たった一曲にすべてを破壊された伝説のライブ『BLOOMING』を振り返りながら、SPiCaという曲の良さを語る。
2024年11月27日、ファンの間にある情報が舞い込む。
「初音ミク JAPAN LIVE TOUR 2025 ~BLOOMING~」開催決定!チケット受付は11/29(金)正午から開始!
ついに来たか…!っていう気持ちで心が躍ったのももう1年半前。今回のNoteでは情報発表から今日までのBLOOMINGに関する心情変化や私の視点で見えたその景色を語らせてもらいます!!
先に言っておきます。過去最高に長いNoteになります。読まれる方は覚悟してください。
(タイトルの内容に触れるのはだいぶ後になります。そこだけ見たい方は目次から飛んでください。SPiCaという曲の物語、歌詞に注目して考察の見出しからみるのがオススメです。)
情報公開から一時抽選、当たらないもどかしさ
情報が公開されたのは記憶では木曜日の昼前。当時高校3年生だった私は3限の授業が終わって休み時間に情報を見た記憶があります。このころはまだ考察等もしていない純粋な人だったのでなんかライブがあるのか!!くらいの気持ちですね。
東京都に住んでいる私はもちろん東京全公演を申し込むことにZeppっていう会場がどんなんだかわからないけどスタンディングでしょ!!ってなってスタンディング第一希望で申し込み。ついでに沖縄行ったことないから当たらないだろうけど一応ということで申し込み。
なんと沖縄だけ当たったんですよね。18歳高校生、沖縄行きが年末に確定しました。お友達が大阪を当ててくれたので2公演いけることに。
ただ東京公演のチケットがどうしても欲しかった。東京に住んでいて、全国ツアーで東京公演に行けないというのはなんとなくもどかしさがありました。
結局最後の抽選、リセールまで東京公演が手に入ることはありませんでした。
大阪公演、衝撃のお出迎え
2025年4月19日、この日を迎えるまであっという間だったと記憶しています。これまでにテーマソング「Over Flow(er)」のMV公開、グッズの事前通販などを経て、だんだんと『ライブが近づいてくる』というのを実感させられました。毎年マジカルミライが開幕する前の5・6月くらいの気持ちですね。
私は前日の大学終わりに新幹線を乗り継いで友人宅で宿泊し、万全の状態でZeppなんばに向かいました。行きの電車の落ち着かない感じ、会場に近づくにつれて増えていくファンの姿、会場でメガホンを使い案内するスタッフの声。節々にライブが始まるのを感じて興奮は最高潮でした。
Zeppなんばは大阪の中心地にあり、周りには高速道路や交通量の多い幹線道路、大型の商業施設や高層ビルが立ち並ぶ中にあります。今までライブといえば幕張!っていう経験しかなかったため異様な光景でもありました。ライブハウスというのは知っていましたが思っていた以上に小さい!!これ全員入るのかよ!!っていう大きさでした。
友人があててくれた席はスタンディングではなく着席指定。もちろん経験がないのでワクワクでしたが、結論から言うと大正解の席でした。ハコが小さいということもあって初音ミクが近い!!遮るものもないし『あくまでも初音ミクを見たい』という方にはオススメですね。スタンディングの様子も眼下に広がり、なかなかに面白い光景です。
大阪公演のセトリを振り返る

0.デュレエ
まず0曲目から。デュレエここで来たか~!の気持ちでした。39chに上がっている曲はチェックしていて、いつかライブで来るだろうなと思っていました。まさかここでとは…にしてもプシより先なんだ…と思っていました。
1.プシ
えええええええええええええええ!!!!!完全に予想外!!0曲目でプシより先に…とか思ってたらこっちも演奏するんかい!!モジュールもついていて会場のざわつきもすごかったのを覚えています。1曲目から完全に心を掴まれました。これがJP TOURか…!
