「幻のうにおにぎりを求めて」 雪つもる朝、三陸鉄道久慈駅へ向かった
【1395むすび】三陸リアス亭(久慈駅)うにおにぎり
《連続2026日目!》
時計の針は、朝7時を指していた。
北三陸の厳しい冬の寒さが骨身にしみる。
あまちゃんのロケ地としても知られる久慈の町で、「幻のうにおにぎり」に出会った。

おにぎりツーリズムという言葉が、この先流行するかもしれない。
実は、これ自分が考えた言葉である。
その地域ならではの食材を使ったおにぎりを目当てに、旅先を訪れる。
そんなシンプルで温かみのある旅の形が、いつの日か広がってほしいという願いを込めて。
私はそう名付けたのだ。
この日、私は久慈駅近くのホテルに泊まり、まだ暗い早朝に目を覚ました。カーテンを開けると、昨晩から降っていた雪が、久慈の街を真っ白に染め上げていた。
時計は午前7時。凍てつく寒さをものともせず、厚手のコートを羽織り、久慈駅へ向かった。

路面はスケートリンクのようにカチコチに凍り付いていた。
慣れないぺんぎん歩きでよちよち歩きながらも、心の中はわくわくしていた。

久慈駅は、三陸鉄道の拠点となる駅である。
三陸鉄道といえば、NHKの朝ドラ「あまちゃん」の舞台としても知られている。あのドラマが日本中に与えた活気と郷愁を、今でも感じさせてくれる場所だ。
駅前の静けさの中で、私はその物語の一部に足を踏み入れたような気分になった。

朝7時ちょうど。忙しい朝の時間帯だのはずだが駅構内には誰もいなかった。
ホームにも人影はなかった。
電車が行ったばかりなのかもしれない。

久慈駅の構内には、待合ができる少し広いスペースがあった。
向かって左側には切符売り場と改札があった。
右側には、1軒の立ち食いそば屋さんがあった。

そば屋さんの名前は三陸リアス亭。
地元のめかぶやほたてを使ったそばやうどんが食べられるお店。
また、1日に20食限定で売り出されるうに弁当は幻の味とも言われていて、全国からうに弁当を目当てにこの駅を訪れる人も多いらしい。
三陸リアス亭は朝7時が開店らしく、この日のうに弁当はまだ販売されていなかった。

この三陸リアス亭には、うに弁当の他にも知る人ぞ知る幻のメニューがあるらしい。
それが、「うにおにぎり」
販売数も少なく、販売のタイミングも決まっていないため、なかなか出会えないらしい。
幻の「うにおにぎり」を食べたい。
これが、今回の旅の目的でもあった。

誰もいない駅構内。開店したばかりお店。
お店の人は、厨房で忙しそうに仕込みをしている。
こんな時間におにぎりなどあるわけがない。
あるわけがないよ。
諦めかけたその時…
カウンターの上に黄金に輝くひとつの丸い物体を見つけた。
じぇじぇじぇ!
それは、幻と言われる「うにのおにぎり」であった。

お店の方に聞いたら、1個だけ作ることができたから置いてみたとのことだった。
おにぎりのメニューはいろいろある中で、唯一作られたおにぎり。
それが、幻のうにおにぎりとは!
ツイている。というか、奇跡的な出会い。
2000日以上、コツコツと全国のおにぎりをリポートしていたことを、神さまが見ていてくれたのかもしれない。
値段を聞くと、1個200円とのこと。
これ、ください!

そっと手に取り、その場で味わう。
出来立てでまだ温かいおにぎりから、磯の香りがふわりと立ち上る。
いっただきまーす。
がぶっ。

はあああ。幸せ~
濃厚なうにの旨味と甘みが、口いっぱいに広がる。
なんという贅沢な味わいなのだろう。
ご飯のもちもちとした食感に、ちりばめられたうにの美味しさ。
三陸の海がおむすびを優しく包んでくれているみたい。
早朝の久慈駅まで足を運んだ甲斐があったと心から思う。
その土地でしか味わえない特別なおにぎりが、旅人の心を優しく包み込んでくれる。そんな魅力が、おにぎりツーリズムの本質ではないだろうか。
北三陸の冬は厳しいが、その寒さの中で出会う温もりこそが、この地域の良さを引き立てている。久慈駅で出会った「幻のうにおにぎり」は、私にとってその象徴のような存在であった。
みなさんもぜひ、おにぎりツーリズムを体験してみてはいかがでしょうか。
ご馳走たまでした。

よろしければ、朝ドラ「ちむどんどん」のモデルになったお店のおにぎりもおかわりどうぞ。
おにぎりツーリズムの世界を堪能できますー
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