30分即興小説は、#なんのはなしですか? でしか評価はもらえない。
毎月BL小説を書く企画をぼちぼちやっているが、正直少し飽きてきた頃、note質問箱で面白いリクエストをいただいた。
かいつまんで話すと「即興小説やりませんか?」だった。
普段の企画は約1ヶ月の猶予で3つのお題を使った3000〜5000字のBL小説を書いてもらっている。
正直、書き慣れている人が1ヶ月も猶予をもらうと、文字数には苦しむがそれなりの完成度の小説を書ける。
だが、このリクエストは文字数に限定はないが、“即興“なので時間をかけられない。
ふん、おもしろい。
即採用して企画を練った。
私のフォロワーさん達は主婦の人が多く、それ以外でも日中はお仕事をされている人がほとんど。
土日は予定や家族サービスもあるだろうと思い、出来るだけ平等にしようと思って平日に開催することを考える。
一日の中の30分なら、どんな生活環境の人でも1人で集中する時間を作れるだろう。
お題「ラストキス」を使った小説を30分間で書き上げて7月9日(木)23時59分までに企画記事を引用して投稿してください。
※この企画は終了しました※
「お題」をつけたのは急に言われてもなんも浮かばない自分への配慮、制限時間を30分にしたのは最初15分で考えていたが無理かもしれない!と、ひよった結果である。
最初から逃げ腰すぎる企画案だが、1人ホストでやっているので企画案を練るのも私だし、企画書に目を通してゴーを出すのも私である。
よし、やろう!私は企画案をnoteに投稿し、参加者を募りつつ自分も早速、タイマーをセットして執筆に取りかかった。
以下、私の30分で考えながら書いた作品のコピーである。
誤字脱字の添削もなし、脱ぎたての美女のパンティくらいほかほかのままの作品だ。
むかしむかしのそのまた昔。
村の外れの山奥におじいさんとおばあさんが暮らしていたそうな。
人里離れた山奥に年寄り二人は何かと不便だろうと里の村人は危惧していたが、たった二人の自給自足の暮らしは悪くないと、小川で水を汲み田畑を耕し、時になくくり罠でうさぎやデカいネズミをとって程よいタンパク源にしていた。
そんなある日、じいさんが山でくくり罠の確認に勤しんでいると、獣道の入り口で一頭の鹿がかかっていた。
これはしめた!とじいさんは渾身の力で側にあったいい感じの棒で頭を一撃で仕留め気絶させ、解体しようと沢に降りた。
ばあさんの脳に直接メッセージを送り手早く解体用ナイフを準備してもらっている間に、先に血抜きをしておこうと鹿の後ろ足を掴むと、急に鹿はじいさん好みのイケメンになった。
「おじいさんあなたはこんなに好みの顔をした僕を解体して食おうというのですか?今、解体をやめたら今晩違う意味で僕を食べることも可能ですよ」
こめかみから血を滴らせ、おじいさんを蠱惑的に誘惑してきます。
ですが、おじいさんはイケメンの顔を見るのは好きだけど、肉体関係を持ちたいという性欲はもう余っていませんでした。
「バカめ、俗な誘いにワシの心がぐらつくと思うなよ年寄りを…舐めるな!!」
おじいさんは腰に装填していたマチェットをスラリと抜いて「天誅!」と声をあげ振りかぶった。
その声は山道で可愛い見た目のキノコを発見して道草を食っていたばあさんにも聞こえ、里にもこだました。
「ふ、おもしれー奴」
鹿は捨て台詞?と共に口元を歪め、悪役を完璧にこなす本郷奏多のような表情でじいさんを斜めに見上げた。
その不適な笑顔はドSなじいさんの心に大バズりしたが「推しの笑顔は一瞬のきらめき」と胸にしまって、頸動脈をねらい深い一撃をイケ鹿の頸部に突き立てた。
どうせ死んで鹿に戻ればただの鹿だおう。そう思ったが鹿は絶命後もイケメンのままだった。
なんと鹿は人間やったけどなんか悪いことした鹿ちゃう、人間で、魔法で鹿になってて、じいさんの顔がよければそれでよしな善良な気持ちの魔法がぶつかり相殺、見事に解けたのでした。
でも時すでに遅し、イケメンは絶命しました。
「惜しいことを鹿」
じいさんはまだほんのりと温もりのあるイケメンにキスをしたが、そもそもこの人は運命の王子じゃないし、ばあさんが追いつく足音に姿勢を正して何事もなくマチェットを振り上げ、血振りをして収めた。
鹿じゃないからワシは今日から殺人犯。
だが、くくり罠のわしの指紋も匂いも川の水が流してくれる。
お前のイケメンの記憶と己の戒めを背負って逃げ続け余命を全うし往生するわい。
「若い頃は鬼足のシゲ、なんて呼ばれたりもしたっけな」
散っ!!