2.エイリアンエイリアン
こちらも初見でした。この曲はモーションがとにかくかわいかった。ミクを眺めるのに適した着席していだからこそ、この曲は観れてよかったです。
3.二次元ドリームフィーバー
これも嬉しい!!マジカルミライ2023の日替わりでこの曲が聞けなかったのでリベンジ成功です!!曲の最初の演出がいまだに覚えています。
4.キレキャリオン
MC後もミクなんだという驚きもありながら地味に聞きたかった曲で嬉しい!!ここまでなんとなく『聞けたらいいなあ』が続いていてびっくりです。
5.Fire◎Flower
これは完全に予想的中。テーマ的にもメインビジュアル的にも絶対これはあると思いました。思わず隣の友人と目が合っちゃいましたw
6.Caged Flower
完全初見の曲。前半からぶっ飛ばしまくりだったのでここらで落ち着ける曲で助かったっていうのが正直なところ。帰りの新幹線でリピしまくったなぁ…
7.夜舞うシルエット
こちらも完全初見の曲。なんか見たことないモジュールが付いているぞ!?という驚きと、なんでみんなコール完璧なの!?っていう驚きのダブルパンチで戸惑ってましたw
8.カルチャ
は!?!?すんごいしんみりした雰囲気でなにかバラードが来ると思ったらカルチャ!>え!?どういうこと!?っていうこれまだ驚きがすごかった。理由は2か月後に知ることに…
9.東京テディベア
激しい曲キター!かっこいいですよねこの曲。モジュールも含めて大好きです。最後にリンちゃんが「ありがとう」って言った瞬間、ほんのちょっとの静寂から一気に会場が爆沸きしたのを鮮明に覚えています。
10.Someday`z coming
ギター2連発!?そんなことある!?歌いだしの英語パートの時点で虜に。間奏はしっかりヘドバンさせていただきましたw
11.REALITY
またやるんかい!w
流石にコーレスもバッチリです。なんせ昨年6回聞いてるんですから。この時点でライブで聞いた回数が多い曲ラインキングがHand in Handと並んで1位になりましたw
12.アカツキアライヴァル
名前は知ってるけど実はあんまり聞いたことない曲でした。でもやっぱりライブで聞くと好きになりますね~。ミクとルカの関係性がとても好きです。そして日替わりは絶対magnetだと確信しました。
13.ロキ
あ、そういえばリンレンでライブやったことあるんだったこの曲ってなりましたね。ライブでは初見ですがさすがに超有名曲。コールもペンライトも全力で楽しませてもらいました。
14.メズマライザー
終始ポカーン。何が起きているのか脳みそが追い付かない。なんか重音テトが出てきたんだが!?!?そしてモーションがすさまじく細かいが!?!?そのうえミクが原作準拠で壊れちゃったが!?!?本当にペンライト振ったり声出したり全然してないです。開いた口が塞がらない、まさにそんな感じ。困惑のままバンドメンバー紹介に入ってましたw
15.Catch the wave
はああああああ!?って声が出ました。メズマライザーからもうずっと意味不明。僕らはみんな意味不明だよ(?) 嬉しいんですよ!?嬉しいんですけど心の準備というものがあってだな…
16.Snow Fairy Story
もう許しておくれ…ってなってましたね。雪ミクで特に好きな曲2選のうち一つなんですよ。しっかり目に焼き付けておきました。正直もう泣きそうでした。
17.Interglactic Bound
日本で聞けるとは…!!昨年のEXPOテーマソングが聞けるなんてツアーの特権ですよね!「Jump!」で飛べない着席でよかったですw
18.ゆめゆめ
泣泣泣泣泣泣泣泣泣泣泣泣泣泣泣泣泣
何年待たせるんですか(泣)
プロミラをかじっていた小学生くらいの頃を思い出しました。マジミラ2013は限定Tシャツを着用していたと風のうわさで聞いたことがありましたがまさか今回もつけているとは…DECO*27で2番目に好きな曲!!聞けて本当に良かった。サビめっちゃ踊りましたw
19.SPiCa
これは後程…
20.ODDS&ENDS
イントロが流れた瞬間みんな阿鼻叫喚www
隣観たら友人が固まってました。〇んだか…?っていうくらいに。この18曲目から20曲目でまんべんなく全員成仏させるっていう強い意志を感じました。
21.THUNDERBOLT
『THUNDERBOLTやらないなんてことある?』
『アンコール明けの次じゃね?』
みたいな会話してたら本当に来た!
