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Riddim Saunterを見るために尽未来祭に行った話

いつかは始めようと思っていたnoteをやるきっかけが見つかったので、飛び込んでみることにする。
そのきっかけとは、大好きだったバンドの復活を見届けた話。XやInstagramに書くには長すぎるライブレポと回顧文を残したくなったので。

突然の解散

Riddim Saunterが解散して14年が経つらしい。
解散ライブの舞台になった中野サンプラザにはあれから行く機会もないまま再開発を理由に閉鎖された。30手前だったメンバーも軒並み40代になり、リスナーだった僕も30代を終えようとしている。

リディムの解散は突然だったが、強い決意を伴うものであることはファンとして理解していたつもりだ。何せ解散後にメンバーがリディムの曲を演奏したことすら、僕が知る限りほぼない。直系の先輩であるTGMX氏が再結成の公開オファーをしている場面にも何度か出くわしたが、太一くんが苦笑いを浮かべたり、啓史くんがSNSで言葉を選びながら否定したりと傍目に見ても安易に再結成をするほどの気持ちで解散していないという姿勢は明らかだった。

ただ各々が不仲で別れたということではなく引き続き近距離で活動をしていたので、KONCOSやLEARNERS、Keishi Tanakaソロで発表される楽曲のテイストや、メンバー同士のコラボ、ライブ共演などを通して「リディムっぽさ」「ほぼリディム感」を享受することは多々あった。

それはそれで楽しかったし嬉しかったけれど、5人が織りなすあの多幸感あふれるライブ空間はあの中野サンプラザ以来封じられたままだったし、時間の経過とともに、何となくこれからも封じられたままなんだろうな、という諦念もあった。

そんな中、思いもよらぬ角度から再始動の報せが飛び込んできた。

突然の再始動

尽未来祭。10年ぶりに開催されるBRAHMANの周年フェス。5月23日金曜日の正午、そのラインアップが発表された。
僕は前回も初日に参加した。BRAHMANはもちろん、Hi-STANDARDやシークレットでの復活となったSUPER STUPIDなど自分がこの類の音楽にまだ出会えていなかった90年代の空気感を追体験できた思い出深い1日だった。さて、2025年のラインアップは?上からなぞってみる。
初日は前回の2015年開催時と同様、BRAHMANが90年代を共にしたSCAFULL KINGやBACK DROP BOMBといった所謂AIR JAM世代の盟友バンドや、THE BLUE HERBやEGO-WRAPPIN'などシーンを超えて共鳴し合う縁のあるアーティストたちが名を連ねる。

なるほど、RHYMESTERも出るのか、アツいね。
ほう、リディムも出るのか。
ん、リディム…?

Riddim Saunter…. !?

人は信じがたい光景が視界に入ると二度見というものを本当にするものだ。もう一度ラインアップを見直す。Riddim Saunter。確かに書いてある。
情報を処理できていないでいると、さらにKeishi Tanakaの公式LINEから通知が来ていることに気づく。珍しく本人の言葉で、1年間だけリディムをやることにした、ということが綴られている。
続いてXのタイムラインにも再結成の報が流れてきた。どこか懐かしい風景をバックにした、今の5人のアーティスト写真が添えられている。
総合するに、どうやら現実らしい。

14年ぶりにリディムのライブが見られる。このことだけで僕は今年の尽未来祭への参加を即決し、妻に決定事項として伝達した。

再会の日

発表の日から約半年。
早々にチケットを確保し、淡々と日常を送りながら、来る日を待った。
啓史くんが、今回出演を決断した経緯を語ってくれたり(これを読んで、粘り強くオファーを重ねてくれたTOSHI-LOW氏を当日拝み倒す決意をした)、メンバーのSNSにリハの光景が投稿されたりするのを見るにつれ、日に日にリディムをまた見れる実感が伴ってきた。

そうしてあっという間に当日を迎える。11月22日。
解散ライブ以来数えるほどしか袖を通していなかったTシャツを引っ張り出して着てみた。14年の年月の中で体重が増えた時期もあったが、直近1年間で体を絞ったのでちゃんと着れた。


