政治講座ⅴ2273「ロシア兵士として参戦する中国の傭兵は民兵か。ロシアの民間軍事会社」
「民主義国は戦争をしない」と言った政治学者がいた。それは、嘘であることが分る。「自国民を兵士とすること」を民主主義国では起こらないことを根拠にしているのであろうが、金で兵士を雇う傭兵を使えば、国民の無関心から平気で戦争に突入できるのである。ロシアは選挙でえらばれる民主主義国であるが、ウクライナを侵略しているのである。
これらの要素も考慮に入れると、3つの事が推測される。
一つ目はロシアの国内政治事情(反対者の弾圧)の推測、二つ目は中国の経済破綻事情、三つ目はロシアの経済困窮事情が想像つくのである。
あくまで推測であるが、ロシアのプーチン政権は国民からの支持が低下していて、国民自身がウクライナ侵攻に正当性を感じていないか、この戦争に忌避する国民が多数存在するために、兵士が集まらないのであろう。つまり、良い面としての民主主義の現れ・または民主主義が一部機能しているためだと思うのであるが、プーチン氏が理解しているかどの段階で戦争を止めるかであろう。ロシアのウクライナ侵攻は間違いであるとロシア人も思っているのであろう。それが、傭兵が示す現象である。このような事でロシアは国民に戦いを強いることなく、傭兵(民間軍事会社)に戦わせている。
今回はそのような報道記事を紹介する。
皇紀2685年4月17日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
報道記事紹介
「SNSで勧誘、ロシア軍に」 ウクライナで拘束の中国人捕虜が主張
朝日新聞社 によるストーリー

ウクライナ政府は14日、キーウ市内でウクライナに侵攻するロシア軍に加わって捕虜となった中国人兵士2人による記者会見を開いた。2人は、意思に反して前線での戦闘に送られたと主張した。
記者会見に臨んだのは、中国江西省出身の26歳と河南省出身の34歳の兵士。ともに今月上旬、ウクライナ東部ドネツク州の前線でウクライナ軍に捕らえられた。
中国では、特に動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」などのSNSで盛んにロシア軍への参加を勧誘する動画が流れていると説明。34歳の兵士は「失業した時に、勧誘の動画を見た」と述べた。入隊の際、任務は負傷兵の手当てのはずだったという。戦闘任務を望んでいなかったが、強制されたとした。
26歳の兵士は、「少しカネを稼ぐため」に入隊。戦闘任務ではないはずだったが、いつの間にか変わっていた。「いったん(ロシア軍に)入ってしまえば、どうすることもできない」と語った。
入隊について2人は中国政府は関係なく、個人の判断だったと強調。中国へ帰りたいと繰り返した。
ウクライナ政府は、少なくとも155人の中国人がロシア軍に加わっているとみている。(ブリュッセル=杉山正)
中国人にウクライナ戦争に参戦した中国人捕虜から呼び掛け「ひどい人種差別」「来るな。来ても良いことは何もない」

ウクライナ戦争にロシア軍の雇い兵として戦闘に参加した中国人たちは人種差別を受けたことなど、厳しい仕打ちへの不満を訴えた。ウクライナの複数のメディアが報じた。ウクライナ軍は先日ロシア軍として戦闘に参加していた中国人戦闘員2人を拘束した。
中国人にウクライナ戦争に参戦した中国人捕虜から呼び掛け「ひどい人種差別」「来るな。来ても良いことは何もない」
ウクライナ・メディアのキーウ・インディペンデントは11日「ロシアのために戦闘に参加した中国人たちは残酷な行為、人種差別、賃金未払いなどへの不満を訴えた」「彼らはロシアによる宣伝を信じないよう警告している」と伝えた。
中国人兵士らはクルスクに送り込まれた北朝鮮軍と同じく「弾よけ」として消耗品のように扱われているようだ。
キーウ・インディペンデントは「他の外国人雇い兵たちと同じく、中国人戦闘員たちも危険な攻撃部隊の最前線に立たされている」「ロシアはスラブ人の正規部隊を最前線に送りたくないので、生存の可能性が低い最前線での戦闘に参加する雇い兵を雇うため金を使っている」との見方を示した。
さらに多くの中国人新兵が雇い兵企業ワグネル・グループの「ストームZ」と呼ばれる部隊に配置され、最初の任務から犠牲になるケースもあるという。ストームZは当初刑務所の服役囚で編成された部隊だ。ロシア人の反発を抑える政治的目的で立ち上げられ、危険な任務にばかり投入されている。
