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索引のようなもの-天色の風篇-前半

一篇の物語が終わるといつも「索引」を作るのだが、この『天色の風篇』はなかなか手がつかなかった。何故ならこのシリーズの前半は、いつもの主人公二人ではなく、二人を取り巻く登場人物たちの視点で語られる形式で物語が進む。どの人物も思い入れがあるため、誰一人、欠かしたくなかったのだ。
悩んだ結果、結局前半部分は全員を紹介することにした。
だからごめんなさい。索引なのに前後半に分かれる。笑
この物語は、これまで展開してきたエピソードの裏側や、他の登場人物の主人公二人に対する思いを描くことができてとても楽しかった。
天色の風篇のメインエピソードのテーマは一応「歴史というものの危うさ」と「古くから伝わるしきたりの変革」について。
しかしどちらかと言えば、これまでの篇を読んでいただいた方に感謝を込めて、物語の裏側を楽しんでいただけたら嬉しい。(書いてる本人が一番楽しんでいる)

はじまり

最初の語り手はココ。
無邪気な印象があるが、彼は彼なりに悩んでいる。ココのエピソードと共に、族長の息子であるカエデがカリンに何らかの相談を持ち込む場面が描かれる。

カエデの相談の内容とは

ミントはレンの育ての親。これまでレンの近くで成長を見守ってきたはずなのに、なかなか彼の思っていることを書く場がなかった。書けて良かった。後に出てくる育ての母スミレとの考え方の微妙な違いにご注目。
カエデがカリンに相談したのは、上皇がマカニにやってくるらしいので、関わる村人たちの相談に乗ってやって欲しいということ。レンの実家は食堂をやっているため、食事を供することになる。

同じく宿屋も大騒ぎ

ローズは宿屋の主人。カリンが正式にマカニで暮らすようになる前は、いつもこの宿屋に宿泊していた。カリンとの思い出の他、ローズ夫妻の秘密が語られる。そして、レンの実家である食堂と同じく、上皇に宿を提供せよと言われたローズたちも慌てふためくのだった。

とうとう上皇がやってきた

ダリアは厩舎の主人。実はネトルが”婿養子”であったことが明かされる。馬に乗らないマカニ族の村で厩舎を営むダリアの考えとは。
そしてついに、上皇の一行が村へやってくる。

上皇の来意

アジュガはカリンの幼馴染であるローゼルの父親だ。カリンのことも昔から知っている。てっきり自分の息子と一緒になるだろうと思っていたカリンがレンと一緒になってマカニに居る。アジュガから見たカリン、そしてローゼルへの気持ちが語られる。
上皇は、カリンにアルカンの森の主に引き合わせてほしいと依頼した。しかも、各族長も一緒にだという。その真意とは。

上皇の真意を考えて悩むシヴァ

カリンとレンをずっと傍で支えてきた、少し年上のシヴァとマオ夫婦の話。もちろんシヴァとマオにだって悩みはあるのだ。
考え込むシヴァがマオとの”普通の”会話を通して決断を下す。二人の夫婦関係が垣間見える。

翼への興味

ポプラは目立たないキャラだが、実は私自身とても好きな登場人物のうちのひとり。職人気質なのに柔軟で、自分の生活を大切にする彼が大好きだ。
マカニ族の戦士が各族長を迎えに行く間、上皇は翼の工房を見たいと言う。カリンは上皇を案内してポプラの工房を訪れた。

各種族の族長たちがマカニへやってきた

最近突然準主役級に躍り出たスグリは、実は登場人物中で一番、私の実態に近いかもしれない(いや、私、女ですけど)。誰かの”影”くらいがちょうどいい、その感じが。
とはいえスグリは私ではないし、私の要素は色々な人物に散らばっている。スグリは率直なので、あまり新たな発見は無いかもしれないがマカニの戦士トップスリーのテンポ良い会話をどうぞ。

いざアルカンの森へ

族長の側に控え、いつも存在を消しているカエデ。そのカエデの内面を描いた話。
場面はいよいよアルカンの森へ。
上皇がアルカンの森の主に会った理由は大きく二つ。
ひとつめは、闇の浄化の全貌を知ることだった。皆の前で予知夢の話をさせられたカリン。それを聞いている族長のぞっとするほど冷たい瞳を盗み見たカエデは…。

二つ目の理由

上皇が森へやってきたもうひとつの理由は、闇の浄化に王家の血は必要なのか問うことだった。
上皇がやり残したこととは、王家の世襲制を無くすことと、種族間の壁を完全に取り払うこと。
そのためには特殊なマカニ族の存在が問題だ。王とエンジュの静かな攻防。板挟みになるカリン。パキラは、エンジュに味方することを心に決める。

イベリスとパキラ父子の話

森の主との会話を終えてポハクへ戻ってきたパキラ。それを迎えるイベリス。
イベリスの視点から二人の親子関係が語られる。
『金色の馬篇』を読んだ方が、良かったねぇと思ってもらえたら。

上皇が帰った後の村人たちの反応

レンの育ての母スミレ。レンは自分の子供なのに、レンのやっていることが分からない。村人の噂の方が詳しいのではないかと感じてしまうスミレの葛藤。そして、どうやら上皇がマカニへ来たことによって、マカニに良からぬことが起こるのではないかと噂する村人たちの様子が描かれている。

王家の問題

アグィーラに戻ったアジュガはローゼルにアルカンの森での出来事を話す。アジュガは上皇に逆らうことはできない。しかし、王配であるローゼルならばカリンの力になってやれるかもしれないと考えてのことだ。
ローゼルは王配として今回の問題をどう考えるのか。そして『白銀の大鷲篇』でレフアと婚姻関係を結んだローゼルのその後が描かれる。

王と王配が薬師室にやってきた

上皇がマカニを訪れたことの城側の反応と、名脇役ユウガオを一度きちんと書きたかっただけの話。

マカニ族の問題

マカニの村に戻ったマカニ族も、今回の問題について議論していた。戦士のリーダであるシヴァは、今回の問題を族長ひとりに背負わせるわけにはいかないと考えている。いつも頼れる戦士のリーダーシヴァの内面はどのようなものなのか。

女王としての対応

動き始めたのは上皇だが、最終的な決断を下すのは女王であるレフアだ。
カリンとレフアの幼友達どうしの会話を通して、この”王家の血”問題にどう対処するか、方向性が議論される。

ポハクへ行こう。族長たちの対応

まさかエンジュの内面を語る日が来ようとは私自身も思わなかった。
でも、語り始めてしまったから仕方がない。思ったほど暗くなくて良かったと私は思ったのだがどうだろう。
エンジュとパキラ、カリンとレンとイベリス。それぞれの世代の友情…のようなもの?
それと同時に、族長レベルの問題点が整理されるお話。

王家のわだかまり。すべてはここから始まった

扉絵が表しているように、これは二つでひとつの話だ。
王になることを拒んだリクニス。その想いは一度『白銀の大鷲篇』で語られた。これはその後日談。
上皇は何故今回のような行動に出たのか。

エルビエント山脈の更にその先へ

実は私は迷っていた。この、ヨシュアの話で、カリンとレン以外の登場人物の話は終わりだ。一度、ここで話を終わらせようかとも思った。が、結局は続けることにした。
やはりこの一連の話の中にも、”結論”のようなものが欲しかったからだ。
そういうわけで、ここで『天色の風篇』の前半が終わり。
どうやら王家の謎を解くために、カリンとレンがこれまで行ったことのない遠くへ行くらしいということが語られる。

後半へ続く▼


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