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今じゃない、を受け止める

仙台はきょうも雨。窓の外に、雨をたっぷりと含んでいそうな灰色の雲が垂れ込めているのが見える。
加えて、私の身体はもうすぐ次の月経周期に入る。
曇りの日と、生理前。これらが重なると、私の心はずーん、と落ちる。

そんな心にとどめを刺したのは、偶然見つけたSNSの投稿だった。
それは、「子育てしながらも通信制大学に入り、心理士の資格を目指すことに決めた」、という、いたって前向きで心から応援したくなる内容だった。

なのに、きょうの私は、それを見て泣いた。
心の奥底に閉じ込められていた「あるもの」が、無理矢理こじ開けられたような感覚があったからだった。

「あるもの」とは、私が産後に抱いた「夢」だ。
“自称”根明、パリピだった私は、産後まさかのうつになった。
その回復過程で、多くの医療従事者、心理の専門家たちに出会い、多くの学び、気づきがあった。これらの出会いや経験は私の人生観や価値観を大きく変え、私は「人生第二章のゴール」とも言える目標を見つけた。

「心のケアのプロになって、私と同じように悩み、苦しむ人たちを救うこと。」

「心のケアのプロ」として、はじめ、私は精神科医を志し、医学部受験に打ち込んだ。娘はまだ小さく、私の実母も元気でサポート体制も万全だったため、私は自身の目標に向けて生活を「全振り」できた。

が、3年連続受験に失敗。娘の特性はどんどん顕著になり、私のサポートが必要不可欠になり、私は一旦、この目標を諦めた。

そう、この時は「一旦」のつもりだった。
けれど、娘の特性と日々向き合いながら過ごすうちに、自分が本当にやりたいこと、なりたいものがよく分からなくなってきた。単に考える余裕が無くなっただけだったのだが、1日1日を過ごすことが精一杯で、未来に思いを馳せることができずにいた。

もちろん、それはそれで「今を生きる」という大事な観念なのだが。

そんな中、きょう、そのSNSの投稿を見て、私は居てもたってもいられなくなった。医学部受験に挫折した際、公認心理師を志した私は(相変わらず自分の能力に対して上を目指しすぎる癖だけは直らない)、改めてその目標を思い出し、どんなルートで何を学んだらその資格に届くのかを調べ直した。

スマホの検索窓に向き合い指を動かしながら、なぜか涙が止まらなかった。胸が震えた。あぁ、やっぱりやってみたい。いつかなりたい。なってみたい。また学びの世界に戻りたい。

ーーでも。今、学びを再開したところで、資格取得までの数々の関門は乗り越えられないだろう。そんな時間も、心の余裕もない。今は、とにかく娘の「安心」を満たすための時期だから。それが私にとっての最優先だ。

だから、私が私自身の夢を目指すのは、
きっと、今じゃない。

これまでの私だったら、それでも勢いに任せて突き進んでいたはずだった。それができる体力も気力もあったし、だからこそ上手くいったのかもしれない。

でも、今は違う。もちろん「私だけの人生」ではあるのだけれど、その「私だけの人生」には、自分の目標以上に守りたいものがたくさんできた。できてしまったのだ。

私は、「公認心理師を目指すためのルート」というページをブックマークした後、スマホの画面を消した。

「きっと、今じゃない」ーーこれって、人間関係にもあると思う。友だちになりたい人、好きになった人。距離を縮めたいけれど、どうしてもその時の状況がそれを許してくれない時期。あったなぁ。あるなぁ。

そんなことを考えながら、一歩先に向いた目線を足元に戻してみた。
今は、これでいい。動き出せる時は、必ずまた来るはずだから。
そう自分に言い聞かせて、私はそっと、「今じゃない」を受け止めた。

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TOMOKO|産後うつを乗り越え、ASDっ子と生きるママの本音日記 温かい応援をありがとうございます!元アナウンサーから一転、閉鎖病棟を経て今、6歳の自閉っ子と歩む再起の記録を綴っています。頂いたご支援は、公認心理師への学びと家族の未来のために大切に活用させていただきます。私の挑戦に、伴走していただけたら心強いです!