華の都大東京「町おむすびの世界」
《連続1973日目!》
東京のまちなかや商店街を歩いていると、どこからともなく香ばしい海苔の香りやほんのり甘いお米の匂いが漂ってくる。
どこか懐かしさも感じる。
もしかしたら。
そこにあるのは「町おむすびの世界」なのかもしれない。
おむすびブームへの不安
昨今の"おむすびブーム"は目覚ましいものがある。
その中でも東京のおむすび熱は相当加熱している。新店舗も毎週のようにできていて、まさにラッシュ状態だ。
海外から来る人にもおむすびの人気は高く、観光客がおむすび屋さんの前に行列を作る姿も珍しくない。
具材のバリエーションはどんどん広がり、アボカドやチーズ、さらにはトリュフなんていう豪華なものまで登場している。
しかしちょっと不安になることもある。
この急激なブームはどこまで続くのだろうか。
急激に伸びた需要とそれを上回るように増加した供給。
コメ価格の急騰なども影響しているので、そのバランスがいつ崩れるのかもわからない。
もし、そのバランスが崩れた時に…
どのような"おむすび"が生き残るのだろうか。

それを考えるときに、我々が学ぶべきヒントは案外身近なところにあるのかもしれない。
例えば、ブームの前からあって、しかも地元で長く愛されてきたおむすび。
そういうおむすびは、キラキラとインスタ映えするようなものでもないし、「これが新しい!」と驚かされるような具材が挟まれているわけでもない。
具材といえば、梅干し、昆布、おかか。
それにツナマヨが登場するくらいだ。
しかし、これらのおむすびには何かがある。何度でも食べたくなる"何か"が。
長年の経験から選びぬかれたお米を丁寧に炊き、絶妙な硬さと塩加減で握られたおむすび。
それは、一口食べると「ただいま」と言いたくなるような優しい味わいだったりもする。
さらに、地元の人々が足繁く通う店構えだったり、店主の笑顔や会話の中に温かみが感じられることも。
そのおむすびの魅力は、日常性と安心感なのかもしれない。
「特別な日」ではなく「毎日」のためのおむすび。
それが、地元で長く愛され続ける理由である。
別の言葉で言い換えれば、ファンベースなおむすびということになるのかもしれない。
たとえブームが過ぎ去ろうとも、これらのおむすびは消えることはないだろう。なぜなら、それは地域で生きる人々の生活の一部だからである。

町おむすびの3つの分類
私はそのようなおむすびに対して、「町中華」のような親しみを込めて「町おむすび」と呼んでいる。
これまで5年半以上、全国のおむすび食レポートを続けてきた。その中で、この「町おむすび」は、大きく3つに分類されることがわかった。
・町おむすび
・お米屋のおむすび
・和菓子屋のおむすび
これは、私が以前作ったおむすびマトリックス図になる。
現在のおむすび店の分布を4つの象限でまとめたものである。

この図で右上に来ているのが映え系やぼんご系など。
SNSやインバウンドに対応していて、高価格なゾーンにある。
これらは現在のおむすびブームを牽引している存在になる。
ちょうどその反対側。赤枠で囲った左下の低価格で地域密着というところに位置しているおむすびもある。

低価格で地域密着、そして温もりを感じられるおむすび。ブームではないけれど、おむすび文化をしっかりと守り、根付かせている存在だ。
これが町おむすびと呼ばせていただいているものになる。
そんな東京の商店街や下町にある「町おむすび」の名店を、これまでの1300件以上のレポートの中から紹介したいと思う。
ぜひ、お近くに行くことがあれば、そのおむすびを味わっていただきたいと思う。
町おむすびの名店➊ 蒲田屋(十条)

ショーケースの中には、たくさんのおむすびたちが並んでいる。
値段を見てびっくり!
コンビニおむすびよりもぜんぜん安い。
ちりめん野沢菜の焼きおむすび。
ご飯の中にちりめんじゃこと野沢菜が練り込まれていて、それを焼きおむすびにしている。
焦げた醤油の香りがたまらない。
素朴だけど味わい深いというか、
こういうのでいいんだよなあ。
いつまでも、おむすびは庶民の味方でいてください。

町おむすびの名店➋ もがみ(西日暮里)

