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資本主義の魔物が夜の米子を徘徊する(鳥取・島根1.3日のスタバ旅②)

↑前回の記事はこちら。
JALのセールで島根・鳥取のスタバを目指す旅。
金曜の仕事終わりに、そのまま羽田空港から出雲空港へ。
そこからバスで松江駅、そして山陰本線で米子駅までやってきた。

駅の改札を出て、東横イン口へ。
米ッ子合掌像っていう、モニュメントがあります。
米子っ子の精神を表した像ですね。
カッコイイです。
米子っ子は、これを見て「帰ってきた」って思うのでしょう。

米子の魂

駅のエスカレーターの「足元にご注意ください」の音声アナウンスが標準語からたまに方言アナウンスに変わるんだよ。
これがびっくりしておもしろくてね。
音声を動画に収めるまで、しばらくエスカレーターで待機する羽目になっちゃったよ。
こういうサプライズ、ありがたい。

駅から歩いてすぐの東横インに向かいます。
青くギラつくネオンが、俺たちと奴らの符号。
到着です。
今日もかわいいよ、俺たちの東横イン。

地図を見なくても辿り着けるというご配慮

チェックインはアパホテルの1秒チェックインとまでは行かないけど15秒チェックイン。
まぁ、そんな突き詰めて言ったら、アパホテルだって実際は15秒ぐらいはかかるでしょう。
なので、東横インも1秒チェックインを名乗っても良いんじゃないかな。
でも、「1秒チェックイン」はアパホテルが商標登録とかしてるんですかね?
なら、ダメですね。
「神速チェックイン」とかどうですかね。
良かったらお使いください。
著作権フリーにしときます。

今日の部屋は14階。
最上階じゃないか。
米子の100万ドルの夜景が綺麗に見えそうだ。
エレベーターで14階へ。
遠い。
部屋に入る。
いつもの東横イン。
何も変わらない。
世界が目まぐるしく動いても、ここだけは変わらない、心のふるさと。
いつか僕の大好きな娘も思春期を迎え、反抗期を迎え、成長し、巣立っていくのでしょう。
それでも、この東横インは変わらない。
この部屋に来れば、いつだって僕たちは「あの頃」に戻れる。
そんなホテルなんです、ここは。
東横インさん、これCMで使ってください、この構成。
著作権フリーにしときます。

この部屋に来れば、いつだって僕たちは「あの頃」に戻れる──東横イン

お腹すいた。
荷物だけ置いて、早速夕飯を食べに町に繰り出そう!
と思ったら、伯父から電話がかかってきた。
伯父、すなわち僕の母の兄である。
なんで、こんな米子にいる時に掛けてくるんだ?
って、向こうは僕が米子にいることなんて知らない。

伯「今、もう家か?」
僕「いや、米子にいる」
伯「なんでそんなところにいるんだ。仕事か?」

なんでそんなところに、ってのは決して米子や鳥取を愚弄しているわけではなくて、予想だにしない返答に対する人間の自然な反応ってやつです。
これが大阪や福岡なら、そりゃもちろん違った反応だったのだろうけれど。

僕「いや、プライベートだよ」
伯「家族で来てるのか?」
僕「ひとりだよ」
伯「そんなバックパッカーみたいなことしてるのか」
僕「そうね、こういうの好きなんだよ」

親族とはいえ、鳥取のスタバの電子スタンプをGETしに来たなんて言えないだろう。
いや言っても良いんだけど、普通に会話が面倒になるだけじゃないか。
だから、お互いのために言わないほうが良いことだってあるのだ。

伯父は、自分も学生の時に友達とテント持って1週間ぐらい鳥取のほうを旅行したんだ、と懐かしそうに話していた。
良い思い出になってるそう。
伯父の学生時代って、いつ頃だろうか。
学生運動全盛期とかじゃないか?
万博がどうとか言ってたから、本当にそうかもしれない。
当然スマホなんかありゃしないわけだから、そりゃ大変だったろうし、友達と行った旅なんて今よりも余計に青春だったろうね。

伯父は最近終活をしてるのか何なのか知らないけれど、これまで集めてきた大量のジャズのCDを僕に生前贈与したいそうなのだ。
だから、今度会って渡したいとのこと。
そんな電話が米子の東横インにいる時にかかってきたって話。
米子の思い出。
ただ、それだけの話です。
東横インには、そういう時代を繋ぐ不思議な縁があるんです。
時代を越えて、つなぐ縁──東横イン
どうですかね、これ。
CM。
どうですか。
東横インの広報の方、ご興味あればご連絡ください。

時代を越えて、つなぐ縁──東横イン

東横インを出て、夜の米子へ繰り出す。
夜の米子、って言葉のイメージそのまま、ちょっと客引きっぽい人たちもいて、僕は陰キャコミュ障だから、こういうの苦手なんだよね。
だからメインストリートから離れて歩く。