『行くぜTHUNDERBOLT!ハイ!ハイ!』
から始まる盛り上がり、この身で体験できて最高でした。最高の盛り上がりでアンコールが幕開けました。
22.Blue Star
まじか!!!!!前回のJP TOUR2023のセトリを見たときに、アンコール明けにラッキーオーブがあったからアンコール明けEXPO曲あるかもとか思ってたけど本当に来るとは!!しかもEXPO曲の中でもかなり聞く曲。青いペンライトでみんなで星を作れて最高でした。国内だと地味に9年ぶりだったらしく、実は凄い曲選だったのかも。
23.Over Flow(er)
待ってたぜ!!てかモジュール付き!?THUNDERBOLTはなかったからあんまり期待してなかっただけに嬉しい。モーションがいちいちかわいくて困っちゃいますね。脳が焼かれる音がします。サビのコールパート、みんな声がそろってきれいだったしミクに合わせて同じ手の振り方をする流れもしっかりあって最高のトリでしたとさ。
大阪公演を終えて
休む暇もない濃密な23曲。最初から最後まで絶叫でした。こんなライブがあっていいのだろうか。本当にそんな感じ。
でも嬉しかった反面、ちょっとなぁと感じた点もありました。それは好きだった曲の数々が沖縄で聞けず、大阪だけのパターンなんじゃないかと。もう終わりなのかあっていう寂しい気持ちもありました。特にゆめゆめ、SPiCaあたりは。
そして物語のフィナーレ、沖縄へ…
2025年5月30日、朝早くにスーツケースを引きずりながら家を飛び出し羽田空港へ向かいました。目的はもちろん、BLOOMING沖縄公演!!
沖縄って遠いんですよね。3時間近くかかった気がします。ずっとワクワクが止まりませんでした。沖縄に着陸後は大阪でもお世話になった友人と沖縄そばを食べたり美ら海水族館に行ったりして30日は終了。ついに翌31日を迎えました。
この日を迎えるまでにいろいろな想いがありました。
『もう一度SPiCaやゆめゆめが聞きたい!』
『大阪であたりの方引いちゃったからもう楽しめないんじゃないか…』
『そういえば都市替わりってどうなるんだろう…』
色々な期待と不安を抱えながら那覇文化芸術劇場なはーととご対面。相変わらず地元のシンフォニーホールくらいの大きさ。ここでライブするんだ…というサイズ感。1か月半前のあの感じを思い出しました。
沖縄公演のセトリを振り返る(変更曲のみ)
2.ダーリンダンス
予想的中。そんな気はした。いっぱいコールさせてもらいましたよ~。
3.キャットフード
これまた予想的中。ピエレッタちゃんかわいい!!最後の『I say nyao~』の声のそろい方も素晴らしかった。
8.裏表ラバーズ
これも予想的中だけどカルチャと変わるんかい!!そこは驚きでした。マジカルミライ2019以来6年ぶりの演奏だったようで。あとから全都市の都市替わり曲を確認しましたが聞きたい2曲をきれいに引き当てられてて運が良い~。
12.magnet
やっぱりね。そうなんだよね。マジカルミライ2018もアカツキアライヴァルとmagnetでパターンだったのを知って絶対そうだと思いました。2番カットは知らなかったので困惑。フルで聞きたかったなあ…
13.いーあるふぁんくらぶ
これは予想外。しっかり中国語コールさせていただきました。知っている中国語はこの曲に出てくる言葉だけです!w
15.セカイ
CtW変わるんかい!!何の根拠もなく絶対変わらないと思ってました。でもセカイが流れた瞬間意図がわかりましたね~。同じプロジェクトシリーズの曲で、ってことですよね。よく考えられていると思います。
16.四角い地球を丸くする
ああああああああああああああああああああああああああ(〇亡)
SFSの時に書いた、雪ミクで好きな曲2選はSFSと四角い地球を丸くするなんです。両方聞けるとは…自分得すぎる…ちゃんと四角い地球を丸くしたしハッピバースデーも叫んだし。やりたいことは全部できました。にしてもタンチョウちゃんがかわいい!!好き!!
17.M@GICAL☆CURE! LOVE SHOT!