西日暮里でいつも行列ができている街のおむすび屋さん「もがみ」
実は、昨年の12月、それまでの店舗が、マンション建設のため立ち退きになってしまったのだ。
味のある店構えで駅からも近く、非常に残念な話だった。
あれから3ヶ月。もがみは、どうなっているのだろう。
意外とすぐ見つかった!
通りに行列ができていたので、遠くからでもわかった。
以前よりも駅に近くなっている。これは嬉しい。
お店もピカピカだ!
選んだのは、ソーセージのおむすび。
これまで、いろいろなお店を見たけれど、ソーセージのおむすびを見かけたのは、この「もがみ」だけ。ありそうでなかった、ちょっとレアな具。
プチっ。ソーセージがはじける。
塩胡椒で味がついたソーセージ。その旨みがご飯に染み込んでいて、うまい。
手づくりお弁当の中に入っているソーセージ。あの安心感が、そのままおむすびになった感じ。

お米屋のおむすびの名店➊ 小島米店(成増)

成増駅前にある小島米店。次から次へと常連さんがやってくる。
きっと地元から愛されているお店だろう。
店内に入ってまず驚くのは、長い長いショーケース。
そこに出来立てのおむすびたちが、どんどん並べられていく。
何を買おうか迷っていると、次から次へとお客さんがやってきてどんどんおむすびが減っていく。
選んだのは、ツナキムチ。
みてみて、このキムチの量!!
辛い中に甘味がしっかりあるキムチ。そこにツナとその旨味の詰まった油が絡まりあっていく。
これはパワーが漲る味!
こんなおむすびだったら、毎日でも食べたいですよね。

お米屋のおむすびの名店➋ 飯塚精米店(学芸大学駅)

なんと優良米殻販売店として、農林水産大臣賞を受賞したことがあるらしい。
これは期待できるぞ。
じゃーん。
横についている、ピンクのかけらで具かすぐわかる!
これもいいですよね。
では、さっそく。
いっただきまーす。
がぶっ。
うんうん。
やっぱりお米がうまいよね。
しっかりと粒が立っていて、甘みも引き出されている。
鮭はフレークタイプ。
ごはんとの相性もぴったりだ。

和菓子屋のおむすびの名店➊ マルナカ伊勢屋(板橋)

マルナカ伊勢屋のたらこおむすび!
しっとりとした海苔の感じが、なんとなく懐かしさを思い出させる。
ひとくち、かじる。
うん、いい。
和菓子屋さんのおむすびのいいところは、お米を扱うのが上手なところだ。
ちょうどいい炊き加減、ちょうどいい柔らかさ、ちょうどいい塩気。
うまく表現できないけれど、とにかくちょうどいい。
毎日食べて飽きないというか、ほっこりできる。
おむすびを1000日以上リポートしてきたけれど、飽きないどころか、もっと食べたいし、もっと知りたいと思えてくる。

和菓子屋のおむすびの名店➋ あけぼの(新秋津)

お惣菜を売っているケースの上に、おにぎりたちがずらっと並んでいた。
ねぎみそ、シャケ、焼きたらこ、おかか、こんぶ…
ああ、どれにしよう。
その中で目を惹いたのは、いちばん端っこにあったの鳥五目おにぎり。
値札のところには、「具が1.2倍」と書かれている。
これは気になるぞ!
鳥五目おにぎり!
いただきまーす。
がぶっ。
おっ、しっかりと鶏の旨みがごはんに染みているぞ。
さすが1.2倍というだけあって、鶏肉、にんじん、しめじ、油揚げなど具がたっぷり!
噛み締めるたびに、口の中でそれぞれの具のおいしさが広がっていく。

華の都大東京「町おむすびの世界」
煌びやかにクリスマスイルミネーションが輝く東京。
そんな東京の中で、地域に密着し多くの人から愛されてきたのが「町おむすび」
きっと、みなさんの住んでいるまちの近くにも、同じように愛されてきたおむすびがあるはず。そんなおむすびをぜひ味わってほしいな。
この素朴で愛らしいおむすびが、なぜ地元の人々の心をつかんで離さないのかをきっとわかると思うから。
「町おむすびの世界」
これからも、追いかけていきますね。
ご馳走たまでした。

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おむすびnoteを毎日書いてたり、浦和レッズを応援したり…
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