メインの通りから外れて暗い道を歩くのが、僕の人生らしくて良い

夕飯はまぁ何でも良いんだけど、僕はあまりこだわりがないので、でも一応米子の名物を調べてみると
・鯖しゃぶ
・牛骨ラーメン
ってのが出てきて、鯖しゃぶって何それ美味しそう!って思った。
鯖しゃぶ食べたいなぁ。
でも、ひとりだとハードル高そうだな。
実際、調べてみると2人前からの注文の店もあった。
ホテルの近くに1人前から注文可能で、かつカウンター席もあって、口コミ評価も高いところを見つけたので、そこに一応行ってみる。
店の前まで来たんだけど、すげえ地元感満載の店。
一見さんお断り、とかじゃないかな?
めっちゃ盛り上がってる声が中から聞こえるんだよね。
カウンターで「大将」とか「女将さん」と会話できないとダメな感じ?
常連の輪に入らないと店の空気壊す?
無理なんすよ、僕。
陰キャコミュ障なんで。
夜の街の客引きが怖くて暗い道歩いてきたんでね。
でも、鯖しゃぶ食べたいなぁ。
店の前を行ったり来たり、二往復ぐらいして、覚悟を決めた。
行く!俺は行くぞ!
旅の恥は掻き捨てって言うじゃないか。

勇気を出し、引き戸をガラガラと開けた。
「女将さん」かどうか知らないけど、女性店員が戸惑った表情。
あ、これダメなやつだなとすぐ悟った。
もうラストオーダー終わっちゃったらしい。
はは、そうすか、残念、へへ、じゃあまた、って感じで、すぐ引き戸を閉めた。
さよなら、鯖しゃぶ。
でも、どこかホッとしている自分もいる。
挑戦したけどダメだったんだから、これはしょうがない。
セーフ!(何がだよ)
鯖しゃぶは食べられなかったけど、これは許してもらえるやつですよね。

地元の小さな居酒屋が金曜21時で終わりとはね。
予想外だったな。
閉まるの早いんだよ地方は。
まさか、夕飯難民になるとは。
米子の街を彷徨い歩く。

夕飯難民になっちゃったっていうのに、僕と来たら地面の影で一人で「かまいたちの夜」ごっこをやって遊んでるんだから、もう救いようがないよ

一軒のラーメン屋を見つけた。
そうだ、俺にはまだある、牛骨ラーメンが。
豚骨ラーメンじゃなくて牛骨ラーメンだって。
食べたことない。
行ってみよう。

ありがてぇ、「営業中」の看板

濃厚な牛骨の出汁と香り。
いやこれ美味しいじゃないですか。
なんか、一地方の名物で収まってるのはなんでなんだ。
普通に豚骨と同じぐらい市民権得ても良くない?
流行らせようぜ、牛骨。

牛骨ラーメンおいしい

夕飯難民になりかけていた僕を救ってくださった「ごっつおラーメン」さん、ありがとうございました。

さて、この後のことなんですが、そもそも米子に来たのは鳥取県のスタバに行くため。
米子にスタバがあったので、ここに宿泊することにしたわけですが、肝心のスタバ店舗は米子駅には無いんですよ。
米子駅からかなり離れたところにあります。
米子の中心繁華街の角盤町ってところにあるそうなんです。
東横イン米子からは歩いて30分ぐらいかかりそう。
遠いな……しかし、米子のスタバに来ると決めてから、それは覚悟の上。
本当は明日の午前中でも、と考えていたんですが、明日は雨みたいなんでね。
それなら今日のうちに行っちゃおうか、と。
というのも、米子のスタバ、具体的にはスターバックス米子 TSUTAYA角盤町店なんですが、なんと23時まで営業してるそうなんですよ。
これはスタバの女神(セイレーン)に「行け」と言われている気がしてならない。
行こう、スタバに。
夜の闇を乗り越えて。

女神「行け」

ラーメン屋を出て、スタバに向かって出発です。
時刻は21時過ぎ。
30分なら22時前にスタバに着けるさ。
鳥取の夜は長い。
僕はスタバに向けて歩き始めた。

スタバを目指して深夜の徘徊が始まる

米子の街は元気だ。
地方都市、しかも人口がもっとも少ない県・鳥取県の鳥取市に次ぐ第2の都市であるにもかかわらず、元気な感じがする。
金曜の夜ということもあるけれど、比較的若い人たちが飲み歩いてる感じが見受けられる。
しかもみんな仲良さそうで楽しそうだ。
陰キャぼっちの僕には少々刺さるよ。
でも、良いですね、希望って感じ。
珍走団も米子駅前のメインストリートを行ったり来たりしてるんですよ。
なんか、かわいいよね。
かわいい。

途中、山陰歴史館っていう赤レンガ建築がライトアップされていて、めっちゃ良かった。
僕、赤レンガ建築がすごく好きなので、偶然こんな建物に出会えて、すごく嬉しかったです。
ありがとう、米子。

どっしりと構えていて歴史の重みを感じる

さらに闇夜を歩き続けると、高島屋が見えてきた。
すごいな、米子。
高島屋があるんだ。
これは紛うことなき都会。
さすがは山陰の商都・米子。

高島屋があるんだから大都会

ここからGoogleマップの示すとおりに歩いていくと、いよいよ角盤町のメイン繁華街のようなところに入ってくる。
しかし、ちょっとここは無理だな。
怖い。
僕の苦手な夜の街です。

