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ただ座るだけなのに、なんで少し嬉しいんだろう

左に座るのが当たり前になってる

気づいたら、また左に座っていた。

カフェでも。
家でも。
並んで仕事をするときも。

わざわざ確認したことはない。
どっちがどっちに座るかなんて、話したこともない。

でも、彼女はいつも右にいる。

最初は、腕がぶつかったからだったと思う。
それで、なんとなく入れ替わった。

それだけのこと。

「こっちでいい?」とかもない。

ただ、自然に決まっていく。

たまに先に座られると、少しだけ迷う。
一瞬だけ、立ち止まる。

たいしたことじゃないのに。

そのあと、何もなかったみたいに隣に座る。

こういうのを、たぶん習慣って言うんだと思う。

でもたまに、
それ以上の何かに見える瞬間がある。


何も決めてないのに揃っていく

どうして、あの位置に座るのか説明できない。

でも、毎回同じになる。

私が右で、彼が左。

腕がぶつからないから、たぶんそれが理由。

でも、それだけじゃない気がする。

どっちが言い出したわけでもないのに、
気づいたらそうなっていた。

少し不思議で、でも安心する。

席に着く前から、もう並び方を知ってるみたいで。

「ここにいるよ」って言われてる感じがする。

たまに、逆に座ろうとすると、
ほんの少しだけ落ち着かない。

理由はうまく言えない。

ただ、しっくりこない。

同じ動きを、何度も繰り返して、
気づかないうちに覚えてしまったもの。

「一緒にいるって、こういうことかもしれない」

ふと、そんなことを思う。

でも、言わない。

たぶん、言わないほうがいい。


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