索引のようなもの-紅の蜥蜴篇-
これは「物語の欠片-紅の蜥蜴篇」のあらすじだ。
何度でも言うが、私の書く物語は長い。私自身が長く続く物語を欲していたからだ。日常が延々と続くように物語も続いてほしい。
唐突だが、収入を得ているという意味で私の本職はエンジニアだ。元々黙々とひとりで仕事をするのが性に合っていた。しかし、会社に勤めていると必然的に”ぷろじぇくとまねじゃー”というものをやらされるようになる。
自分でやった方が楽だという思いを飲み込んでチームの面々をまとめる。この「紅の蜥蜴篇」は私などよりもっと大きな仕事を皆で成し遂げるにあたっての、組織で動かなかければならないということの大変さを描いたお話。
はじまり
季節はもうすぐ春になる頃。カリンとレンがイベリスを訪ねるためにポハクへ向かうところから始まる。ただイベリスと楽しい時間を過ごすために訪れたはずなのに、カリンに恨みを持つイベリスの腹違いの姉カンナに会ってしまうことから事件が起こる。カリンは夜の砂漠に置き去りにされることになり、そこで空が紅く染まるのを目撃する。
フエゴ火山の噴火
無事マカニに戻ったカリンは、自分が砂漠で目撃したのはフエゴ火山の噴火であったことを知る。そして、噴火した火口が以前別件でカリンが調べていた火口であったことからカリンとレンはフエゴ火山の鎮火に関わることに。話を知った族長とシヴァがこのことをカリンひとりの問題ではなくマカニ族全体の問題だと捉えていることにカリンは戸惑う。
「なるほど。それで書簡を寄越したか。陛下も困ったお人だ。…そなたが気が進まぬなら、私が代わりに行っても良い。」
「族長様が?」
カリンは驚いた。族長は城に行くことを好まない。これまでにカリンが解決した問題の礼をしたいと王が言った時にも断ったくらいだ。
「おかしくはなかろう?そもそも国の問題にマカニ族を使うのに、私を通り越してカリンに直接書簡を送ってくる陛下の方が異例だ。」
いざアヒの村へ
城へ行って話を聞いたカリンはすぐに原因に思い当たり、建築室のクコに協力を仰ぐ。火山を鎮める方法を考え出したカリンだが、族長はカリンはアヒへついて行く必要はないのではないかと言いだす。自分には責任があると主張するカリン。しかし族長は…。
「私はいつもそれをやっておる。」
カリンがはっとした表情になり、じっと族長を見つめた。
「マカニ族にとって重要な決定をしても、実際に私が動くことは滅多にない。そなたやマカニの戦士たちを見送り、ここで結果を待つだけだ。もちろん全ての責任は私にある。その覚悟だけは持っているつもりでおる。もし、そなたや戦士たちに何かあっても、私がここから逃げ出すわけにはいかぬ。…それが族長だ。」
そして同じくレンもシヴァに諭される。
「シヴァ。飛べる人間が二人必要だ。人選は任せる。」
シヴァはしばらく考えて口を開いた。
「飛行能力を考えると、スグリと…コリウスでしょうか。」
「ちょっと待ってよシヴァさん。僕が行く。」
思わず口を挟んだレンをシヴァが睨んだ。
「何故だ?」
カリンに続き、今度はレンが言葉に詰まる番だった。
「これはマカニ族の問題だ。カリンの夫だからというだけではレンが行く理由にならない。」
火鎮めの失敗
最終的にはネリネと共にフエゴにあるアヒの村に向かうことになったカリンとレン。しかし、考えた方法ではうまくいかず、むしろ火山を刺激してしまう結果に。新たに起こった噴火から命からがら逃げた面々だが、ほっとしたのも束の間、一緒に行ったマカニ族の仲間スグリが火蠍の毒に倒れる。
失敗の責任
スグリを指名したシヴァ、自分が半端な方法を提案したせいでスグリが火蠍に襲われたと考えるカリン。悩む二人のために族長がしたこととは。そして、シヴァとスグリの関係とは。
再びアヒの村へ
紅い蜥蜴のおかげで前回の失敗の原因が分かり、再びアヒの村に向かう。しかし、前回の再噴火のせいでアヒの村は壊滅的な被害を受けていた。火鎮の舞を納める神殿の入口も閉ざされている。カリンとレンはどうやってこの事態を切り抜けるのか。
舞い終えてなお
なんとか火鎮の舞を舞い終えたネリネ。コリウスの待つ地下道の入口に戻る時に事件は起こった。先を歩いていたネリネとレンの後ろで地下道の天井が落下。後ろを歩いていたカリンとスグリは地下道の出口へ向かう道を閉ざされてしまう。気まずいままのカリンとスグリはどうやって地下道から抜け出すのか。
スグリの本音
地下道を抜け出すために力を合わせたカリンとスグリはほんの少しだけ心を通わせる。「面倒なことは嫌いだ」というスグリの本音とは。
後日譚と次のお話に向けて
フエゴ火山鎮火の報告をするために王の元を訪れたカリンとシヴァ。そこにはなぜか姫とローゼルが。ここでのお話は次の「物語の欠片-白銀の大鷲篇-」に続く。
それぞれの成長
レンとカリンがそれぞれスグリとの交流を踏まえて視野が開けるお話。
先程まで感じていた心細さは影を潜めていた。同年代の仲間が居なくても、自分にはこんなに尊敬できる仲間たちが居る。この仲間たちと新しいマカニを築いていこう。レンは心からそう思うことができた。
カリンは今回もうひとつ気がついたことがあった。カリンにとっては人間も動物も植物も同じだ。それは嘘ではない。しかし、同じ人間であってもやはり分かり合えない人間は居るのだ。決して交わらない。
レンがポハクで危険な目に遭ったのは、自分がカンナに半端に関わったからだ。カリンも決してきれいごとにしたくてカンナの誘いに乗ったわけではない。しかし、それも結局覚悟が足りなかったのだとカリンは思った。
カンナの悪意を丸ごと受け入れる覚悟もなく近づいてしまったからああなった。覚悟ができないうちは近づかないようにしよう。そう思ったらすっきりした。
結局全部をひとりで受け止めることなど、できはしないのだ。そういう意味ではレンは本当に安定している。自分の本当に大切なものをきちんと解っている。スグリの言うとおりだ。
「物語の欠片-紅の蜥蜴篇-」は22編の欠片で構成されています▼
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