中国人捕虜の一人は中国メディアのインタビューに「来るな。来ても良いことは何もない」と中国人たちに呼びかけた。この捕虜は昨年12月に中国人として最初にウクライナ軍ドローンの攻撃を受けたという。
先月公開されたあるドキュメンタリーでは、自らを「マクロン」と紹介した中国人兵士が「この戦場ではいつ死ぬか分からないので、ここでの経験を共有したい」「中国人は長い間戦争を経験しておらず、戦争の実情を知らないので、戦場で実際に経験していることを示したい」と話していた。
この兵士は「訓練所の時から黒人、アラブ人、中国人に対してひどい人種差別が行われた」と主張した。
またロシアは戦闘中に死亡した中国人兵士の遺族に40万人民元(約780万円)を支払わねばならないが、支払いはたびたび遅延しているという。ロシア軍は契約が満了した中国人兵士の帰国も拒否しているようだ。
ある中国人兵士は「ロシアが戦争で勝って初めて契約が満了すると言われた」として「除隊が拒否された」と伝えた。そのため一部の兵士が命懸けで脱走するケースもあるという。キム・ミョンイル記者
国連安保理、北朝鮮兵派遣めぐり懸念続出 ロシア大使はコメントせず
ニューヨーク=遠田寛生2025年1月17日 15時00分

国連安全保障理事会は16日、ロシアによる侵攻が続くウクライナについて公開会合を開き、ロシアに派遣された北朝鮮兵に懸念を示す意見が相次いだ。ロシアは北朝鮮兵について一切コメントせず、ウクライナや米英批判に終始した。
ウクライナへの軍事支援に懐疑的な姿勢を示しているトランプ次期米政権の発足を20日に控え、国連安保理決議違反の可能性があるロシアと北朝鮮の軍事協力にあらためて焦点が当てられた。ロシアに派遣された北朝鮮兵について、韓国は約300人が死亡し、約2700人が負傷したと見ている。
国連のディカルロ事務次長は、北朝鮮軍関係者がロシアのクルスク地方で捕虜になったとされる報告に触れ、北朝鮮の参加で紛争がさらに国際化する深刻な懸念が高まり続けていると述べた。
会合の開催を要求したスロベニアのジュボガール国連大使も「北朝鮮兵の死傷者が異常に多いという報告に困惑している」と発言し、北朝鮮の戦闘参加は国際の平和に脅威を与えていると訴えた。
ウクライナ軍捕虜の北朝鮮兵「ここで暮らしたい」 1人は帰国希望か
ロンドン=藤原学思 ソウル=河野光汰2025年1月13日 12時28分(2025年1月13日 19時52分更新)

ウクライナ侵攻を続けるロシアに派遣された北朝鮮兵について、韓国の情報機関・国家情報院(国情院)は13日、約300人が死亡し、約2700人が負傷したとみられると国会に報告した。出席議員らが明らかにした。
ウクライナ側は12日、捕虜にした2人の北朝鮮兵の映像を公開。1人は北朝鮮に帰りたい意思を、1人はウクライナに残りたい考えを示している。
ウクライナや韓国、米国の発表によると、ウクライナ軍との戦闘のためにロシア南西部クルスク州などの前線に派遣された北朝鮮兵は1万~1万2千人に上るとみられている。
ウクライナのゼレンスキー大統領は12日夜、通訳を介してウクライナ保安局(SBU)の質問に応じる2人の捕虜の映像を公開した。
1人はウクライナとの戦闘だとは知らなかったと明かしたうえで、上官から「訓練を実戦のようにやると言われた」と話した。横で同僚たちが死ぬのを見て隠れていたが、5日に負傷したという。
「北朝鮮に戻りたいか」と問われると、朝鮮語で「ウクライナの人たちはいい人ですか?」と聞き返したうえで、「ここ(ウクライナ)で暮らしたい」と話した。
ロシア軍にアジアやアフリカ諸国から傭兵、国籍や報酬求めたか…少なくとも254人死亡
2023/12/06 21:25
英BBCロシア語版は5日、ウクライナ侵略を続けるロシア軍にネパール、ウズベキスタン、ソマリアといったアジアやアフリカの国々から人々が雇い兵として参戦していると報じた。露軍はウクライナで多くの戦死者を出しており、ロシア国籍や高額報酬と引き換えに外国人を露軍に勧誘し、穴埋めを図っている模様だ。

BBCは露独立系メディアと協力して資料を収集し、露軍として戦った外国人254人の死亡を確認した。実際の戦死者は「はるかに多い」と推定されるという。
