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女があるけば、矢が刺さる

夜の繁華街を歩いていると、ひときわ目立つ看板があった。
腕を組んでこちらを見据える人の横にはこんなコメントが。

「バーキン買うなら豊胸しろ!」


一瞬あたまが真っ白になった。その3秒後にものすごい怒りが湧いてきて、これは忘れちゃおれんとノートを取り出し、書きつけた。

イメージ。こんなにかっこよくはなかった。
エルメスのバーキン(鞄)は、相場150~400万円くらいとのこと

この看板は美容整形外科のものだった。私はテレビを見ないので知らなかったが、有名な医師らしい。そんな人がこんなことを言っていいのだろうか。売れれば何でもアリなんだろうか。

拡声器を持っている人

著名な人・多くの人が影響を受けやすい人は、大きな拡声器を持っている。その一言で大衆が動く。良き方にも悲しい方にもだ。声を発した後の責任は取らないし、美味しい所だけを持っていかれる。私のようになにくそと思って検索してしまうと彼の思うツボ。SNSで話題・炎上商法などでまた儲かってしまう。だからといって放っておくと野放しになり、私はまた傷つくことになる。一日を満喫して、ふわふわと歩いていただけなのに。なんで急に切りつけられなきゃいけないんだろう。私の多幸感を返してほしい。いや、あの言葉を見る10秒前に戻してほしい。

世の中は男性の目線でできている

「いや男だって薄毛とかの広告あるよ?」と言う人もいるだろう。男性もゼロとは言わない。でも不安を煽る言葉は圧倒的に女性向けが多い。美白、痩身、ノースリーブを着るための脱毛、すっぴんを見せない!24時間OKなファンデーション、後ろ姿まで抜かりなく!360度カワイイ、オフィスでも男性ウケ◎なファッション(なぜ仕事をしに行っているのに男性にも媚びを売らなくてはいけないの?その分のインセンティブは?)・・・すべてはステキな男性に選ばれるため。なぜ女性には自ら選ぶ権利がないのか。

歌手のちゃんみなのように眉を脱色して、真っ赤なリップで闊歩しちゃダメなの?「わぁ…個性的だね。」だなんて引かないでほしい。というか、個性がないとただのアンドロイドですよ。自分が選んだ、自分が好きなスタイルで生きさせてほしい。バーキンが欲しいなら買わせてくれよ。自分で稼いだお金だぞ。たとえそれで3食カップ麺だとしてもいいじゃないの。“自分で選んだ”ってことが大事なんだ。

ノノガのときの言葉が今も刺さりまくっているちゃんみな

イヤな言葉は家まで持って帰らず、どこかでお酒でも飲んで捨てていけたらいいのだけれど。一度言葉を目にしたらずっと脳みそにこびりついていて、受け取り拒否ができない。もっと鈍感になりなよと言われる。鈍くなって飼い慣らされたくはない。毎秒怒っているのも結構キツイけれど。私は黙らないと決めている。

△こっちのバーキンの方が好きです。

△いびつな所を全部直したら、何の個性もない女が出来上がるけどいいの?

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青 石(せい せき)/ 文筆家・校正者・イラストレーター この記事を気に入ってくれたら、よければチップお願いします。一口100円から、何度でもOKです。いただいたお金は記事作成に使わせていただきます。