まじか!!グランプリ曲も入ってくるんだっていう驚きがすごかった。HighlightかImaginary love storyだと思ってたから盲点だった。この曲が沖縄で一番熱気があったかもな~。
沖縄公演を終えて
実は今日まででも一番思い出に残っているライブはBLOOMING沖縄公演です。初めてライブで感情が崩壊したというか、感極まりすぎたというか…
とにかく、そのような想いになった経緯をお話ししたいと思います。私を狂わせた曲「SPiCa」の話を…
SPiCa -追いかけて、追いかけ続けた数年間-
なぜSPiCaを伝説級の評価にしているのか
遡ること15年前、2010年3月9日。私はまだ3歳でした。この日ミクの日感謝祭39`s giving dayというライブが行われました。昨年のMIKUFES09`(夏)に続いて2回目の初音ミクのライブ。
SPiCaはこの曲でアンコール前の最後の曲という非常に重要なポジションで初演奏を飾ることになります。そしてラスサビの「いま歌うから 照らしてよね スピカ」のあとにミクがジャンプしたタイミングで銀テープが射出されました。
ライブモデルの話も後々大切になるのでしておきましょう。ミクの日感謝祭では一般的にACモデルと呼ばれるライブモデルの曲がほとんどです。SPiCaもそのACモデルが使われています。
時は2年後の2012年3月9日。2度目にして最後のミクの日感謝祭がこの日行われました。ファイナルを飾るのに相応しい、バンドだけでなくオーケストラが演奏に加わるなど、今では考えられないほど贅沢なライブだったそうです。
この最後のミクの日感謝祭でもアンコール前最後の曲としてSPiCaが披露されました。違う点を挙げるとするなら歌いだしの前にミクが軽くしゃべります。
『ミクの日感謝祭、これで最後の曲です。ここにいる人も、来られなかった人も、すべての思いを、一つに。』
この言葉の後に歌いだしました。オーケストラが美しい音を響かせながら歌うミクの姿は異様な光景でした。もちろん同じところで銀テープが射出され(いわゆるSPiCa砲)、
『サンキュ~』
の言葉で終わりました。
実はこの2つのライブの間に行われたMIKUNOPOLIS in Los Angelesについても軽く触れておきましょう。こちらは初音ミク史上初の海外ライブとなったライブで2011年7月2日に、アメリカのロサンゼルスで行われました。
このライブのSPiCaもアンコール前最後の曲でしたが、国内と違い『エンジェル』というモジュールを付けての披露となりました。これは今でもこの回だけの事例となります。また、SPiCa砲もありませんでした。
お気づきの通り、国内だけで言うならSPiCaという曲は2/2で銀テープを射出し、ミクの日感謝祭だけで演奏した伝説の曲なのです。ちなみに2012年3月9日以降一切演奏されていません。2025年4月19日までは。
SPiCaへの愛、壮大な愛の歌
あまり曲の良さを言語化できる自信はないのですが、大前提気が狂おしいほど好きなんです。SPiCaという曲が。好きな曲を5曲挙げてって言われたら絶対に入ります。3曲に絞り込んでも入るね。
私の曲の好みは結構バラードな曲調の曲です。なぜSPiCaを好きになったのか、自分でもあまりわかってないです。初めて聞いたのは10年ちょっと前だったでしょうか、衝撃を受けたことは覚えてます。でもそれくらいしか覚えてない…
詩でいうと、やっぱり愛に溢れていたり、なにか大きな物語になっているような曲が好きですね。なので韻とかはあんまり注目したりはしていません。SPiCaはまさしくそういう曲なのでそこが好きなのかもしれないですね。
壮大なメロディも思いが込められた詩の良さを加速させている気がします。特に歌いだしまでのほんの一瞬の、大きな物語が始まる感じが狂おしいほど好きで、Aメロはメロディ自体は本当に単純なんです。でも、
『すきだよと言えば はぐらかした』
のところから一気に空気感が変わります。ここで本当に圧倒されます。全神経、身体のすべてがSPiCaという曲に引きずり込まれるような、そんな気がします。
SPiCaという曲の物語、歌詞に注目して考察
せっかくなので歌詞全体を載せてどういう曲だかを紹介しますね。
君と眺めてた
星を集めた窓に 映してた
また 指折り数えた
瞬間ときを重ねた夜に 問いかけた
時を止めた
すきだよと言えば はぐらかした
気がつかないフリは もうやめて><
隣にいるとき
私の軌道はいつも 周極星
トレモロみたいに 波打つ思考の角度
つかめない
君を追えば
なにかを失ってしまいそうな
想い浮かべ 船を出す
抱きしめて 出会わなければ個々
受け止めて デネボラを飛び越え行くわ
ワガママな歳差 キミのようだね
追いかけて うかぶパノラマ
五線の上で 流れ星
いま歌うから 照らしてよね スピカ
笑っていたいよ ひとりはイヤだよ
答えが聞きたい 怖くて聞けない
夜をいくつも過ごして 未来へ繋ぐの
またたく星をよけ 探してた
神話は 誰の味方なの?
