ADHDと借金・依存症の因果
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ADHDという言葉が、医学的にきちんと定義されているとはまったく思いませんので、ここでは「ADHD的」という意味でとらえてください。
衝動的に何かを決めて行動して、後悔しかしない、という日々を送る人は多いと思います。
脳科学的にその因果関係を解説します。
ADHDのドーパミン不安定が時間をぶった切る

ADHDの人は時間に対する感覚が不安定です。
時間の感覚にはドーパミンが多く関わってきます。
退屈な時間は長いけど、楽しい時間はあっという間、誰でも感じたことはあるでしょう。
ADHDとは「過去・未来を超短期でしか認識できない」状態です。
ひどい人は前後3日くらいしか覚えていない・想像できないこともあります。
ここでいう「覚えている」「想像できる」とは、「リアルに感じられる」ということです。
覚えられない = 記憶喪失? という話ではありません。
過去の体験は情報と感覚に分かれます。
何年何月何日、あそこでこういう事あって、こう思った。これは情報。
その時の五感や感情を脳内再生できる。これが感覚です。
何かを体験することと、その感覚を思い出すことは、脳科学的に区別できません。
ドーパミンという五感や感情を伝えるホルモンが脳の同じ部分を同じように流れます。
とはいえ、悲しくて泣いている瞬間と、ふとした事でそれを思い出す瞬間では感情の濃さが違いますね。見た物の記憶が幻覚になるわけでもありません。
そこにある違いは単にドーパミンが流れる量だけのようです。
以上のような意味で、ADHDの人はきわめてショートスパンの過去や未来しか記憶できない・想像できない状態になっているのです。
健常者の人には想像が難しいと思いますが、「今」しか頭にないというのはこういうことです。
なので、衝動的な言動が多い割には危機管理能力に乏しかったり、よく時間に遅刻したりします。
ADHDの衝動性と学習不能

今月の家賃が払えないと分かっても、その瞬間死ぬわけではないので、そのような人は状況をきちんと認識し、必死で対処しようという気になりません。
それよりも今これがしたい。これが欲しい。を優先してしまいます。
過去の過ちも未来の不安も頭の中に(感覚として)存在しないのです。
なので、衝動的に動くわりに、予測できるような危機に対して土壇場まで行動せず、手遅れ、ということがよく起こります。
多額の借金を抱えて途方に暮れる人の脳内はこのパターンです。
稼ぎのほとんどを返済に持ってかれても、過去の自分の衝動買いを記憶できず、いま財布の中に金がないことにだけ悲しみを募らせるのです。
そして未来は過去の記憶を組み合わせ加工して想像するものです。
頭の中に過去(の感覚記憶)がない以上、返済期日という未来を不安に思いその場の欲望を抑える、ということができません。
この先の人生どうなるんだろ?という抽象的な想像ならなおさらです。
「欲望を抑える」という言葉は「強い心で我慢する」イメージがあるのでADHDで痛い目を見てきた人は、自分は意志の弱い人間だという自己否定パターンがありますが、実はそれちょっと違います。
先のことを考えて今この瞬間の欲望を抑えられる人は、単に「これをやってしまう方が怖い」と思えているだけなのです。
頭の中にある時間の前後スパンがある程度長いので、過去から想像するということができます。
この働きにより、同じ回路にドーパミンが何度も流れ、結果として流れやすくなります。
これが「学習」というものです。
専門用語では「脳の報酬系」とか言ったりします。
モチベーションの維持だったり、仕事を覚えたり、現実的な計画を立てるといった、さまざまなことに必要な脳機能です。
依存症におちいるADHD

このところホストクラブの問題がよく取り沙汰されます。
恋愛やセックスというのは男女問わず簡単に依存症の入口になります。
ドーパミンの流れが不安定な原因は、そもそもの量が少ないことが原因です。
衝動的に動いている時のあの得がたいような興奮というのは、少ないドーパミンを補おうとして脳が必死に「盛って」いる状態です。
盛る対象は、異性、お金や物、食べ物やお酒といった原始的な快楽がほとんどです。
ドーパミンが不足している状態は脳にとって最もつらい状態だと考えてください。
過剰な妄想はそのような状態のときに起こりがちです。
楽しい妄想ができなければ悲しい妄想で、脳は無理やりドーパミンを盛りにきます。
ですが、足りない分を完全に自前で補える脳など存在しません。
なので、すぐにスイッチが切れて衝動的状態は終わります。
しかもその時盛り上がった気持ちをすぐに忘れます。
これが「恋人にフラれて死ぬほど落ち込んだけど来週には別の人と付き合ってる」タイプです。
本来その人にしかない個性を愛していたはずなのに、実はその気持ちは自分で盛っていた、というパターンです。
これを繰りかえすうちに、脳は悪い意味で「学習」していきます。
恋愛やセックス感じたで感じた強い幸福感だけを覚え、誰が好きというよりその感覚をひたすら追い求める行動に出るのです。
また、もともとドーパミンの量が少ないので、色々なものに興味を持つことが難しい状態です。
恋愛の他にも仕事や趣味に充実感を覚えたり、友人と遊んで楽しむこと、つまり「幸福の分散」ができないのです。
こうして依存対象が幸せのすべてとなり、過剰な興奮と極端なうつ状態を行ったり来たりして、双極性ナントカという病名をつけられたりもします。
これが依存症のメカニズムです。
恋愛の話を例にしましたが、金銭の消費やギャンブル、過食にアル中、基本はみな同じです。
とはいえ…
以上は自身の経験を踏まえながらの自分なりの解釈ですが、解説だけして「なるほどそうだったのか」と思われても、あまり意味がないのでそのうち治療法についても触れようと思います。
それが僕のマガジンの本来の主旨です。
発達障害/精神疾患系の治療法は、病名にかかわらず同一のセオリーを持っています。
依存症・依存体質というのは心の問題ととらえられがちですが、実際このような状態は、内科的治療の可能なものも含む複数の要因から陥ります。
マガジン「健常者になろう!」の全体をざっくり読んで実行してもらえれば、大抵何とかなると思っているのですが、本当に現状に焦りを感じている人は、まず下記の記事を読んで試してください。
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