あの人どうしているだろうか?
ある6月から7月にさしかかる頃、
家族で温泉地に旅行に行きました。
道すがら、妻と息子と3人で足湯に入りました。
入浴中、ある男性から話しかけられました。
作業帽をかぶった、60代くらいの地元の男性でした。
「どこから来たの?」
「~からです。」
すると彼は言いました。
「さて問題です。」
彼は、その土地の問題を何個も出してきました。
海辺の足湯。
炎天下。
少し不思議な時間が流れました。
弱ったな。
そろそろ行きたいな。
私は妻とアイコンタクトを取り、
彼にそろそろ行くことを伝えました。
すると彼は言いました。
「そうか、これあげる。」
そう言って、息子に
しわくちゃの茶封筒を渡しました。
「悪いですよ。」
「みんなにあげてるから。」
「ありがとうございます。」
お礼をしてその場を離れたあと、
封筒の中身を見てみました。
封筒の中は、
四つ葉のクローバーでした。
「あのおじさん。
優しい人だったね。」
息子は言いました。
あの人、どうしているだろうか?