自宅から幕張までの1時間超。出演アーティストの楽曲をSpotifyで予習しながら向かう。当日もそうだし、この日に至るまで一月ほど、なんとなくリディムの曲を聴くのは避けてきた。先入観なく、新鮮な気持ちで当日披露される楽曲を受け取りたかったのだと思う。

長い行列を抜けて会場入りし、早い番号の整理券を確保しておいたグッズを買いに向かう。少し出遅れたようで、すでにサイズの欠品がある。物販ブースに掲げられた、太一くんデザインの「Riddim Saunter」のロゴ。本当に今日彼らを見られるんだな、という実感がさらに輪郭を伴って湧いてくる。本当はLサイズが良かったけれど、在庫が残っていたMサイズのTシャツを買う。着ているTシャツから、リディムの最新グッズが14年ぶりに更新された。なんだかそれも感慨深かった。

12時を過ぎ、尽未来祭は開演を迎える。

LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS、SCAFULL KINGで踊り狂い、想定外に汗をかいてしまった。その後はゆったりと各アクトを眺め、飲み食いを楽しみ、(こんなことでもないとお目にかかることのないであろう)黒夢とシークレットアクト=ヌンチャクの爆音に耳をやられながら、あっという間に19時。
間も無くリディムの出番を迎える。

再会の40分間

当日は現地で合流した友人と行動していたが、「リディムはガチで前で見るので」と宣言して1人最前エリアに向かう。

「左往」ステージでヌンチャクのライブが終わり、「右往」ステージで楽器隊3人がサウンドチェックを始めた。高まる期待と、どこか夢でも見ているような不思議な感覚。一通り確認が済むと3人はステージから捌け、まもなく照明が暗転。ビジョンに次のアーティストを告げる映像が流れる。

「Riddim Saunter」のロゴが大写しになると、大きな歓声が上がる。

正直、ここまでウェルカムな空気なのは予想外でもあった。出演者のファン層は90年代のAIR JAMシーンを追ってきた人たちが中心で、リディムはその1~2世代後の印象がある。同じように待っていた人がこんなにいたんだ、という事実に胸が熱くなる。

青い照明がステージを満たし、客席からはメンバー5人が横並びになったシルエットが映る。寛くんがギターで聞きなじみのあるコードを爪弾く。思ったよりも厳かなオープニングの演出だ。

すると太一くんがドラムセットに移動し、あのフィルを鳴らした。
「Dear Joyce」だ!

「♪ Lovely Sunday Night~」
すぐさまフロアの大合唱がこだまする。僕も歌いながら両手をつきあげる。身体がどんどん前に出ていくのを抑えられない。14年間抑圧されてきたものが一気に解放されたような、不思議な感覚だった。

そこから「FRESH」「MUSIC BY.」がノンストップで畳みかけられる。クラブシーンの音楽に強く影響を受けている1stアルバムの中でもツートップのキャッチーなパーティーチューン。またこの曲で踊れる嬉しさから目頭が熱くなり、それ以上に体が勝手に動いて汗が止まらない。
さらにそこから、ダイノジがDJで重用していた「I'm Dabbling」が続く。
フロアを満たす幸せな一体感。幕張メッセのような大箱でリディムを見たことはないのだけれど、かつてリディムのライブを見た下北沢ERAでもリキッドルームでも赤坂BLITZでも、こんな空気感に満たされていて、その空間が好きだったことが蘇ってきた。
見ている人たちは相応に歳を取っているけれど。

最初のブロックを怒涛のように演奏し終えて、啓史くんがMCを始める。

「Riddim Saunterです。」

そう名乗る彼を見るのが新鮮だった。
(再結成の経緯を)決してTOSHI-LOW氏から脅されたわけではない、と話し会場を温め、BRAHMANへの感謝とリスペクトを伝えた。トランペット/フルートのアニキが甲子園応援でちょっとした有名人になっていることにも触れ、いつかのKeishi Tanakaのソロライブにゲスト参加した際にも披露した「必殺仕事人のテーマ」を手短に鳴らし、さらに会場が温かな空気に包まれた。