最多はウズベキスタンの61人だった。6人の死者が確認されたネパール政府は、遺体の返還と全ネパール人雇い兵を帰国させるようロシア政府に要請している。
学生ビザや労働ビザでロシアに滞在するネパール人がロシア国籍を取得するため、軍に入隊するケースが多いという。数か月軍務につけば、母国での数年分の収入を得られることも動機になっているようだ。
露政府は、戦闘に加わった外国人が円滑にロシア国籍を取得できる措置を取っている。
BBCによると、ソマリアのラジオ局は4日、ベラルーシ在住のソマリア人の情報として、欧州への亡命を希望してロシアやベラルーシに不法入国し、拘束されたソマリア人60人以上が露軍に加わるよう勧誘されていると報じた。これまでに8人が同意したという。
「ワグネル 影のロシア傭兵(ようへい)部隊」
ウクライナを含む各地に傭兵を送り込んでいると言われ、「プーチンの影の軍隊」とも呼ばれる民間軍事会社「ワグネル」。
その活動の実態と黒幕とされる人物に迫る調査報道。
ナチスに傾倒する元軍人が設立し、プーチン大統領と深い関係を持つ新興財閥が出資しているとされるワグネル社。
ロシアが軍事介入を進めてきた中東やアフリカで暗躍してきたと言われている。
専門家が事実上国の機関と指摘するこの組織の実態を関係者や専門家の証言、様々なルートから入手した映像や内部文書などを通じて、浮かび上がらせる。
原題:Wagner:Putin‘s Shadow Army(フランス 2022年)
ワグネル・グループ
ロシアのサンクトペテルブルクに本部を置く、同国の準軍事組織である。民間軍事会社(PMC)、傭兵ネットワーク、「ウラジーミル・プーチンの私兵」とも表現され、ロシア系PMCの先駆けである。創設者はエフゲニー・プリゴジンとドミトリー・ウトキン。
ロシア連邦政府(以下、ロシア政府)は長年存在を否定していたが、シリア内戦やアフリカにおける複数の内戦、ウクライナ侵攻等において、ロシア政府の「裏部隊」としてロシアの権益拡大のために活動してきたとされている。プーチンは2023年6月、ロシア政府がその支援者であったことを認めている。
2023年6月23日、プリゴジンはロシア連邦内において武装蜂起を宣言した(ワグネルの反乱を参照)が、ロシア連邦軍(ロシア国防省)との戦闘を避けるため引き揚げにロシア軍と合意した。
プリゴジンはワグネルの活動が7月1日に停止しなければならなくなったと述べているが、以降の活動などは不透明な情勢である。8月23日に発生したトヴェリ州エンブラエル・レガシー600墜落事故によってプリゴジンが死亡した。
ロシアでは民間軍事会社の設立が禁じられているため、法の枠を越えて活動している。特定のイデオロギーに基づいている訳ではないが、さまざまな要素がネオナチや極右の過激派と強く結びついている。
同社が世界的に注目されるようになったのは、ウクライナのドンバス戦争において、2014年から2015年にかけて、ドネツクおよびルガンスク人民共和国の分離主義勢力を支援したことがきっかけだった。同社の請負業者は、シリア内戦、リビア内戦、中央アフリカ共和国内戦、マリ内戦(英語版)などの世界中のさまざまな紛争に参加し、しばしばロシア政府と連携する勢力の側で戦っている。
ワグネルの工作員は、派遣先で数多くの戦争犯罪を行っているとされている。
市民に対するレイプや強盗、契約違反を犯して脱走した兵に対する拷問などがその例である。
ワグネルはロシアの利益のために活動することが多く、ロシア国防省(MoD)から軍事装備を受け取り、訓練のためにMoDの施設を使用しているため、しばしばMoDまたはロシアの軍事情報機関であるロシア連邦軍参謀本部情報総局の事実上の部隊と見なされている。
このグループは、特定の紛争において、ロシア政府が「もっともらしい否認」を行うことを可能にし、ロシアの海外介入による犠牲者の数や財政的コストを国民から隠すために利用されていると推測されている。
2022年のロシアのウクライナ侵攻では重要な役割を果たし、他の活動の中でウクライナの指導者を暗殺するために配置され、前線の戦闘のために囚人や受刑者を広く徴用していると伝えられている。
