「ONE PIECEって本当に終われるの?」から逆算して『地球風船収縮説』を思いついた
『ONE PIECE』は長年続く超長期連載です。
最終章に入った現在でも、「本当に全部の伏線を回収できるのか」「ちゃんと畳めるのか」といった声は少なくありません。
実際、新世界編以降はストーリーの規模が急激に拡大し、古代兵器、空白の100年、Dの一族、ジョイボーイ、ニカ、世界政府、イム様など、巨大な謎が次々と積み上がってきました。
私自身は熱心な考察勢ではありません。単行本を追いながらなんとなく読んでいる程度の、いわゆるライトな読者です。
ただ、ふと
「もし尾田先生が本当に全部を一つの物語として回収するつもりなら、どんな結末になるのだろう」
と考えてみました。
そして、作中の謎を一つひとつ解くのではなく、「物語として成立するために必要な条件」から逆算してみたところ、一つの奇妙な仮説にたどり着きました。
それが本稿で紹介する「地球風船収縮説」です。
もちろん当たっている保証はありません。
ただ、「ちゃんと終わる前提」で考えると、意外と辻褄が合うように見えたので、備忘録として残しておこうと思います。
まず、エンディングで解決しなければならないこと
私は考察をする際、まず「何が真実か」ではなく、「作者が何を回収しなければならないか」を考えました。
すると、少なくとも次の三つは避けて通れないように思えます。
1. 麦わらの一味の夢
ルフィが海賊王になるだけでは終われません。
ゾロ、ナミ、ウソップ、チョッパー、それぞれの夢がありますが、その中でも特に物理的な問題として大きいのがサンジの「オールブルー」です。
世界中の魚が集まる海。
これは単なる称号ではなく、地理的な変化が想定される夢です。
2. 海面上昇問題
ベガパンクによって、世界は海面上昇によって沈みつつあることが明かされました。
しかもグランドラインや四つの海に存在する島々は、かつて存在した大陸の高所である可能性まで示唆されています。
つまり現在の危機は、単に世界政府を倒せば解決する話ではありません。
世界そのものを救う必要があります。
3. 古代兵器の存在意義
ポーネグリフには世界の真実だけでなく、古代兵器に関する情報も記されています。
もし最終的に古代兵器を使わないのであれば、なぜそこまで重要な情報として語られてきたのか説明が難しくなります。
少なくとも私は、古代兵器が最終局面の課題解決に使われると考えています。
オールブルーの有力説を考えていて引っかかったこと
ここで有名な考察として、
「プルトンでレッドラインを破壊し、世界の海を一つにつなげる」
という説があります。
私はこの説がかなり好きです。
レッドラインが消えれば海がつながる。魚人島の予言とも噛み合う。サンジのオールブルーも実現できる。
非常に美しい構造です。
ただ、ひとつだけ気になることがありました。
それは海面上昇問題です。
巨大な大陸を破壊して海に崩落させた場合、本当に世界は救われるのでしょうか。
もちろんワンピース世界は現実世界ではありませんし、単純な物理法則を当てはめることはできません。
それでも、
「レッドライン破壊だけで海面上昇問題まで解決できるのだろうか」
という疑問が残りました。
そして、この疑問から発想が広がっていきました。
もし海面上昇の原因が「海」ではなく「地球側」にあったら?
ベガパンクは空白の100年に海面が約200m上昇したと語っています。
さらに、古代兵器ウラヌスが使用され、ルルシア王国が消滅した際には、世界規模での海面上昇が発生しました。
ここで気になったのは、
「なぜ巨大な穴が空いて海面が上昇するのか」
という点です。
普通に考えれば、海に穴が空けば水が流れ込み、逆に水位は下がりそうなものです。
もちろん作中では理由は説明されていません。
そこで私は少し突飛な発想をしてみました。
もし海面上昇の原因が海そのものではなく、星のサイズ変化だったらどうだろう、と。
地球風船収縮説
仮説です。
ワンピース世界の地球は、風船のような構造を持っている。
そして古代兵器によって星に大穴が開き、内部の何かが失われた結果、星そのものが収縮してしまった。穴を空けた風船から、空気が漏れてがしぼむように。
風船がしぼむと表面積が減ります。
もし海水量が変わらないまま器だけ小さくなれば、水位は上昇します。
つまり海面上昇の正体は、
「海が増えた」のではなく「世界がしぼんだ」
という現象だったのではないか。
そんな仮説です。
もちろん作中でそんな説明は一切ありません。
ただ、ルルシア消滅後の海面上昇を説明するアイデアとしては面白いのではないかと思いました。
そう考えると不自然な地形も別の見え方をする
この仮説を前提にすると、ワンピース世界の異様な地形も少し違って見えてきます。
レッドライン
レッドラインは星を固定するための巨大な補強構造。いわばタガやコルセットのような存在です。
だからこそ世界を一周するほど不自然な形をしている。これによって、世界がしぼむのを食い止めているのではないか。
グランドライン
空白の100年に生じた致命的な傷口を隠すための封印領域。半強制される順路やカームベルトは、その場所へ簡単に近づけないための防壁。
そしてラフテルは、その先に存在する真実への入口。空白の時代に空いてしまった大穴の入口。
もちろんこれはかなり飛躍した推測です。
ただ、なぜあれほど不自然な地理構造が存在するのかを説明しようとすると、一つの見方としては成立しているようにも思えます。
もしそうなら、大団円はこうなる
ここから先は私の想像です。
しかし、物語としては意外と綺麗にまとまります。
まずプルトンによってレッドラインを破壊する。
これによって世界の海はつながり、オールブルーが誕生する。そして星の収縮を固定するタガが外れる。
次にポセイドンであるしらほしと海王類が、ラフテルの先にある真実、大穴の中、星の内部へとルフィを導く。
そして最後にニカとなったルフィが、星の内部から世界そのものを元の姿へ戻す。あのギャグのような力で。
しぼんだ風船を膨らませるように。
「ゴムゴムの…風船っ!!!!」
その結果、海面は低下し、失われた大陸が再び姿を現す。
ロジャーはなぜ笑ったのか
この仮説を考えていて、最後にふと思いました。
もし世界最大の秘密が、
「星がしぼんでいた」
という話だったら。
そして、その解決策が、
「ゴム人間が内側から膨らませる」
という話だったら。
それは壮大で、バカバカしくて、そして妙に『ONE PIECE』らしい気もします。
海賊たちが命懸けで辿り着いた世界の果てに待っていた真実が、そんな途方もなく大掛かりな笑い話だったとしたら。
ロジャーが大笑いした理由としては、案外しっくり来るのかもしれません。
おわりに
繰り返しますが、私は考察勢ではありません。
この説を本気で正解だと思っているわけでもありません。
ただ、「ONE PIECEはちゃんと終われるのか?」という疑問から逆算していくと、
オールブルー、 海面上昇、 古代兵器、 レッドライン、 ニカ、ジョイボーイ、ラフテル(Laugh Tale)、
こうした要素を一つの解決策にまとめる必要があるように思えました。
その過程で生まれたのが、この「地球風船収縮説」です。
当たるかどうかはともかく、もし数年後に見返して「全然違ったな」と笑えたら、それはそれで楽しいのではないでしょうか。