ため息で 落ち込んでいた午後
想うだけ 君の名を一人つぶやくわ
あさはかな愛じゃ 届かないよね
会いたくて ピアノ奏でた音
苦しくて 溢れ出す
余韻嫋々 君に届け
抱きしめて 出会わなければ個々
受け止めて デネボラを飛び越え行くわ
ワガママな歳差 星キミのようだね
追いかけて うかぶパノラマ
五線の上で 流れ星
いま歌うから 照らしてよね スピカ
歌詞を見ていただければわかる通り、星座の神話・天文学のモチーフを使って、届きそうで届かない恋を描いた曲です。軌道がすれ違う二人の距離に核心があります。モジュール『オービット』は英語で軌道という意味で、SPiCa は乙女座の一等星スピカです。このスピカという星はアルクトゥルス(牛飼座)と "夫婦星"と呼ばれています。
この曲では乙女座の一等星であるスピカが主人公となっています。そして片想いの相手が夫婦星のもう片方、アルクトゥルスなのでしょう。順を追ってこの恋の物語を見ていきましょう。一部を抜粋してお届けします!
君と眺めてた星を集めた窓に 映してた
君と眺めているとかじゃなくて眺めてたっていうのがポイントですね。過去形なんです。つまりここでいう"君"はもういないのでしょう。
すきだよと言えば はぐらかした
気がつかないフリは もうやめて><
相手は好きという気持ちを気づかないふりをしました。この後の歌詞にある周極星というのは地平線に沈まない星のこと。ここでは相手の周りを回り続ける "片想いの軌道"を示しています。ここから片想いの切なさが伝わると思います。
つかめない
君を追えば
なにかを失ってしまいそうな
想い浮かべ 船を出す
から回っても片想いを追いかけたい。でもそこに不安がある。踏み出せない葛藤がにじみ出ています。
抱きしめて 出会わなければ
個々受け止めて デネボラを飛び越え行くわ
デネボラというのは春の大三角で、スピカとアルクトゥルスの間にある星です。ここでは二人の間にある距離・越えなければならない壁という意味で使われています。それを"飛び越える"と歌うのは、 自分の気持ちをもう一度届けようとする決意でしょう。
いま歌うから 照らしてよね スピカ
スピカは自分自身であることから、『未来へ進む自分自身を照らしてほしい』『歌うことで自分を奮い立たせる』という自己再生の宣言とも読めるのではないでしょうか。
笑っていたいよ ひとりはイヤだよ
ここ、結構私の中ではカギだと思っています。笑っていたいよっていう強がりと、ひとりはイヤだよっていう寂しさの二面性が、この曲の真髄ともいえる部分ではないでしょうか。星の比喩で言うならば、スピカは一等星ですからかなり明るい星です。でも広い宇宙の夜空では孤独・暗闇の中にあります。そのような強さと弱さが同時に出てしまうような心情を、ここでは描きたかったのではないかと考えました。
答えが聞きたい 怖くて聞けない
答えが聞きたいというのは、相手の気持ちを知りたいという気持ち。怖くて聞けない、というのは拒絶される未来が怖いということ。この2つ矛盾していますよね。恋は前に進みたいのに、進んだ瞬間に壊れるかもしれない。だからスピカ(主人公)は夜を過ごすだけで何もできない。夜というのは一般に星が見える時間ですね。つまり星を見上げるだけで終わる恋を象徴しています。
夜をいくつも過ごして 未来へ繋ぐの
今までに挙げた葛藤や何もできない時間を経て未来につなぐと言っています。この恋は終わったけれど、無駄にはしないという強い意思の表れかなと思いました。スピカ(主人公)は、恋が叶わなかったから終わりではなく、その痛みを抱えたまま未来へ進むという前向きな気持ちが示されています。
星で考えると面白くて、光年という単位がありますね。光が1年かけて進む距離の単位ですが、宇宙というのはそれほどまでに広い世界です。1秒で地球7周半できる光が何年もかかるのが宇宙の世界です。アルクトゥルスとスピカの距離は約230光年とされています。つまり、もうそこに星がなくても光は届くという比喩として成り立つというわけです。もう会えない相手でも、その光(思い出)は未来を照らすという構造なわけですね。
またたく星をよけ 探してた
神話は 誰の味方なの?
