全国商工会議所 観光振興大会2026 in 北海道|鶴雅が語る、北海道観光のこれから
2026年6月2日から4日にかけて、北海道各地で「全国商工会議所 観光振興大会2026 in 北海道」が開催されました。
大会テーマは、「有機観光新産業 ~全ての事業活動×観光=新産業創造~」
観光を、宿泊や移動、食事だけで捉えるのではなく、地域にある産業、文化、自然、人の営みと結び直しながら、新しい価値を生み出していく。
そんな、これからの北海道観光を考える大切な機会となりました。
今回の大会は、旭川・釧路・札幌・登別の4都市で開催され、それぞれの地域が持つ特色をもとに、アクティビティ、モビリティ、コンテンツ、多様性といったテーマで分科会や講演が行われました。
北海道は広い土地です。
地域ごとに気候も、文化も、産業も、人の暮らしも違います。
だからこそ、ひとつの会場だけではなく、道内4都市で開催されたことにも意味があったのだと思います。
釧路会場では、大西雅之会長と高田健右さんが登壇
釧路会場のテーマは、「モビリティ×観光 ~地域DMOが取り組む観光DX~」
この釧路会場で、鶴雅ホールディングス株式会社から大西雅之会長と、経営企画グループディレクターの高田健右さんが登壇しました。
広い北海道では、移動そのものが旅の印象を大きく左右します。
行きたい場所へどう向かうのか。
地域の魅力をどうつないでいくのか。
旅人が安心して移動できる仕組みをどう整えていくのか。
観光とモビリティは、これからの北海道観光を考えるうえで、欠かせない視点なのだと思います。
高田健右さんは「ATの推進と地域活性化」をテーマに登壇
高田健右さんの講演テーマは、「ATの推進と地域活性化」

ATとは、アドベンチャートラベルのことです。
アドベンチャートラベルは、ただ特別な体験をする旅ではありません。
自然の中に身を置き、その土地の文化に触れ、地域の人と出会いながら、地域への理解を深めていく旅のあり方です。
北海道には、阿寒湖、釧路湿原、大雪山、知床、支笏湖、洞爺湖、大沼など、語り尽くせないほどの自然があります。
けれど、旅の魅力は雄大な景色だけではありません。
農林水産業やものづくり、地域に受け継がれてきた暮らしも、旅人にとっては大切な体験になります。
畑や牧場、森や湖、職人の手仕事、土地の食文化。
地域の日常にあるものが、旅人にとっては深く心に残る出会いになることもあります。
高田さんの登壇は、北海道の旅を“見る観光”から、“関わる観光”へと深めていく視点を共有する場になりました。
大西雅之会長は「観光の未来図」をテーマに記念講演
大西雅之会長は、記念講演に登壇しました。
講演テーマは「観光の未来図 ~日本と北海道の近未来観光~」

講演では、鶴雅グループの歩みや、北海道観光のこれからについて語られました。
鶴雅グループは、現在、北海道各地で宿泊施設や大型レストランなどを展開しています。その多くが、国立公園や特定公園の中にあります。
大規模な開発が難しい場所だからこそ、時間をかけて、少しずつ地域とともに成長していく。そこには、鶴雅が大切にしてきた宿づくり、地域づくりの考え方があります。
1955年の創業から、阿寒湖、オホーツク、道央、道南へ。
鶴雅の歩みは、北海道の土地ごとの魅力を見つめ、その地域らしい滞在を育ててきた歩みでもあります。
「郷土力」という、地域が持つ本物の力
大西会長の講演の中で大切な言葉として語られたのが、「郷土力」です。
郷土力とは、地域が持っている本物の力。
その土地に昔からある自然、文化、歴史、人の営み。
外から無理に作り上げるものではなく、地域の中にすでにある価値を見つめ直すことなのだと思います。
講演では、地域づくりも宿づくりも、みんなで作る“作品”であるという考え方も語られました。
作品と考えると、改修やメンテナンスは、ただのコストではなくなります。
より良いものに育てていくための投資になります。
この考え方は、観光にもそのまま重なります。
観光地は、一度作って終わりではありません。
地域の人が関わり、手を入れ、受け継ぎ、少しずつ磨いていくものです。
宿も、まちも、景色も、旅の記憶も。
地域全体で育てていく“作品”なのかもしれません。

