春の桜仙峡
春はあけぼの。春日和
暇は暇暇暇日和。
何かをするには良い頃で
何もするにもかったるい。
罪があろうとなかろうと
春はぐるぐるやってくる
「メリーゴーランドみたいだな。狂い咲きってか?」
何が咲いているやら。
新しいことをやるには良い季節、と言うには、
皐月は眠い。
夏は熱すぎ秋は年々短くなって冬は寒すぎサムスンギ。
「サム・スンギ」って役者さん居そうだよな。
いっぱい居るどころではなかった。めちゃ居るじゃん。
「サ・ムスンギ」ならどうだ?居ないんか。
「後は電話になるしなぁ」あーねっむ。
「あけぼのと とか言いながら ねむねむで 眠いばっかり この春日和」
「タケェ!おま!見合いはドウしたんじゃい!」
「おいおいじっちゃん。俺は見合いを断られて見合いトラウマなんだぜ?」「タワケェ!!見合いなんて断られるのが常ジャイ!」
「ナンジャよモー・・。」
「とりあえず、お主が行かぬなら来させてみせようホトトギス。」
「ホットドッグは止めてくれよ。」
「タワケエ!!」
寝ていたら、見合い当日になった。
俺もよく知らない。えー、向こうも多分よく知らん。であって欲しい。
「ひとかてんにょか ぐうたらの もとにくるには おかしいぞ あまりにきれいが すぎすぎるぅぅ」
イヤガチ綺麗なんですけど。
「よく言われます」
「そりゃそうでしょう」
「言われるのにも飽きました。」
「いや、うーんそうですね。持つものの ノブレスオブリ ほめほめの あらしにふける 女の子」
「女の子って年ですか?」
「いや、知らんっす。いや、知らんっす。」
「見なかったんですか?お名簿。」
「じっちゃを信頼してるんで。俺が出来ることと言えばぐーたらするぐらいっすかね。」
「そうですか。えーと、ご趣味は?」
「昼寝っすね。」
「なら、そうですね。お仕事は?」
「地仙っすね。」
「えーと、得意なことは?」
「寝ることっすね。見栄張るにはちょいとね。」
昼寝を過ごすにしては短く、人として過ごすには長い。
「質問をしてくださいませんか?」
「あーはい。はいとね。」
「えーと。本日はお日柄もよくえー今日はどちらで、じゃなかった」
「えーと、本日はどうしてこちらに」
「お見合いです。」
「そうでした。えーと、えー、ご趣味は?」
「そうですね。自分磨きです。」
「そうですか。いや、そうだな。目的は?」
「仙女になることです。」
「不可能だ。というには分からんね。」
「そちらが素の喋り方ですか?」
「ああ。まえね。ちょい覚醒しまった。」
「目が醒めただけですよね。」
「まあそうだ。だから寝ていたいのにな。」
「桜美人になりたいんです。」
「オービジン?ああ。勘違いしてるようだが、桜ってのは散るもんだ。」
「佇まいの事です。」
「んん、まあ知らんが、俺はもう眠い。この状態の俺と喋っていても傷つくだろう。部屋を用意させる。じっちゃに。寝ていけばいい。疲れただろう。知らんけどな。」
「ご破産ですか?オーケーですか?」
「分からん知らん。」
「おい、じっちゃ。なんだあの美人は。」
「あれじゃ。天女候補。」
「ハァ!?あ〜なるほ。なるほどねぇ。なんで俺のとこに?」
「さぁ、景色がいいからのう。此処。」
「仕組んだな?一般人ばっかりだったじゃねえか。」
「なんのことかの〜〜。」
「はぁー納得はいった。羽衣は?」
「知らんなぁどっちで来たんじゃろうねえ。」
「既にアレ天女だろ。」
「知らんのー。わしは知らんのー。」
「はぁ。まあいいか。目の保養には良い。飽きたら帰るだろう」
「私もうすぐ死ぬんです」
「ああ。なるほど。」
「驚かないんですか?」
「まあ、ソメイヨシノか。」
「そんなところです。いつ頃から?」
「綺麗すぎた。何かしらそういう類の類推はした。頭が起きてから。」
「人類の損失だと思いませんか?」
「人類はどうでもいいが、居なくなると少し寂しくなるな。」
「桜は散るものですか?」
「俺の流儀ではな。」
「もう少し生きたいです。」
「なら生きればいい。」
「私は死ぬんです。」
「今を生きる事と永遠を生きることの何が違う。」
「瞬間は終わります。」
「その瞬間を記憶しているのは?記録しているのは?」
「私です。」
「世界に記録させろ。」
「私が、生きたいんです。」
「ふむ。意思は固いか。」
「最初に気がついてくださいよ。」
「これは失敬。天女ともあろうものがね。」
「地仙ともあろうお方が、ですよ。」
「おい爺、嫁を取る。天女だが、仕方あるまい。天の損失だが。」
「流石我が息子。ケホケホとな。我もやっと嫁探しを止められる。全く。」
「ふう。まあ、仕方あるまいて。俺の何処が良いのやら。」
「地仙を生きるということは、天を生きぬということよ。」
「迷惑な話だ。天にも、人にもな。」
「たまには良い。我が息子ならば、我も良い。」