星を避けていたんですね。きっと星はキミのことなんでしょう。その次に探していたとあるところから、避けてはいたけど、心のどこかでキミを追いかけ続けていたのではないでしょうか。ここにこの曲の恋の揺れが凝縮されています。
また次の神話の話ですが、星座神話には、叶わない恋やすれ違い、永遠に交わらない軌道や追い続ける片想いといった切ない物語が多いです。つまりスピカ(主人公)は、自分の恋がどの神話に当てはまるのかを探しているのかもしれません。味方なの?という疑問は私は救われるの?っていう神にも縋る想いなことが伝わります。
星座の神話は、誰かを救うこともあれば、誰かを傷つけることもあるわけです。星の運命は、私の味方なの?それとも、私の恋を遠ざけるの?っていう臆病な気持ちになり、星に問いかけています。
ため息で 落ち込んでいた
午後想うだけ 君の名を一人つぶやくわ
あさはかな愛じゃ 届かないよね
ここはこの曲で一番心が沈んでいるシーン。曲も落ち着いているので心情が出ているかと思います。恋がうまくいかない現実に押しつぶされている状態を示しており、比喩表現を使わずに等身大の痛みを現実で感じているのでしょう。
次の午後というのも特徴です。午後は日中であり明るい時間、星は見えないんですね。星に願うことすらできない、ただ君の名を呟くことしかできない、そんな時間です。もうすぐ夜が来るというのに名前を呟いてしまうくらいに孤独を抱えている痛々しいシーンです。
さらには沈んで自分の気持ちに自信がないこの恋を、あさはかな愛と表現しています。届かないと分かっている恋だけど、それでも諦められない恋なんですね。
会いたくて ピアノ奏でた
音苦しくて 溢れ出す
余韻嫋々 君に届け
ここは星ではなく音楽を用いて比喩表現を使っています。会いたい気持ちを音楽にしています。星に祈るだけでなく、自分の手で音を生み出すことで、相手との距離を埋めようとしています。これは受動的な恋から能動的な恋への転換点。
それでも音が苦しいんです。「音楽が救いであり、同時に痛みの源でもある」とでも表現すればよいのでしょうか。星を見るだけではなく、音を奏でることで自分の感情をうまく処理しようとしています。
余韻嫋々というのはかすかに揺れながら長く残る響きという意味。ピアノの音が空気の中で揺れ続け、その揺れが君に届くことを願っている。届かない距離を、音の余韻で埋めようとしているというわけです。
星の光と音の余韻の共通点は、どちらも距離を越えて届くもの。つまりスピカ(主人公)は音楽という形で、届かない恋を届けようとしている、最も人間らしい瞬間です。
抱きしめて 出会わなければ
個々受け止めて デネボラを飛び越え行くわ
ワガママな歳差 キミのようだね
追いかけて うかぶパノラマ
五線の上で 流れ星
いま歌うから 照らしてよね スピカ
1番のサビと同じ詩ですが、解釈の仕方が変わってきます。星に願い音に乗せ大きな心情変化が見られます。1番のサビでは願い・願望のような気持ちが強い印象でしたが、ラスサビでは決意・覚悟に変わったように感じました。そこに論理的な説明がなかなか持たせられないんですがね…
歳差運動の話をちょっとしたいと思います。歳差運動とはコマが回っているときに軸がフラフラと円を描くように回る現象のことで、地球も自転する巨大なコマのようなもので、太陽や月の引力によって地軸が約2万6,000年の周期で歳差運動をしています。1番からラスサビにかけての変化はまるで歳差運動なのではないかと思うんです。
同じ詩であることから、同じ軌道を辿っているように見えるかもしれません。しかし微妙に音程とか違うんです。これが少しのズレ、歳差運動にあてはめるなら軸がフラフラしている状態なのではないかなと。先に話した通り、歳差運動は長い時間の周期です。長い時間をかけて願うだけだったスピカ(主人公)が、決意に変化していくのも表しているんですね!