2022年12月、米国防総省のジョン・カービーは、ワグネル・グループはウクライナに1万人の契約者、4万人の受刑者を含む5万人の戦闘員を擁していると主張した 。しかし、他の人々は、徴用した囚人の数を2万人以上とし、ウクライナに存在するPMCの全体数は2万人と推定している。
このグループは、プーチン大統領と密接な関係を持つ実業家プリゴジンが所有または資金提供していると認識されてきた。プリゴジンは、ワグネル・グループとの関係を長年否定してきたが、2022年9月に準軍事グループを「創設」したことを認めた。
また、2023年6月にはプーチン大統領自身もロシア政府からワグネルおよびプリゴジンの関連企業に資金提供を行ってきたとする演説を行っている。
2023年6月には首都モスクワに進撃を開始し、一時はモスクワまで200kmまで迫った(ワグネルの反乱)。しかしその後蜂起を停止し、プリゴジンの居所は不明となった。ロシア国防省はワグネルの戦闘員の多くが国防省と契約を結んだとしているが、海外の部隊などの処遇は明らかになっていない。
元々、中東やアフリカには2010年初頭からロシアの民間軍事会社が数社進出していたものの、その時点でワグネルはまだ参戦していなかった。
ワグネル・グループは2014年にウクライナに初めて登場し、クリミア併合に参加した。また、2014年にはウクライナのルハンスク地方で、ロシアが支援する分離主義者とともに戦闘を行うなど、活発な活動を行っていた。
2021年、フォーリン・ポリシーの報告書は、「ワグネル」の名前の由来は不明であると指摘した。また、グループの名前はウトキン自身のコールサイン「ワグナー」に由来するという説もあり、ドイツの作曲家リヒャルト・ワーグナーにちなんで、ウトキンがナチス・ドイツへの情熱から選んだとされる(ワグナーはアドルフ・ヒトラーのお気に入りの作曲家である)。そのため、彼をネオナチと考える人もおり、エコノミスト誌は、ウトキンがナチスのタトゥーをいくつも入れていると報じている。ワグネル・グループのメンバーは、ウトキンがスラブ土着の信仰者であるロドノヴェリエであると言っている。Radio Libertyは内部関係者の話を引用し、ワグネル・グループの指導者は現代異教徒の新宗教運動であるスラヴ・ネイティヴ・フェイスの信者であると述べている。
2017年8月、トルコの新聞Yeni Şafakは、ウトキンは同社の図式的な存在で、ワグネル社の本当のトップは別の人物である可能性があると推測している。
ワグネルの様々な要素が、白人至上主義やネオナチの極右過激派と結びついており、例えばワグネルの公然たる極右・ネオナチのルシッチ部隊や、ワグネルのメンバーが戦場にネオナチの落書きを残していることなどが挙げられる。また、セルビアやノルウェーなどヨーロッパの極右も少数参加しており、ワグネルのセルビア人部隊のリーダーは内戦時代の特殊部隊の元隊員だった。(アレクサンダル・ブチッチ大統領はワグネルが国民を勧誘して武力紛争に参加させることを「違法行為」として抗議した)
国連大学政策研究センターの上級政策顧問であるエリカ・ガストンは、ワグネル・グループはイデオロギーに基づくものではなく、「ロシアの治安国家と結びついた」傭兵のネットワークであると指摘する。
ロシアはこのつながりを否定しており、公式にはこのグループは存在しないとされていた。
しかし2023年6月には、プーチン大統領が軍当局者への演説において2022年5月から23年5月にかけて860億ルーブル(約1450億円)余りの資金を政府から提供していると述べ、ワグネルの資金源がロシア政府であったと認める形となった。
これらワグネルの活動を裏から国費で支え、アフリカ諸国から得た報酬の一部をキックバックさせていたのがプーチン自身であったと見られている。
戦争への参加

2013年にはウクライナ紛争で「ロシア軍がウクライナ領内で活動していない状況を作るため」投入され、
2015年シリア内戦においてアサド政権への支援の為に本格的に介入し、ロシア連邦軍が直接介入する前に要員を派遣していた。
これらの海外での活動において、GRUより支援・調整を受けているといわれている。
2017年には北アフリカのリビアに部隊を派遣し、東部を支配する「リビア国民軍」を支援。その後はスーダンやモザンビーク、中央アフリカ、西アフリカのブルキナファソなどに部隊を出し、軍隊の訓練や警備のほか、時には反政府勢力との戦闘に加わるなど大きな役割を担ってきた。
