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写っていない自分を、必死に探していた

古いアルバムを開くと、写真には不思議な力があると思う。

紙が少し黄ばんでいても、その一枚を見た瞬間に、
その頃の空気までふわりと戻ってくる気がする。


先日、親族一同の集合写真を見つけた。
結婚式の日の写真だった。

ああ、お父さんのお兄さんたちがいる。
タカ(仮名:父の兄)伯父さんは、少し肩に力が入っていて、
晴れの日らしい緊張がそのまま表情に出ている。

ひろし(仮名:甥)は、ちっちゃいなあ。3歳くらいかな。
小さな体でちょこんと立っている。

ゆう子とさゆり(仮名:姪)は、
お揃いのスカートをはいていて、双子みたいだ。

いく子(仮名:母の姉)伯母さんは、とびきりの笑顔だ。


おじいちゃん、おばあちゃんもいる。
おばあちゃんは黒留袖を着て、
いつもの畑仕事の姿とはまるで違う。
髪もふんわりとセットされていて、とてもきれいだ。

ぷーっ!
お父さんは相変わらず日焼けしていて、顔がつやつや光っている。

お母さんも、みんな若いな。


そんなことを思いながら眺めているうちに、ふと気づいた。
あれ。
私はどこだ。


写真の左から右へ、
もう一度ゆっくり目で追ってみる。

やっぱりいない。

そういえば、お姉ちゃんたちの姿も見当たらない。
どうしてだろう。
親戚の集まりの中に自分がいない。
それだけで少し落ち着かない気持ちになる。


誰が主役の写真であろうが、真っ先に探すのは自分の姿だ。
どんな顔で写っているか気になる。
あとあと残るものだから。

なのに、この写真には私がいない。
ひろし、ゆう子、さゆりも写っているのに。

どうした。
その時、トイレにでも行ってたの?



うーん。見つからない。
お母さんに聞こうかな。



( ^ω^)・・・

あ、そっか。

これは、お父さんとお母さんの結婚式の日の写真だった。
だから私はまだ、生まれていなかったんだった。

自分でも思わず笑ってしまった。
あー、心配して損した。


私は写真を見ながら、
まだ生まれてもいない自分を、一生懸命探していたのだ。


もう一度、写真を見る。

そこには、
三女がまだ知らない家族の時間が、ちゃんと並んでいた。

(*ある日の三女の話でした)




写っていない自分を、必死に探していた

毎日note連続投稿2621日目
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※優谷美和さんの画像をお借りしました。


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