京都は映画館好きにもいい街だ【京都雑考】脱ドパガキ
わたしは映画が好きだ。
監督とかに詳しいタイプではなく、映画を見るのが好きというライト層である。そして、映画館で映画を見るのが好きです。
なぜ映画館が好きか
映画館は文化の発信拠点である。新しい映画が入ってくるということは、そのまま、新しい文化がその街に入ってくるということだ(ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で、台風の中新しいフィルムを待っていた、軍艦島の映画館「昭和館」館長役の片桐はいりさんを思い出す)。
映画館はたいていいろんなチラシを置いていて、地域のいろんな取り組みやお店を知ることもできるし、自分と同じ映画を見に来る人たちが同じ街に他にもいるという事実は、交流の有無にかかわらず、その街での居心地の良さを底上げするだろう。
ドーパミン中毒のわたしたち
そして、いくらストリーミングサービスが普及したからといって、映画館で映画を見るのと家で映画を見るのとでは、全く違う。
家で映画を見ると、わたしの退化した前頭前野はいつのまにかスマホとか見だしちゃうの。気づいたらTwitterやインスタを開いてたりしてびっくりする。「ドパガキ」(ドーパミン中毒のガキ)なんてすごい言葉も出てきている。
TikTokやYouTubeショートみたいな短い動画のことを、東京ポッド許可局でマキタスポーツが「あやされているように感じる」と言っていて、本当にそうだと思った。
大きな文字、わかりやすい内容、次々と新しい動画が流れてきて、「あやされている」。何も考えずに、与えられる刺激を受け取り続けているだけ。
そういう自分にまったくがっかりしてしまうので、わたしは映画館に行くのである。映画館は「電子機器の電源を切って、集中を強要する装置」なわけで、映画を映画館で見るか家で見るかでは体験として質が違う。画質も音響もいいしね。
それ以外の日常でもあまりスマホにのめりこまないようにしたいと思うのだけど、なかなか難しい。映画の途中でスマホを見る奴は読書の途中でもスマホを見ちゃうのである。前頭前野の訓練を当面の課題としよう。脱・ドパガキ。
マッド・デイモンが、Netflix制作の映画では、視聴者を引き付けるために開始直ぐにアクションを入れたいとか、同じことを数回繰り返し言わせたり行動をセリフで説明させるように言われたりするという話をしていたが、作り手も我々の前頭前野の退化を意識しているということだろう。
こう聞くと鬼滅の刃を思い出すし、今の大河も説明・解説台詞が多い(多すぎる)のもこういう流れなのだろう。
京都の映画館
さて、わたしの前頭前野の退化とそれを無効化してくれる映画館という装置についての前置きが長くなったが、京都は映画好きに暮らしよい街である。
太秦には長らく撮影所があり、100周年を迎える映画作りの街でもあるが、そもそも映画館が多い。以下順不同。
ムービックス京都(新京極商店街)
TOHOシネマズ二条(二条駅近くBiVi二条内)
T・ジョイ京都(京都駅八条口側イオンモール京都内)
出町座(出町増形商店街)
京都シネマ(四条烏丸のCOCON烏丸内)
アップリンク京都(烏丸姉小路の新風館地下)
ミニシアターとシネコン半々ずつでバランスよく、せいぜい半径4~5キロ圏内に6つの映画館がある。あとは立地的にはやや離れるが桂川イオンにあるイオンシネマ京都桂川も京都市内である。
これだけの映画館があるのは5大都市以外にはそうそうないだろう。
むしろ今は8割の市町村に映画館がない時代である。シネコンが日本に生まれた約30年前から、興行館や成人映画館は街から消え、スクリーン数は増えるものの一極集中の一途を辿っている。
これだけあれば、私が見たくて京都で見れない映画というのはほとんどない。上映期間が短くて、気づいた時にはもう大阪か神戸でしかやってないみたいなことは年1くらいであるけど。
「映画館で映画を見る」ことを趣味にする。
わたしの習慣として、最近は週に1本は映画館で観れるとよいなあと思っている。
見たい映画の都合の良い時間を、それぞれの映画館で上映スケジュールが出たときに2~3週間分チェックしておいて、カレンダーアプリに登録している。
「映画館で映画を見る」のを趣味にするのは、うまくすれば「コスパ」がいい趣味だと思う。あんまり好きな言葉じゃないけど。
うまくすればというのは、ただし書きが入るということだ。
それはシネコンの料金は上りに上がっているから。
一般料金について調べたら目が飛び出るかと思った。
イオンシネマは1800円、TOHOは2000円、ムービックスは2100円、Tジョイは2200円!!!高い!
それでも、映画館にはたいてい毎月1日は安いし、曜日割りや会員サービスがあるので、それを使えばもうすこし趣味として運用しやすい価格になる。10月1日は映画の日で1本1000円!!
例えば、ムービックスだったら、水曜日は1400円、
SMTメンバー(入会無料!)なら次回割引きで1500円だし、6回見れば1回無料、誕生日に1200円クーポンもくれる。
ミニシアター系だと会員登録するとかなりお得。
出町座(一般1800円)は年会費3000円で入会すると1本1000円になるし、一枚未来券(いつでも使えるチケット)ももらえる。6本見てスタンプをためれば1枚また未来券をもらえる。来年は10000円の賛助会員になってもよいなと思っている。
ほかにもアップリンク京都(一般2000円)なら年会費1500円を払えば、平日1100円、土日祝日は1300円。ドリンクも100円割引。
京都シネマ(一般2000円)は会員募集期間が年度初めに限られているので(もうすぐ!)、たいてい機を逸しているが、水曜日は1300円なのでありがたい。出町座との提携会員割引もあるらしいがまだ試したことはない。
文字ばかりになってしまったので、以下、適当に一覧を作ってみた。

大勢の人が集まって大金をかけて創り上げた「映画」を、1000円から1500円で見ることができる。違う世界の違う人の違う人生。こんなに気軽に、良質な娯楽を2時間も楽しめるって、結構お得である。
映画館がなくならないように
ただ、安く映画を見せていただいている分、わたしのこだわりとしてコンセッション(売店)でドリンクやポップコーンを買うようにしてる。
映画館の収入としては、大きい順に、チケットの売り上げ、コンセッションの売り上げ、そしてパンフレットやグッズの売り上げである。
チケットの売り上げは配給会社と折半している。50:50ではないし、割合は配給会社や邦画・洋画で違うらしいだけど。
その点、コンセッションの売り上げは、原価を抑えられるし、売り上げは全部劇場のものとなる。シネコンは特に、シアター数も多く人件費を含め運営費にお金がかかるので、コンセッションの売り上げは大事である。
売店利用は客が映画館に貢献できる効率の良い方法なのだ。
広くみんなもそうするべきだと思っているのではなく、自分の信条として、である。
一人にできることは少なくても、やらないよりやった方がよいことはたくさんある。そういうことをたくさん実行していく人生にしたい。
わたしの好きなもの
映画『女性の休日』
アイスランドで実際に起こった、女性が一日仕事をしない、1975年の「女性の休日(Woman's Day Off)」の回顧録。
女性が仕事でも家庭でもストライキを起こせば、社会を止めることができる、そう信じて実行した女性たちの言葉は力強く、たくましく、憧れる。アイスランドの自然、効果的なアニメーション、そしてこれが現実の話であることに勇気づけられ涙が出て、今の日本が悲しくなって涙も出た。
3月8日(日)国際女性デーに、出町座で鑑賞した。ほぼ満席で、エンドロールの後、拍手が起こった。本当にいい時間だった。
出町座では19日まで。もう終わっちゃう!