いかがだったでしょうか。解釈はもちろん人によって異なるところでもあり、今回解説した見方以外の見方もたくさんあると思います。夜空を見上げながらスピカの気持ちを考えてみるのも面白いかもしれません。
話が逸れまくりですが、このロマンチックで壮大な物語であるSPiCaという曲が狂おしいほど好きだというのは伝わっていただけたかと思います。それでは2025年4月19日。私とSPiCaがついに出会った瞬間からお届けしたいと思います…
大阪で初めてのSPiCa
最後のミクの日感謝祭からおよそ13年が経過した2025年。BLOOMING大阪公演で私は初めてライブでSPiCaを聴くことになりました。1曲前のゆめゆめの時点でだいぶ心を撃ちぬかれていて余韻に浸っていたところに、なにやら聞き覚えのあるメロディが…
『ぁ…』
小さく声を漏らしてしばし呆然とした気がします。脳の処理が追い付かない。もはや頭が痛い。ビックリなんですけど意外とその場で涙が出ることはなかったです。ただその衝撃にひるんでいました。
ハッと顔を見上げるとDIVAや感謝祭の円盤で親の顔より見たあのモーションが。そこではっきりと現実だと受け止めました。幻聴ではなかった。そのあとの記憶はないのでこれ以上書くことができませんが…
不思議なことに大阪のライブの記憶にそのあとのSPiCaがいないんですよね。ライブで自分が見たけしきって忘れることがほとんどないんですが、大阪のSPiCaの全貌だけはどうしても思い出せない…
しかしZeppという小さなハコだからこそ気づいてしまったことがあります。今でも覚えている当時の記憶がモデルがACモデルだったことです。
SPiCaがACモデルであることの異常さ
SPiCaがBLOOMINGでACモデルで演奏されたことがどれだけすごいことか。たいていの人はそんなこと考えたこともなかったでしょう。感謝祭で演奏された曲がのちにどのような変遷をたどったのか。具体的な曲名を挙げながら見てみたいと思います。
・ワールドイズマイン
ACモデルモジュール無→Fモデルモジュール有
・メルト、ハジメテノオト、1/6 -out of the gravity-、裏表ラバーズ
ACモデルモジュール無→Fモデルモジュール無
・愛言葉、えれくとりっく・えんじぇぅ、初音ミクの消失
ACモデルモジュール無→FTモデルモジュール無
・サイハテ
ACモデルモジュール有→FTモデルモジュール有
・Tell Your World
ACモデルモジュール無→MKPモデルモジュール有
・StargazeR
ACモデルモジュール無→TBモデルモジュール無
だいたいこんな感じです。MIKU WITH YOU2025のロミオとシンデレラはなぜか最後のミクの日感謝祭仕様のACモジュール有になるという謎現象がありましたが、基本的にACモデルというのは淘汰されてきた歴史があります。感謝祭閉幕後にACモデルとして生き残っていたのは、
・ワールズエンド・ダンスホール
・magnet
・炉心融解
・孤独の果て
・Change me
この5曲だけだったと思います(抜けあったらごめんなさい)。
察しのいい方ならお気づきの通り、SPiCaというのは感謝祭閉幕後、唯一ACモデルだけで再演したミクソロ曲なんです。
ライブモデルについては様々な話が飛び交っていました。SEGAのDIVA販促ライブとしての感謝祭で使ったモデルは権利関係がややこしくてダメなのではないかとか。ですがこの日覆されてしまったのです。
これは一体どういうことか、その答えはいまだにわかっていません。おそらく今後も分かることはないと思います。
私の考察ですが、ACモデルというのは普通に使えるものの、古臭さが残る一面もあったため現代の技術力が高いモデルに置き換えていきたいという意向が強い中で、感謝祭を象徴するような曲であるSPiCaを、あの頃のままのミクを登場させることで喜ぶ人が多いと判断したのではないでしょうか。
大正解です。本当にありがとうございました。
今後SPiCaが再演されるかどうか、それはわかりませんがもしかしたらその時もACモデルのままかもしれないですね。できたらDIVAのモジュール「オービット」を着用していただけると大変うれしいのですが…高望みでしょうか。
沖縄での再会、抑えきれない感情
この日を迎えるまでの約1か月半。今までにも書いたように不安と絶望でした。この時はまだセトリ予想を本格的にやる前だったので、ゆめゆめもSPiCaもパターン替わりだと思い込んでいて…
ゆめゆめのイントロが聞こえた瞬間の脚の力が抜けるような感じ、いまだに覚えています。また聞けると思わなくて。
『ハロー また出会えたね』
ここでうっすら泣いてしまった…また出会えたよ~泣
そしてゆめゆめの次の曲…うん?1か月半前に聞き覚えのあるイントロが…なんとSPiCaももう1回聞けました!!