中盤は「Picture」「Waltz Of The Twins」「What Comes After The Parade」という、彼らの最後のアルバムとなった名盤「Days Lead」の珠玉の名曲たちをアルバムの曲順通りに披露。
特に「~Parade」の終盤のシンガロングのパートでは、中野サンプラザで「Riddim Saunterを終わります」という(BRAHMANの逆のようなw)宣言から会場中涙ながらに大合唱したことを思い出しながら、再会の場で同じように皆で声を合わせて歌える喜びを感じて、また胸が熱くなった。

続く「Sweet & Still」。
個人的にも大好きな1曲で、後期のRiddim Saunterを象徴する1曲だと思っている。あの日以降音源や古いライブ映像を遡ることでしかできなかったものが、今目の前で生で鳴らされている。自分が思っていた以上に、この曲が好きで、この瞬間を渇望していたんだなということに気づいた。

まさかの新曲

この時点で8曲をやり終え、解散前のいわゆる鉄板曲、主要なレパートリーは出し惜しみなくやってくれたようだ。40分の尺もあとわずか、でも終わる気配がない。改めてBRAHMANと、再会の機会を待っていたファンへの感謝を交えながら、啓史くんがMCを続ける。

「これからRiddim Saunterの新たな1年が始まります。春から25都市をツアーで回ります。」(意訳)

そんな嬉しい知らせと共に鳴らされたのは、まさかの新曲!
(タイトルは「Seasons of Love」というらしい)

あの頃の名曲たちが惜しみなく解放されただけでも嬉しいのに、まさか新曲まで用意されているなんて。近年のKONCOSのフレイバーを感じさせる温かい雰囲気を感じさせながら、5人で鳴らされることによって現代にアップデートされたリディムの楽曲になっていた。来たる来年のツアーで改めて聴けるのが楽しみだ。

ありがとうBRAHMAN

こうしてあっという間に再会の40分間は過ぎた。とりあえず身体中の涙と汗が放出されたので、ビールを求めてBREWDOGのブースに並びながら、この40分で体験したことを反芻した。それでもこの感動と興奮を語彙で表現することができず、呆然としたままBRAHMANのアクトを迎えた。

オープニングSEで観客がステージに向かい手を合わせるのが定番になっているが、今回ばかりはリディム復活の立役者であるTOSHI-LOW氏への心からの感謝とリスペクトを込めて、いつもより強く高く、合わせた両手を掲げた。BRAHMANのライブはそれは素晴らしいものだった。
(他のライブの感想はまたの機会に)

再会の日を総括

半年間楽しみにしていたリディムの復活ライブ。
振り返って実感したのは、自分が思ったよりもこの瞬間を心待ちにしていたのだということ。冒頭に触れたとおり、リディムの曲がライブで鳴らされることは14年間本当になかった。知らぬ間に僕たちはその機会を諦めていたのだが、諦めていたことが現実になると、その反動で感動や喜びは増幅することを知った。
遠い記憶になりかけていたリディムのライブで得られるあの多幸感を、あんなに多くの人たちと共有できたことも幸せな体験だった。解散のあの日と、今回の再会の場に立ち会えたことによって、14年ぶりにRiddim Saunterの最新を更新できた。体はヘトヘトだったが、いい一日だった。

とはいえ彼らの新しい1年は始まったばかり。発表されている全国ツアーの会場キャパシティが需要に対して小さすぎる気がするのが気になっているが、せっかく彼らが用意してくれた再会の機会を、出来るだけ多く楽しみたいと思っている。

最後に。おかえりなさい、Riddim Saunter。また会えて嬉しいです。

セットリスト

1. Dear Joyce
2. FRESH
3. MUSIC BY.
4. I'm Dabbling
5. Picture
6. Waltz of the Twins
7. What Comes After The Parade
8. Sweet & Still
9. Seasons of Love(新曲)


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