この先はちょっと怖くて無理だった。人間怖い。車通りの多い隣の道から行く

僕が行きたいのはTSUTAYAであってスタバなんです。
なので、Googleマップの示す角盤町の繁華街を外れて、車の走る大通りのほうを歩いていきました。

おや、あれは……

暗い夜道に、ようやく見えてきたスタバのネオン。
TSUTAYAの文字も見えてきました。
スターバックス米子 TSUTAYA角盤町店。
すごいな、本当にあるんだ。
ちゃんと営業してる。
ちょっと疑ってた、ごめん。
すごい。
こんな夜遅くまで……ありがとうございます。

実在していた!

スタバに入店。
こんな時間なのに、人がたくさんいる。
そして、米子のスタバもご多分に漏れず、ちゃんと自習してる人がいるのだ。(ちゃんとって何だよ)
スタバと自習はセットみたいなものですからね。
自習がなければスタバじゃない。
ここは間違いなくスタバ。
蜃気楼ではなかった。
良かった。

30分歩き続けたんだから、深夜だけどフラペチーノ飲んでも良いよね?
歩いて疲れてカロリー消費した分を、プラマイゼロに!
ということで、ピーチのフラペチーノを購入。
僕の大好きな旅先の夜のスタバ。
最高の夜になりました。
ありがとう、米子。
ありがとう、スタバ。
ピーチのフラペチーノ、おいしいです。

いいよね

ここのスタバは若者で溢れている。
米子の若者たちよ、大志を抱け。
世界に羽ばたくんだ、君たちは!
未来は明るい。
ここには日本経済の担い手たちが、ちゃんといる。
未来に希望を持てる夜となりました。

さて、この後、帰るのダルいな。
怠すぎる。
タクシー使っても良いですかね?
Uberのアプリを起動すると、ここスタバから東横イン米子まで1200円ぐらいするそうだ。
ここまで頑張ったんだから、帰りぐらい楽しても良いでしょう。
自分で自分を労ってあげて!
あなたはよくやったよ。
タクシー使ったって、誰も責めやしない。
もっと自分を褒めてあげて!認めてあげて!

それはわかってる。
わかっちゃいるんです。
でもなぁ……
歩けば無料。
無料は正義なんですよ。
わかってる。
深夜料金や迎車料金を含めたって、1500〜2000円ぐらい。
大人なんだからさ、それぐらい払おうぜ。
わかってる。
その1500円で時間と体力を買うんだよ。
単なる移動手段じゃない。
大人はそういうところで、辻褄を合わせて生きていくんだ。

すべてわかっちゃいるが、僕には、どうしてもUberのこの先の画面に進めない。
僕は心の底から資本主義の魔物に支配されているんです。
徒歩は無料。無料は正義。
僕にはタクシーを使って浮いた時間や体力で、新たな「何か」を生み出す能力はないのです。
イノベーターとは違う、ただの市民なんです。
なら、底辺の僕は、歩くしかないじゃないですか!
僕には才能はないんです。
ただ、がむしゃらに、回し車の中を走り続けるハムスターみたいに、歩き続けるしかないんです。
気づけば僕はUberのアプリを閉じ、米子の街を逆方向に歩いて帰るのでした。

気づいたら米子の夜道

帰りも30分ぐらいかかりました。
Googleマップの経路検索だと25分ぐらいなんですが、Googleマップは合理的な奴ですから、あいつ最短ルートの細くて怖い道を歩かせようとするんですよね。
こっちは人間なんだからさ、恐怖の感情があるんだよ。
あいつ、そういうとこ、わかっちゃいないよな。
だから、たまにGoogleマップに逆らったりして、あとけっこう信号も多くてですね、結局30分ぐらいかかりました。

誰もいない商店街、アーケードの天井に張り巡らされたディスプレイ(?)の奥から、日の丸が猛スピードで迫ってくる映像が延々と流れていたけれど、これ何?

やったぜ、無料で帰ってこられた!
良い夢が見られそうだ。
幸せ。

帰宅

東横インの1階の自販機で水を買います。
喉も渇いたので、炭酸水も買いました。
意識高いね。
東横インのオリジナル炭酸水が売ってたんで、興味をそそりましてね。
美味しい。
炭酸が喉にしみる、そして心にもしみる。

オシャレ炭酸水

寝る支度を整えて、最上階14階の部屋から、米子の夜景を眺める。
今日は米子の地べたを這いずり回ったけれど、今は米子駅前のタワマン最上階から米子の夜景を見下ろして眠りにつく。
俺は米子の支配者。

タワマン最上階(東横イン14階のこと)から見た100万ドルの米子の夜景

米子の夜の楽しい冒険の1日目でした。
1泊1.3日の旅の一日目0.3日分の記録。(長すぎだろ)

明日も頑張ろう。

つづく。

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