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「虫歯で入院」が年間5万人イギリスNHSデータが示した“口腔格差”の衝撃




同じようなテーマのオーストラリア版

https://note.com/tsubo828/n/nededeebbd6a0


https://www.gov.uk/government/statistics/hospital-tooth-extractions-in-0-to-19-year-olds-2024/short-statistical-commentary-for-hospital-tooth-extractions-in-0-to-19-year-olds-2024

「虫歯くらいで入院?」


多くの人はそう思うかもしれません。

しかし現実には、イギリスでは毎年数万人の子ども・若者が、

虫歯関連で病院に入院し、歯を抜かれている

のです。

しかも、その多くは、

貧困地域の子どもたち

でした。

今回は、イングランドNHS(国民保健サービス)が2025年に公開した、

「0〜19歳の病院歯科抜歯統計」

をもとに、

  • なぜ虫歯で入院するのか

  • なぜ格差が生まれるのか

  • なぜ“歯科”は公衆衛生問題なのか

を考えます。


年間約5万人が病院で歯を抜かれている

2024年度、

イングランドでは0〜19歳において、

49,112件

の病院での歯科抜歯が行われました。

しかもそのうち、

約3万件(30,587件)

は、

虫歯(tooth decay)

が原因でした。

つまり、

病院抜歯の約62%

が虫歯由来。

これは異常に多い。


「虫歯」は子どもの入院理由1位

さらに驚くのは、

「5〜9歳の子どもの入院理由として、虫歯が依然として最多」

という記載です。

つまり、

肺炎でもなく、
骨折でもなく、
虫歯。

これは、

「歯科は軽症」

というイメージを完全に覆します。


なぜ入院になるのか?

普通の虫歯なら歯科外来で治療できます。

ではなぜ入院なのか。

多くは、

  • 多数歯の重症虫歯

  • 強い痛み

  • 歯性感染

  • 小児で外来治療困難

  • 全身麻酔が必要

だからです。

つまり、

「ちょっとした虫歯」

ではなく、

社会的に放置された虫歯

なのです。


貧困地域では3.5倍

このレポートで最も重要なのはここです。

虫歯による病院抜歯率は、

最貧困地域で、最富裕地域の約3.5倍

でした。

つまり、

虫歯は、

  • 食生活

  • 家庭環境

  • 教育

  • 所得

  • 医療アクセス

  • 保護者支援

などを強烈に反映する。

これはまさに、

“口腔の健康格差”

です。


地域差も極端

地域差も非常に大きい。

虫歯関連抜歯率は、

  • Yorkshire and the Humber:454/10万人

  • East Midlands:70/10万人

で、

約6.5倍差

がありました。この2つの地域は隣接しているんですね。。


これは単なる「個人の歯磨き習慣」の話ではありません。

地域医療、
社会構造、
貧困、
食環境、
予防政策

の差です。


NHSの負担は年間150億円規模

この問題は当然、

医療財政にも直結します。

2024年度、

病院歯科抜歯にかかったNHSコストは、

  • 全体:約7480万ポンド

  • 虫歯関連:約4580万ポンド

でした。

日本円換算では、

100〜150億円規模

です。

しかも、

近年はコスト増加傾向。


「歯は自己責任論」の危うさ

日本でも、

「歯は自己管理」
「虫歯は自己責任」

という空気があります。

しかし現実には、

子どもの口腔環境は、

家庭や住む地域など環境依存

です。

例えば、

  • 親が忙しい

  • 低所得

  • 教育機会不足

  • 虐待

  • ネグレクト

  • 地域に歯科が少ない

などで、

口腔環境は大きく悪化する。

つまり、

“歯磨きしない子”がいるのではない

“歯磨きできる環境にない子”がいる

のです。


高齢者医療でも重要

この問題は小児だけではありません。

高齢者では、

  • 義歯不適合

  • 重度歯周病

  • 咀嚼低下

  • 低栄養

  • 誤嚥

  • フレイル

と直結します。

在宅医療や介護現場では、

「口から食べられるか」

は極めて重要。

つまり、

口腔管理は“生活機能管理”

なのです。


歯科は「美容」ではなくインフラ

歯科はしばしば、

  • 美容

  • 自費

  • 贅沢

  • オプション

のように扱われます。

しかし本来、

歯科は、

教育

栄養

成長

就労

社会参加

を支える、

社会インフラ

です。


本気で医療費削減するなら「歯科予防」

このイギリスNHSデータは、

非常に重要なことを示しています。

「予防できた虫歯」が、

高額な病院医療費に化けている

のです。

つまり、

本気で医療費抑制を考えるなら、

  • 学校歯科

  • フッ化物政策

  • 地域歯科

  • 小児歯科アクセス

  • 在宅歯科

  • 低所得家庭支援

は、

「コスト」ではなく、

将来医療費を減らす投資

なのです。


「歯科」は公衆衛生そのもの

このデータを見ると、

虫歯は単なる歯の病気ではないことがよく分かります。

それは、

社会の格差を映す鏡

です。

そして、

“口腔”は全身医療の入口

でもある。

歯科を軽視する社会は、

結局、

医療費も、
健康格差も、
子どもの未来も、

悪化させていくのだと思います。



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