じいさんは薮の中に飛び込み、そのまま帰らなかったそうだ。
どっとはらい。
主人公の戦闘能力が高いことしか評価できない内容だが、正直、30分の思いつきで書いたらこんなもんだろうと思っていた。
私は小説を書き始めて…3年経ったのか?まぁ数えてないから知らないが、月一BL小説を書く企画を始めたのがほぼ始まり。
毎月最低でも1本短編を書いて本数はこなしている!という自負もある。
みんなこんなもんだろう!
当日は早々に寝て、翌日、参加してくれた小説の回収に回り、そして私は途方に暮れる。
正直に言おう。
ちゃんとした短編をみんな書いていた。
書けって参加者に言ったのは私ですけど、30分の思いつきでこんな書けるもんなのか?ってくらい書いていた。
腕を組んで目を閉じる。
出来るだけ脳に酸素を送ろうと顎をあげ、口に含ませておいたブドウ糖ラムネを奥歯で噛まずに舌の裏に置いて糖分を速やかに吸収し、脳に送る。
小説を書く人というのは、常に何かしらの小説ネタや、自分が書く時のパターンや手癖を常に持っているものなんだろうな。
もしくは、全員自宅に外の世界の「1日」が部屋の中では「1年」になる特殊空間“精神と時の部屋“があるのかもしれない。
1日が1年、そのうちの30分…1日は365日。
30分を365倍すると10,950分…と色々考えたが途中で分からなくなったのでGeminiに計算を頼んだところ、外の時間の30分は精神と時の部屋での7日と14時間と30分だった。
もうこの無駄な計算をしている間に20分は経過している、時間は待つと長いがかけると短い。
もしも。
私以外の参加者が“精神と時の部屋“に入って外の時間の30分で執筆したとすると、約1週間強あってこの出来栄えなら、作品としてかなり脆弱だ!
脆弱脆弱ゥ!!
一瞬盛り返したが新しい不安が脳裏をよぎる。
おい待て相棒。
“精神と時の部屋“をみんなが持っていたとして、この特殊空間に入れるのは人生で2回だけだ。
人生でたった2回のチャンスの一回を、私のポッと出の企画に使ってなどくれるだろうか。
使わんやろ、しょうみそのチャンスが15回あっても悩むやろ。
だって、鹿とじいさんの修羅場しか書けない私が主催する企画に使うより、もっと有意義な使用方法が人生のステージの中で吐いて捨てるほどあるやろ!
あぁあ、なんだよ。
結局私はずっと…下手くそひとりぼっち、だったってことか?
突然の孤独が私を襲った。
全ての光を飲み込むほどの塵一つない限りのない黒だ。
途方もない孤独の中で私は自分の筆力の無さと語彙力のレパートリ、そして皆んなとの創作に対する温度差を感じた。
筆は折る前に折られていたのだ。
皆さんの素晴らしい30分即興です、日本の文芸界はまだまだ明るいですよ!↓
当たり前だが、誰もおじいさんと鹿の修羅場など書かず、ちゃんとしたヒューマンドラマを書いている。
正直、私は普段から小説のことなど全く考えていない。
最近のマイブームは、江戸川乱歩の「人間椅子」を読みながら私も侑太郎さんに座られ、全身にあのふかふかの筋肉を感じたい、座りやすいよう気遣いながら少しでも長く私の上でリラックスしてもらい、190センチ87キロを全身に浴び続けたいと妄想を巡らせることだ。
変態能力なら一瞬で判定不能でスカウターを壊せるが、小説を書く文章能力はゴミだったことが白日の下に晒され、即興企画は一度幕を下ろした。
なお、第2回は10月頃の回収日にぶつけて #なんのはなしですか を参加者につけてもらい、路地裏に送り込もうと思っている。
だが。
10月からBリーグが開幕する。
推しの筋肉の持ち主の侑太郎さんがいるシーホース三河と同じ愛知県にあるチームの名古屋ダイヤモンドドルフィンズに、私の好みすぎる顔面の持ち主であるクエンティン・ミロラ・ブラウン選手が移籍したので愛知にうつつを抜かしてやらないかもしれない。

