猫が好きだ。よく分からないまま。
これまで、3頭の猫を飼ってきた。
ちょっと聞いていって。
いまだに訳がわからんのよ。
フサフサした四つ脚の小さな生き物が部屋にいて、気付けば足元に寄って来てる。
なんだこいつ。
抱き上げようとすると、めちゃくちゃ柔らかい。伸びる。
犬しか知らなかったから、慌てて腰を抱き止めた。
後ろ頭の造形にときめく。
嗅ぐと、たまにチョコレートの匂い。やんわり怒られる。
初代が子猫の頃、その好奇心の旺盛さに負けて、手に入るおもちゃをぶっ放したら、大人になる頃には、市販のそれに興味を失っていた。
堪えるべきだった。
全てのパーカーの紐を献上する。
裁縫具売り場が、猫玩具コーナーに変貌する。
3頭はみんな女の子。
掌を見せると、首を伸ばして頭を押し付けてくるのに、たまに小さな前歯で、二の腕を噛む。
寝る時は私の頭の横で、わざわざ尻を向けてくる。
起きる前に散々撫でた。でもまたすぐに催促する。別腹なのか。
大をすると力むからか、吐く事が多くて、てんやわんやになる。
病気になって元気がなくなると、獣臭くなる。
健康な時の、毛繕いが尊い。
亡くなった時、猫型の穴を心に開けると誰かが言ったのは本当だった。
今はサビ柄で鍵しっぽの子と暮らしている。
2頭の遺骨は、衣装ケースに仕舞ってある。
その側で、ぼんやりする。
遠くにいるのに、
爪の音を立てるのはなんでだ。
……膝に、確かな重み。その胸の振動、枯れた声。
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