「かかりつけ医」からAIによる「かかりつけ医機能」へ:AI時代に再設計されるプライマリ・ケア
導入

「かかりつけ医」制度が欧米の #GP や いわゆる #プライマリケア制度 とはかなり異なるものであることは業界関係者なら周知の事実だ。
#厚労省 は長年欧米のGPやいわゆるプライマリケア制度を導入しようとしているが、それができていない。
しかし流れが変わりつつあると感じる。
医師会の“メンツ”を潰さぬように、絶妙な言葉を選んだ──
それが「 #かかりつけ医機能制度 」である。

この一語の違いが示すのは、単なる制度設計の調整ではなく、
医療の本質的な変化への布石だ。
国民が求めているのは「かかりつけ医」という“人”ではなく、
「かかりつけ医が果たすべき機能」である。
● かかりつけ医から「機能」へ
いわゆる“プライマリ・ケア”とは、病気を早期に見つけ、健康を維持し、必要な医療へと導くための“機能”の集合体だ。
つまり、それは職種ではなく仕組み・サービスである。
にもかかわらず、日本では「かかりつけ医=医者に会うこと」として制度化されてきた。だが、いまやその前提が崩れつつある。
● 「接触」=医療、だった時代の終焉
ITやAIが無い時代、医療サービスは医療者に会うことでしか受けれなかった。医療者と言っても、ナースは単独で医療行為はできないので、医者に会う必要があった。
しかしITやAIの進化によって、医療との“接触”の形は根本から変わり始めている。
健康情報はPHR(Personal Health Record)としてクラウドで管理
AIが症状を解析し、トリアージ(初期判断・振り分け)を自動で実施
看護師やAIチャットが一次対応を担う
継続的な健康フォローはアプリとウェアラブルで自動化
これらのプロセスを統合すれば、「医師に会わなくても初期診療が成立する」構造が見える。
もちろん100人に対して満点の対応はできない。
しかし100の相談について90くらいはこれで対応できるとする。
するとこれまで医者が対応してきた業務の9割を、医者がやらなくていい、となる=医者の資源が浮く。
生産性の向上である。人手不足に向かうべき方向である。
浮いた医者資源は、医者じゃないとできない業務、つまり病院での専門医療や、研究、行政、民間での活躍、などいろいろ考えられる。
かつて「医師との接触=primary care」だったが、今や「機能としてのprimary care」へと再定義される時代が来ている。
医療における考え方のパラダイムシフトが、医療者にも一般国民にも求められている。
● 本当に必要なのは、“医師”ではなく“移送”かもしれない
AIが症状を判断し、適切な医療機関を選定する。
そこで必要になるのは、「移送」の仕組みだ。
例えば──
自動運転タクシー型の搬送システム
腕時計型ウェアラブルでバイタルデータ送信
搬送中にPHRと連携し、搬送先では自動的に検査準備が完了
これが実現すれば、救急車も救急隊付きではなくてよいかもしれない。
“無人救急車”すら現実的な構想になる。
つまり、初療の本質は「診ること」から「つなぐこと」へとシフトしていく。
● 厚労省の戦略──「メンツを保ちつつ中身を変える」
「かかりつけ医機能制度」という言葉は、日本医師会の反発を最小限にしながら制度の中身を再設計する巧妙な戦略だ。
表向きは“かかりつけ医の充実”を掲げながら、実際には“かかりつけ機能の再編”を進める。
これはまさに「制度言語の再定義」による静かな革命である。
結語
AIと自動運転、PHRの進化によって、“かかりつけ”とはもはや「あなたの健康を見守るシステム」になる。
そこにいるのは、医師かもしれないし、AIや看護師のチームかもしれない。
しかし重要なのは「誰がやるか」ではなく、「どんな機能を提供するか」だ。
医師会が守りたい“言葉”の裏で、厚労省は“概念”を静かに更新している。
もしかすると未来の医療は、「あなたのスマホ」と「自動運転タクシー」が、最高のかかりつけ医」になるかもしれない。
#かかりつけ医 #医療制度改革 #プライマリケア #AI医療 #PHR #自動運転 #厚労省 #医師会 #デジタルヘルス #みんなの健康らぼ