2018年以降、ワグネル社は反政府ゲリラとの紛争が発生した中央アフリカ共和国にて政府軍の訓練と支援を行っている。これらの活動は、2016年10月に撤退したフランス軍の役割を埋めるものであった。また、ワグネル社は軍事支援だけでなく複数の子会社を通して鉱山採掘や伐採、輸送船の警備、税関の提供、さらにはウォッカやビールを生産するなど中央アフリカのインフラ事業に介入している。
2020年以降、ワグネル社が軍事クーデターとイスラム勢力の攻勢に揺れるマリ共和国で活動していることが判明。マリ政府とロシア政府は否定しているもののアメリカアフリカ軍(AFRICOM)の司令官は、インタビューにて「ワグネルはロシア軍の支援を受けている。ロシア空軍機が彼らを現地へ移送している」とロシア政府が関与していると示唆。また、フランスの外相は、ワグネルの傭兵がイスラム過激派との闘いを口実にマリ暫定政権を支援していると非難するとともに、「ロシア機で移送されてくる傭兵について、ロシア当局が知らないとしたら驚くべきことだ」と言及している。
2022年ロシアのウクライナ侵攻には、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領をはじめとするウクライナ指導者の暗殺作戦(斬首作戦)に投入されたと伝えられている。
全体では8,000人が投入されたと見られ、イギリスの調査報道機関ベリングキャットは、作戦失敗により3,000人が戦死したと報じた。消耗戦の展開となった同年7月には、キルギスなど旧ソビエト連邦構成国などで警備員の求人を装い、月給24万ルーブルの条件で戦闘員を募集していることが伝えられた。同月にはロシア国内の刑務所で囚人を戦闘員として募集していることも伝えられている。
同年8月の時点で、ワグネル社はルハーンシク州セヴェロドネツィク地区ポパスナに拠点を置いていた。ウクライナ側は同月16日までにこの拠点を攻撃して破壊したと発表し、一時はプリゴジンが死亡した可能性も報じられたが、プリゴジンはその後声明を発表し生存が確認された。
同年12月、ワグネル社が北朝鮮から歩兵用のロケットやミサイルを購入したことが報じられた。
2023年4月、プリゴジンは東部ドネツィク州バフムートの戦いで、今後は捕虜を取らずに、ウクライナ兵は全員殺すという方針を発表した。
ワグネルの反乱
2023年6月、ワグネルは任務完了としてバフムートから撤退を開始したが、プリゴジンはロシア国防省がワグネルの退避ルートに数百個の地雷を仕掛けていたと発表し、国防省を非難した。
6月23日、プリゴジンがSNSに投稿した動画で、以前より批判していたセルゲイ・ショイグ国防相やワレリー・ゲラシモフ軍参謀総長を念頭に「軍幹部の悪事を止めなければならない。抵抗する者はすぐに壊滅させる」と述べ、武装蜂起を宣言した。これに対し、ロシア国防省は「情報による挑発だ」と反発。これに対してロシア連邦保安局(FSB)は、武装反乱の扇動に該当するとして捜査を始めた。ワグネルの部隊はモスクワまで200kmの地点まで迫り、ロシア軍所属の航空機を撃墜するなどしたが、24日に進軍は停止され、占拠していたロストフ・ナ・ドヌからも撤退した。
6月26日、プリゴジンは「(ロシア国防省などの)陰謀と思慮不足の決定により、7月1日に消滅しなければならなくなった」と述べた。 プリゴジンはベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領の仲介のもとでベラルーシ国内に移ったとされていたが、7月6日にルカシェンコ大統領はプリゴジンがサンクトペテルブルクにいると声明した。
ショイグ国防相はワグネル部隊の構成員の多くは国防省と契約を結んだとしており、ワグネルグループ自体も7月2日から一ヶ月間、戦闘員の新規募集を停止している。
中央アフリカで戦闘に参加しているワグネル戦闘員の間でも動揺が広がり、中央アフリカ政府が否定しているものの、帰国準備を開始したという噂が広まっている。またロシア国防省はアフリカと中東で活動する新たな民間軍事会社を設立し、ワグネルの戦闘員の引き抜きを開始している。
プリゴジンとウトキンの死