観光は、これからの日本を支える産業へ
講演では、コロナ後の観光についても触れられました。
観光は、不安定な産業だと思われることもあります。
けれど、バブル崩壊、リーマンショック、コロナ禍といった大きな出来事があっても、観光はそのたびに立ち上がってきました。
そこには、観光産業が持つ強さがあります。
これからの日本にとって、観光はさらに大きな産業になっていく可能性があります。
世界から多くのお客様を迎える時代に、観光は地域だけではなく、日本全体の未来を支える産業になっていくのだと思います。
だからこそ、観光に関わる人たち自身が、もっと自信を持つことも大切なのかもしれません。
観光は、ただ人を運び、泊まっていただき、食事を提供するだけのものではありません。
他の産業を巻き込み、地域の価値を高め、新しい仕事や出会いを生み出していく力があります。
今回の大会テーマである「全ての事業活動×観光」という言葉とも、深くつながっているように感じます。
北海道は、食と文化をもっと磨いていける
大西会長の講演では、北海道の観光資源についても語られました。
北海道には、気候、自然、食、文化があります。
観光に必要な魅力が、すでに豊かにそろっている土地です。
その一方で、まだ磨いていけるものもあります。
そのひとつが、食と文化です。
北海道は「食材がおいしい」と言われることが多い土地です。
海の幸、山の幸、酪農、農産物。
素材の力は、とても大きいと思います。
でも、そこからさらに一歩進んで、「料理を味わうために北海道へ行きたい」
と思っていただけるような食の魅力を育てていくこと。
それは、これからの北海道観光にとって大切な視点なのだと思います。
そして文化。
北海道には、縄文文化、続縄文文化、擦文文化、オホーツク文化、アイヌ文化へとつながる、長い時間の積み重ねがあります。
自然だけではなく、文化の厚みもまた、北海道の大切な魅力です。
その土地の背景を知ることで、旅の景色は変わります。
ただ美しいだけではなく、そこに生きてきた人々の時間が見えてくるからです。
阿寒湖温泉とアイヌ文化、そして国際リゾートへ
大西会長の講演では、阿寒湖温泉でのまちづくりについても語られました。
阿寒湖温泉には、日本最大のアイヌコタンがあります。
鶴雅は、長い時間をかけてアイヌの方々とともに、まちづくりを進めてきました。
その中で受け取ってきたものは、観光資源という言葉だけでは語りきれません。
自然への畏れ。
万物に神が宿るという考え方。
人が自然を支配するのではなく、敬いながら共に生きるという姿勢。
それは、これからの観光にも必要な感覚なのだと思います。
阿寒湖温泉が目指してきたのは、アイヌ文化に彩られた国際リゾートです。
世界からお客様を迎えること。
そして、その土地にゆっくり滞在し、自然や文化、アクティビティを楽しんでいただくこと。
1泊で通り過ぎるだけではなく、2泊、3泊と滞在しながら、地域の魅力を深く味わっていただく。
そんな旅の形が、これからの北海道観光にはますます必要になっていくのではないでしょうか。
北海道アピールに込められた、これからの観光
大会では、これからの観光地域づくりに向けた「北海道アピール」も示されました。
そこでは、通年型・滞在型観光への取り組みによる「稼ぐ観光」への転換、デジタル化・DXの推進や二次交通の充実、地域資源のコンテンツ化による魅力創造、多様な主体が地域社会で共生する観光地域づくりが掲げられています。
北海道の旅を、年間を通じて楽しめるものにしていくこと。
必要な情報がわかりやすく届き、安心して移動できる環境を整えていくこと。
食や文化、歴史、自然を、旅人にとって価値ある体験へと変えていくこと。
そして、地域に暮らす人と訪れる人が、無理なく共にある観光地を育てていくこと。
それらは、大西会長が語った「郷土力」や、高田さんが語ったアドベンチャートラベルの視点とも重なります。
観光は、訪れる人だけのものではありません。
そこに暮らす人、働く人、文化を受け継ぐ人、地域を支える人。
さまざまな人が関わり合うことで、観光地は少しずつ育っていきます。

FAQ|全国商工会議所 観光振興大会2026 in 北海道について
Q. 全国商工会議所 観光振興大会2026 in 北海道はいつ開催されましたか?
2026年6月2日から4日にかけて開催されました。
Q. 開催地はどこですか?
旭川、釧路、札幌、登別の4都市で開催されました。
Q. 大会テーマは何ですか?
大会テーマは「有機観光新産業 ~全ての事業活動×観光=新産業創造~」です。
Q. 釧路会場のテーマは何ですか?
「モビリティ×観光 ~地域DMOが取り組む観光DX~」です。
Q. 鶴雅からは誰が登壇しましたか?
釧路会場で、鶴雅ホールディングス株式会社 代表取締役会長の大西雅之氏と、鶴雅ホールディングス株式会社 経営企画グループディレクターの高田健右氏が登壇しました。
Q. 高田健右さんの講演テーマは何ですか?
「ATの推進と地域活性化」です。
Q. 大西雅之会長の講演テーマは何ですか?
「観光の未来図 ~日本と北海道の近未来観光~」です。
Q. 大西会長の講演で語られた「郷土力」とは何ですか?
地域が持っている本物の力を表す言葉です。自然、文化、歴史、人の営みなど、その土地に根ざした価値を見つめ直し、地域づくりや宿づくりに生かしていく考え方です。
まとめ|北海道の観光を、これからの関係へ
全国商工会議所 観光振興大会2026 in 北海道は、北海道の観光を改めて見つめ直す大切な機会となりました。
高田健右さんの「ATの推進と地域活性化」
そして、大西雅之会長の「観光の未来図 ~日本と北海道の近未来観光~」
それぞれの登壇からは、北海道の自然、文化、産業、人の営みを、これからの観光へどうつなげていくのかを考える視点が伝わってきます。
観光は、訪れる人のためだけにあるものではありません。
地域で暮らす人、土地に根づく文化、守られてきた自然、続いてきた産業。
そのすべてがゆるやかにつながることで、旅の価値はより深まっていきます。
鶴雅グループもまた、北海道の自然と文化、そして地域の皆さまとともに、これからの観光のあり方を考え続けていきます。
北海道を訪れる旅が、ただの移動ではなく、心に残る出会いになりますように。
そして、その出会いが、地域の未来を少しずつ育てていくものになりますように。
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