頭真っ白、ほぼ過呼吸、ズレそうなコンタクト。ライブ中とは思えない限界状態だったと思います。転んで泣くのを我慢している子供みたいな顔していたと思います。
でもサビでもう耐えきれなかった。大阪終演後から沖縄に旅立つ日までDIVAで何度も再生しては浸ってを繰り返していました。覚えてしまったモーションを踊るミクの姿が目の前に広がって…ライブでこんな感情が壊れる経験したことありません。声が変わるほど泣きました。
新生活が始まった4月から、長距離通学なうえに大学の授業についていくのに必死だった自分にとっては試練続きの2か月間でした。加えてバイトも週5で出勤、自分の時間もあまりなかったと思います。大学を辞めることばかり考え、過敏性腸症候群を患い電車の中では失神しそうなくらいお腹が痛くなってトイレを探しさまよう日々…そんな毎日を乗り越え神様に認められたような、そんな気がしました。きっと頑張ったご褒美なのでしょう。今でもあの日を思い出しては一人枕を濡らす夜もあったりします。
今回の旅行で登場する友人というのは、実は銀華祭編でも登場したKくんなのですが、この日の夜にSPiCaのモジュール「オービット」の直筆色紙をサプライズでもらいました。実はこれは序章に過ぎなかったことを9か月後に知ることになるんですけどね…(詳しくは銀華祭Noteで)

BLOOMING終演から1年経過した今思うこと。
あれから1年、色々なことがありました。マジミラ2025に始まり、ローソンミクライブ、デコミクライブ、ポケミクライブ…盛りだくさんの1年でした。ですが、私の中では不動の1位。BLOOMINGを超えれるライブは今のところないかなという気持ちです。
さて14000字の前振りを経てタイトルに触れたいと思います。BLOOMINGでたった一曲にすべてを破壊されたというのの、たった一曲はSPiCaです。今更ですけどね。実はBLOOMINGはそこそこ不満点もあったりします。ですがそれを全部ひっくり返す、そのレベルの曲です。
今だから見えてきたBLOOMINGの不満点
あのときはSPiCaの衝撃にかすんでいましたが、冷静になって評価してみるとそこそこ不満点がありました。私が感じたところをご紹介。
ライブが短い!!
短いねえ~。約1時間40分。マジミラ2024より10分、マジミラ2025より20分短い計算に。曲数もマジミラ2024より1曲、マジミラ2025より2曲少ないです。もうちょいやってくれてもよかったのにな~っていう気持ちにはなりました。
バラードがない!!
人によっては良かった点なのかな?SPiCaのところで書いた気もしますが、バラード大好きなんで明確にバラードだ~っていう曲がなかったのは残念。
銀テープ射出が雑い!!
これはまあまあ不満です。テーマソング『Over flow(er)』で飛ばしたわけですが、曲の最後の余韻で射出。なんかちょっと違うかなあ…と、腑に落ちない。私的にはちょっと雑じゃないかなと思うわけです。ならせっかくならSPiCaで射出してくれても…とかとか思っちゃう。
なはーとの音割れがひどい!!
これはなはーとへの不満になるわけですが、音割れは正直酷かった。曲によっては歌詞全然聞こえなかった。そのレベル。あそこまで割れるなら音量をちょっと下げてもよかったんじゃない?って思います。
円盤をだして!!
2023年のTHUNDERBOLTもそうですが、円盤化されませんね~。SPiCaをもう一回見たい!!なので円盤化希望です。
今後のツアーの軽い考察をしながら、〆
2回目のツアーを経て、セトリの傾向が見えてきましたね。今のところ私が踏んでいる次のツアーのセトリ要素は、
・6,7曲目に新曲(ミクとルカ)
・都市替わり1曲、シンガーもモデルもモジュールも考慮せず、出身ボカロPが最優先
・雪ミク曲はスターナイトスノウと雪が解ける前にでほぼ確定
・EXPO曲はimaginary love storyとHighlightそう
・Artifact、多分アンコール1曲目
・季節要素を多少入れる。後半3曲の選曲に注目
こんなところですかね~。どんでん返しあるかもしれないですけど、傾向だけで予想するならこんな感じになりそうです。開催はおそらく2027年初頭?マジミラが終わって今年の10月とかに情報出るんじゃないですかね。
これは妄想の域ですけど、雪ミクとかぶせて札幌だけ公演数めっちゃ増やすとかやっても面白いかも。過去雪ミクライブがEXPO寄りだった回もありますし、雪ミク要素多めのツアーとか。THUNDERBOLTが2月~3月、BLOOMINGが4月~5月だったことを考えると、1月~2月か、5月~6月みたいにちょっと時期ずらしてきそう。
BLOOMING最高だったので次のツアーにも期待ですね!適当にLUMINOUSとか予想しときますw
さていかがでしたでしょうか?意外と好きな曲の好きな要素語るのって難しいんですね。学びになりました。それに初めての歌詞考察をしてみました。好評だったら別の曲でもやってみたいと思います。
次はマジミラ2026特番の情報徹底分析回かな~と思います。もう1個4月から保持しているネタがあるんですが…それはもうちょい温めておきますw
それでは。
