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むかし語り テレビが家族をつないだ時代|昭和の団欒から個人視聴の時代へ 急成長期のテレビ番組 【シニアの独言】③


家族団欒にテレビが一役かっていた時代

昭和30年代から40年代にかけて、テレビは急速に家庭へ普及していきました。
それまでのラジオに代わり、映像と音が同時に届くテレビは、まさに夢の機械でした。
家族が同じ時間に、同じ番組を見る。
今では当たり前ではなくなったその光景が、当時の家庭にはありました。

子供の頃に私が夢中になったテレビ番組を振り返りながら、情報を伝える媒体の変化について考えてみたいと思います。

昭和のテレビ黄金期を彩った番組

思い出に残っている番組は数多くあります。
まず印象深いのは、NHKの「夢で逢いましょう」です。
坂本九さん、北島三郎さん、黒柳徹子さんなど、今では考えられないほど豪華な出演者が並んでいました。

また、「花椿ショー 光子の窓」も忘れられません。草笛光子さんの姿に、子供心ながら憧れを感じていました。
テレビの中の世界は、私たちに夢を見せてくれる場所でした。
放映時期を調べてみると、私が幼稚園から小学校に上がったばかりの頃でした。少しおませな子供だったのかもしれません。

そして「シャボン玉ホリデー」
ザ・ピーナッツとクレイジーキャッツが中心となったこの番組は、「夢で逢いましょう」と同じように、音楽とコントを組み合わせた音楽バラエティでした。

ニュース番組では「今日の出来事」がありました。
夜11時から流れるニュースを見ると、「今日一日が終わる」という感覚がありました。
汽車が煙を出しながら走る映像が、番組の冒頭に流れていた記憶があります。
長く続いた番組が多かったことも、この時代の特徴でした。

子供向け番組

子供達の間で、人形劇の人気は大変なものでした。
「チロリン村とくるみの木」は、長く愛された番組でした。
そして「ひょっこりひょうたん島」
井上ひさしさんと山元護久さんが脚本を担当したこの作品は、奇想天外な物語で、子供だけでなく大人も楽しめる内容でした。
当時のテレビ番組には、子供向け、大人向けという区別を超えた魅力がありました。

アニメーションが登場すると、子供たちは夢中になりました。
虫プロをはじめ、東京ムービー、東映動画、タツノコプロなど、多くの制作会社が登場し、才能ある作家やアニメーターたちが活躍しました。

テレビが作ったドラマ文化

ドラマも数多くの名作がありました。
「七人の刑事」は、1時間もの刑事ドラマの先駆けともいえる作品でした。
「事件記者」は、記者を主人公にした先駆的なドラマでした。
「怪傑ハリマオ」正義の味方として人気を集め、主題歌も大ヒットしました。原作漫画でも知られている作品です。
「お笑い三人組」は、ラジオからテレビへ展開した公開コメディ番組で、庶民の暮らしを舞台にした笑いが人気でした。
「若い季節」は、銀座の化粧品会社を舞台にした青春ドラマで、華やかな都会への憧れを感じさせる作品でした。

すでに現代につながるドラマのジャンルが、この時代には生まれていたのです。
もちろん、ここに挙げたものは私自身の記憶に残っている番組の一部です。
皆さんにも、それぞれ心に残る番組があると思います。

テレビが引き継いだもの

テレビ番組の多くは、テレビ以前から存在していた文化の延長線上にあります。
演劇、音楽、落語、講談など、人を楽しませる娯楽文化は江戸時代に成熟して以降、連綿と続いていました。
テレビは、それらを家庭の中へ届ける役割を果たしたのです。

公開生放送や公開録画も盛んでした。
観客の前で演じ、その反応を取り入れながら番組を作る。
この伝統は、後のドリフターズなどにも受け継がれていきました。
観客の笑いや拍手は、演じ手と番組を育てる大きな力だったのでしょう。

テレビの前には、ラジオの時代がありました。
日本のラジオ放送は1925年に始まりました。
ラジオドラマでは、「鐘の鳴る丘」「君の名は」などのドラマが大きな人気を集めました。
「君の名は」の放送時間になると銭湯が空になる、という話も残っています。

テレビは、これらラジオ文化を引き継ぎました。
ラジオの人気番組が、テレビドラマとして復活したものも数多くあります。
「お笑い三人組」「おらあ三太だ」などは、テレビでも人気を集めました。
ラジオは、民放の登場によって娯楽番組が増え、さらに普及しましたが、低俗化への議論も起こりました。
テレビでも同じように、普及が進む一方で低俗番組への批判が起こっています。
新しいメディアが広がる時には、期待と戸惑い、そして批判が生まれるものなのかもしれません。

「家族」で観る時代から「個」で観る時代へ

ラジオ、テレビ、インターネット、スマートフォン。
情報を伝える媒体は、どんどん軽く、速く、自由になってきました。
一部の人だけのものだった媒体が、娯楽の分野に進出した後、爆発的に普及する流れは、どの時代のメディアにも共通しているようです。

特に大きな変化をもたらしたのは、インターネットの普及でした。
インターネットによって、個人が簡単に自分の考えや作品を世界へ発信でき、誰もが多くの情報へアクセスできる時代になりました。

「個の時代」が当然となり、仕事も生き方も変化していくのでしょうか。
しかし、人が情報を求め、物語を楽しみ、誰かと共有したいと思う気持ちは、昔から変わっていないのかもしれません。
変化しているのは、情報を届ける方法です。
ラジオからテレビへ、テレビからインターネットへ。
時代ごとに媒体は姿を変えてきました。

これからも情報伝達の媒体は、さらに変化していくでしょう。
その中で、人は何を求め、どのように楽しみ、どのようにつながっていくのか。

未来のメディアについて、また改めて考えてみたいと思います。


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