旅に出ない旅人のトラベラーズノート │ チロリアンランプの徒然に
昨日は乱れた体内時計を治すべく徹夜して文具捜索隊の任務を遂行した。
ところが、ようやく寝ようという頃になって娘が起きてきて、
「お腹が空いた」
と言う。
眠りそびれたまま朝を迎え、結果として二日連続の徹夜となってしまった。
今度こそ寝る!と意気込みを新たにしたものの、通信会社からセキュリティ強化アプリの案内電話がかかってきたり、再び娘が「お腹が空いた」と言い出したりで、結局なんだかんだと眠れない。
とはいえ、椅子に座ったまま何度かうたた寝はしていたのだが…
ようやく夕方近くになって横になったら最後、目覚めた頃には今日も終わりに近づいていた。
どうしても昼間起きて夜眠る生活が整わない。
用のない日はそれでも困らないのだが、どこか人としての罪悪感のようなものがある。
母が見たら何と言うだろう。
そんな生活を送りながら、昨日の捜索で発見された行方不明のトラベラーズノートたちに何かしら命を吹き込みたくなった。
そこで参考にしようと動画を見始めたのだが、何事も形から入る人間である。
皆さん何冊ものトラベラーズノートを見事にカスタマイズしていて、目からウロコだった。
というわけで、私も真似してみようとアクセサリー類を探しにフリマアプリを覗いてみた。
すると驚いたことに、手持ちのノートと同じものが7万円で売れているではないか。
思わず目が覚めた。

―そんなに人気なのか。
凄いなぁ。
そうなると今度は、そんなノートに相応しい使い方をしてやりたくなる。
だが妙案が思いつかない。
旅行も滅多にしないし、これといった外出の記録もない。
ログをつけるとしたら、毎日バラバラな就寝時間くらいである。
我ながら情けない限りだ。
いっそ庭の観察日記でも始めてみようか。
小学生の絵日記のようなものだが、それも悪くない気がする。
そんなことを考えながら、変化の乏しい日常を7万円のノートにどう落とし込むか思案している。
しかし考えてみれば、昨日の文具捜索隊の一日だけでも十分に物語だった。
もしかすると、特別な旅の記録ではなく、こうして過ぎていく日々そのものが、記録する価値のある旅なのかもしれない。
YOU MUST GO ON A LONG JOURNEY BEFORE YOU CAN REALLY FIND OUT HOW WONDERFUL HOME IS.
手帳に刻まれた文字の如く、人は人生という長い旅路の中で、幸せは足元にあると気づくのだろう。
