がうまいから」だと。これ、表面だけ聞くと「褒めてるやん?」って思うでしょ?
違うんです。新人サラリーマンが「君、人当たりいいね」って言われるのと同じで、褒め言葉に見せかけた、最も地味なレッテル貼りなんですよ。
頭のいい子が広告業界に入ってくるから、上司のチェックも、審査員の「好み」も、全部AIみたいに先読みして、角が取れた「無難オブ無難」なコピーを出しちゃう。コンビニの棚に並んでる、パッケージが地味な栄養ドリンクみたい。効くのかもしれないけど、手に取る気がしない。
谷山さんが言ってたんです。「爆薬の量の多いものを見たいよね。反社会的なことをやれとは思わないけど、お笑いでいうと、家族団らんの場で見れないような危なっかしいコントみたいなさ」って。
彼ら特級呪物のようなプロが求めているのは、ブラウン管テレビが急に爆発するくらいの、予測不能なノイズなんです。
これ、私たちみたいに「文章で跳ねたい!」って勉強してる人間にとって、耳が痛いを通り越して、耳がもげるくらい痛い話ですよね。
だって、私たちは「うまく」なりたいから、文章術をあさり、ハウツー本を読んで、「この型で書けば賞が獲れるかも!」って、受験勉強並みに必死こいて「調整力」を磨くじゃないですか。
でも、勉強すればするほど、出てくるのは「優秀な優等生作品」だけ。
プロたちが求めているのは、「なんじゃこりゃ?!」な、松田優作さんが急に現場でアドリブを入れてきたみたいな、予測不能な「狂気」なんです。勉強の先には、いつも「真面目な優等生」しかいない。
これが、クリエイティブの難しさであり、地獄であり、ある意味で無限の自由なんです。
資格試験や大学受験なら、答えは明確。「これをやれば合格」という分厚い攻略本があります。あとは、根性論でひたすらページをめくるだけ。体力勝負なんです。
でも、創作の世界は違う。
技法や型はあります。でも、その通りに作っても、審査員は「はい、教科書通り!次!」って、セブンイレブンの新作スイーツをスルーするくらいの冷たさで、あなたの作品をスルーします。
だから、真面目に勉強をしていない「変なオジサン」とか「発想が宇宙人」みたいな人が、たまにポーンとグランプリをかっさらっていくんですよ。ビギナーズラックもそう。
彼らの頭の中には、写ルンですみたいな、予測不能で危なっかしい化学反応しか詰まってないから。
課題はシンプルです。「攻略法を捨てろ」「調整を放棄しろ」「頭の中で、家族団らんのテレビを爆発させろ」
根性論も通用しない。型も通用しない。ある意味で優しく、ある意味でガングロギャルメイクくらい意味不明な地獄です。
でも、解き方は自由。審査員の顔色を伺わなくていい場所で勝負すれば、あなたの「危なっかしさ」は、唯一無二の爆薬になる。
言葉で、世間を驚かせてやりましょうよ。
読んでくれてありがとうございます。やるか、やらないか。あなたの爆薬の量に期待してます。

#66日ライラン
#放課後ライティング倶楽部
[画像協力:さちわ]
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