地方移住を成功させるための働き方
地方移住を考えたとき、必ず向き合うことになるのが「仕事」の問題です。
住む場所を変えても収入の柱が揺らいでしまっては、理想の暮らしは長続きしません。
そこで今回は、移住を成功させるための働き方として「在宅ワーク」という選択肢を、現場のリアルも交えながらお伝えします。
⌘1: 在宅ワークは移住の味方
移住先での転職活動にはメリットがあります。地域企業に就職すれば、地元の方とのご縁が生まれ、地域社会との接点も増えます。
けれど一方で、「理想の条件に合う職場に必ず出会える」という保証はありません。
地方では求人の選択肢が都市部より限られることも多く、給与や業務内容、働き方の柔軟性など、すべてが希望通りになるとは限らないのが実情です。
そのようなとき、心強いのが在宅ワークからの収入です。
パソコンが使える環境さえあれば、基本的にどこでも仕事ができます。つまりは、住む場所を変えても収入が途絶えにくいということ。
これは移住計画において大きな安心材料になります。
しかし、地域企業への就職を否定するものではありません。ただ、引っ越すたびに転職を重ねていくと職歴が増えていきます。
求職者支援の面談対応をしていると、転職回数があまりに多い場合、不利に働くケースも実際にありました。
その点、在宅ワークであれば住居を変えても勤務を継続できます。
キャリアの軸を保ったまま、暮らす場所だけを変えられる。移住の可能性がある人にとって、在宅ワークは非常に相性の良い働き方なのです。
⌘2: 在宅ワーカーの実情
近年、求職者支援の面談業務をしていると、年齢を問わず在宅ワークを希望する人が増えてきました。
特に若年層にはテレワークが浸透しており、「出社しない働き方」は特別なものではなくなりつつあります。
しかし、40代・50代以降となると事情は変わります。多くの方が、依然として地続きの職場へ通勤しているのが実情です。
その背景には、企業側の厳しい現実があります。
実際、企業からの要望書に、「40代以降は覚えが悪くなるのでNG」と書かれていたことがありました。
応募者本人には伝えられない内容。
けれど、国家資格キャリアコンサルタントという立場で現場に関わっていると、こうした裏情報が垣間見えることがあります。
「未経験歓迎」と書かれていても、それは決して幅広い年齢層にあてたものではありません。その多くが、若年層を想定しているケースが少なくないのが実情です。
40代・50代の場合、即戦力として技術提供ができるかどうかが合否を分けることが多いのです。
これらのことから、憧れだけで在宅ワークを目指すと、現実とのギャップに苦しむこともあります。
だからこそ、しっかりとした職歴の棚卸しや専門家のアドバイスなどの戦略が必要になります。
⌘3: 在宅ワークに必要なスキルと要素
在宅ワークに必要な主なツールについては、「在宅ワーク適性診断」にも記載しています。
そこにあげているツールは、最低限使えるようにしておきたい基礎力です。さらに、専門ツールを扱えたり、業界経験があったりすると、合格率は一気に上がります。
私がフルリモート企業へ合格した際の決め手は、「国家資格 × 業界経験」でした。
専門技術と即戦力の掛け合わせ、これがストロングポイントになります。
加えて、必須の要素があります。
それが「自己解決能力」です。
出社型の勤務と違い、日常的なトラブルや不明点を、「自分で調べ」「考え」「解決する」場面が多くなります。
レクチャーを受ける場合も、バーチャルな画面越しでのやり取りから、多くを吸収しなければなりません。
そのために必要なのが、「探求心」と「持続力」です。他責思考では難しい世界といえるでしょう。
さらに、年下の先輩に素直に頭を下げられる勇気も必要です。これは、移住先での心構えとも共通しています。
年齢や肩書きにとらわれず、素直に学び続ける人、向上心を持ち続ける人、周りの人と良好な関係性を築こうと努力できる人。
そのような人物は、生まれた場所や年齢に関係なく、良好な人間関係と職場環境を得やすいといえます。
これは働き方だけでなく、移住にも通じる普遍的な法則です。
まずは、自身が在宅ワークで給与をいただくには、「何を差し出せるのか」。そして地方に移住するのであれば、「なにを分かち合えるのか」。
それらを考えることから、転職や移住の成功が始まります。
地方移住は、住む場所を変えること。同時に、自分の在り方を問い直す機会でもあります。
「どこで暮らすか」だけでなく、「どんな姿勢で働くか」。
この2点について深く内省してみることで、移住や転職の成功という扉を開くキッカケが、きっと見つかることと思います。
ぜひ、素敵な地域や仕事と出会えるよう、まずは自身の人生を棚卸し、美しい鍵を手に入れてみてください。