8月23日、プリゴジンと実戦部隊司令官のウトキン、ワグネルの輸送部門と民間プロジェクトを担当していたヴァレリー・チェカロフらが乗っていたジェット機が墜落、乗客乗員10名の死亡が発表された。アメリカのシンクタンク戦争研究所(ISW)はロシア空軍が保有するS-300地対空ミサイルによる撃墜だとしており、英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)などでもロシア政府が関与した暗殺事件であるという見方をしている。
8月24日、プリゴジンと親しく、反乱以降姿を見せていなかったセルゲイ・スロヴィキン空軍総司令官がプーチン大統領によって解任された。英国王立防衛安全保障研究所のマーク・ガレオッティ上級アソシエイト研究員は、協定の仲介や資金の流れを掌握していたプリゴジンの死によってワグネルが長期的に存続する見込みはなくなったとしている。
同日にはポーランドのモラヴィエツキ首相がプリゴジンの代わりにプーチン大統領が指揮を執るようになれば大きな脅威となると指摘した。
国家軍への併合
英国防省の調査によると、反乱以降ロシア政府はワグネルに対し直接的な統制を行うようになり、10月下旬の時点でワグネル構成員の多くがプリゴジンの息子パヴェルが指揮するロシア国家親衛隊の師団に吸収され、また、チェチェン共和国の特殊部隊「アフマト」に170人が加入した。それ以外は「ルドュート」という他のPMCに移籍し、「ルドュート」の兵力は7000人に拡大したという。また、ワグネルのアフリカでの事業を引き継ぐロシア国防省傘下の「アフリカ部隊」に加入した者もおり、ブルキナファソに最初に派遣されたメンバーの100人中半数は元ワグネルとされる。
民間軍事会社とは
直接戦闘、要人警護や施設、車列などの警備、軍事教育、兵站などの軍事的サービスを行う企業。
PMC(private military company または private military contractor)、PMF(private military firm)、PSC(private security company または private security contractor)、PMSC(private military and security company、複数形はPMSCs) などと様々な略称で呼ばれる。
2008年9月17日にスイス・モントルーで採択されたモントルー文書でその地位や法的責任などが定義されている。
傭兵はジュネーヴ条約違反であるが、国家の法律上、国際法上は民間軍事会社も性質はジュネーヴ条約違反である。
また、存在がジュネーヴ条約違反であるために、民間軍事会社にジュネーヴ条約を守る責任や義務は無い(責任と義務は雇用主に発生する)。国家の法律上と国際法上の法解釈学では、存在はグレーゾーンとされる。
2008年9月、スイスの国際会議においてアメリカや欧州諸国、中国、イラク、アフガニスタンなど17カ国は民間軍事会社に国際法を順守させるため、各国に対して適切な監督・免許制度の導入、採用時の審査の厳格化、戦時の民間人保護を規定した国際人道法や人権法に関する社員教育の強化など適切な監督を求める具体的な指針を盛り込んだモントルー文書を採択した。
ウクライナ紛争にて、ロシアのワグネル・グループがロシア正規軍と並んで主要な軍事力として機能している。
ワグネルは元正規軍兵士だけでなくロシア国内の刑務所で囚人を戦闘員として参加させ、生還した者には恩赦を与えていた。
ドンバス地域のバフムートを掌握するための戦闘に中心的な役割を果たす[などの戦果を上げてき、それに伴いワグネルの能力も認められ、創始者のエフゲニー・プリゴジンのロシアにおける政治的な評価が高まった。しかしやがてプリゴジンはセルゲイ・ショイグ国防大臣やワレリー・ゲラシモフ参謀総長を痛烈に批判するようになり、2023年6月23日には武装蜂起を宣言するに至った。
これに対しウクライナ当局も外国人義勇兵を多く募集した他、ウクライナ軍への訓練及び人命救助活動を実施するため、米軍の元将兵などで編成されたモーツァルト・グループという民間軍事会社が活動を行っている。
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