【相続コラム359:相続手続きの現場編(第25話①)】相続人の一人が亡くなっている場合、手続きは一段複雑になる(前編)
相続手続きでは、戸籍を確認して初めて分かることがあります。
相続人となるはずだった方の一人が、すでに亡くなっているケースです。
ご家族としては、「亡くなっているなら、その人は関係ないのでは」と感じるかもしれません。
しかし実務では、相続人の一人が亡くなっている場合、手続きは一段複雑になることがあります。
今回は前編として、なぜ相続人の死亡によって手続きが複雑になるのか、基本構図を整理します。
■まず確認すべきは「いつ亡くなったのか」
相続人の一人が亡くなっている場合、最初に確認すべきなのは、その方がいつ亡くなったのかです。
被相続人より前に亡くなっていたのか。
それとも、被相続人が亡くなった後に亡くなったのか。
この時期によって、考え方が変わることがあります。
例えば、被相続人の子が先に亡くなっている場合、その子の子、つまり孫が代わりに相続人となることがあります。
一方で、被相続人が亡くなった時点では相続人だった方が、その後に亡くなった場合には、その方の相続人が関係してくることがあります。
ここを整理しないまま進めると、誰に説明し、誰から署名押印をもらう必要があるのか分からなくなります。
■「亡くなっているから不要」とは限らない
相続の現場では、
「兄はもう亡くなっています」
「母はすでに亡くなっているので、今回は関係ありません」
とお聞きすることがあります。
しかし、相続手続きでは、その方が亡くなっているという事実だけで判断することはできません。
大切なのは、亡くなった順番と、その方に相続人がいるかどうかです。
亡くなった方に配偶者や子がいる場合、その方々が関係してくることがあります。
つまり、「本人が亡くなっていること」と「手続きから外してよいこと」は別問題です。
ここを誤ると、遺産分割協議書を作り直したり、追加で相続人に連絡を取ったりする必要が出る場合があります。
■相続人が増えると、調整も増える
相続人の一人が亡くなっている場合、戸籍調査の範囲が広がることがあります。
亡くなった相続人についても、出生から死亡までの戸籍や、その方の相続人を確認する戸籍が必要になる場合があるためです。
その結果、当初想定していた相続人よりも、実際に協議に関わる方が増えることがあります。
人数が増えれば、説明、意思確認、署名押印、印鑑証明書の準備など、調整も増えます。
相続手続きでは、法律上の相続人を確認することと、その全員に協力してもらうことの両方が必要です。
■前編まとめ
相続人の一人が亡くなっている場合、まず確認すべきなのは、亡くなった順番です。
被相続人より前に亡くなったのか、後に亡くなったのかによって、関係する相続人が変わることがあります。
「亡くなっているから関係ない」とは限りません。
誰が手続きに関係するのかを正確に確認することが、相続手続きを進める入口になります。
次回の中編では、現場で起こりやすいつまずきを整理します。
■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること
・戸籍収集など相続手続きの初動支援
・相続人が亡くなっている場合の戸籍確認
・代襲相続、数次相続を踏まえた相続人調査
・相続関係説明図の作成
・遺産分割協議書作成支援
・相続人間の説明、段取り整理支援
・必要に応じた司法書士、税理士、弁護士等との連携
